グリゴリ7とは、以下のものを示す名称である。
当記事では双方について述べる。
1.の概要
ゲームデザイナーの竹安佐和記氏が、2015年11月より発売している電子コミック作品。
「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」の流行語でも知られる、ゲーム版「エルシャダイ ASCENSION OF THE METATRON」及び同作の原作小説に準拠したストーリーが、コミックになった。「7人の堕天使を全員捕縛できなかった」ゲーム版のストーリーを良しとしなかった神が、ルシフェルに銘じて時を「始まりまで」巻き戻し、神が本来想定していたストーリーとしてのエルシャダイが展開される。
エルシャダイのコミカライズ作品は他にも、本編の前日譚にあたるイーノックとルシフェルの出会いなどをメインに描いた「エルシャダイ セタ(全3巻)」もあるが、本作はその「セタ」から更に後、イーノックを操作して実際にタワーの堕天使たちと戦うゲーム版に相当する部分が描かれている。そのため「セタ」から後に続く作品、ともいえるだろう。
とはいえ、こちらはゲーム版とはストーリーが一部異なり、ストーリーの示す通りゲーム版では未登場に終わった堕天使達も含め総勢7名の堕天使が全員登場するため、ゲーム版も原作小説も知っている人は勿論のことゲーム版を遊んでいない人も楽しめる内容になっている。またルシフェルも堕天使たちも、登場人物たちの台詞回しが全体的にユニークで小気味良い。そのため人が多い電車やバスの中で読みたい一冊に仕上がっている。
2017年3月現在、1巻のみ発売中で同年内に2巻が発売予定。
なお、電子書籍なので書店では扱っておらず、読む場合はkindleやiTunesなどが必要。
2.の概要
この記事には、ゲーム「エルシャダイ」及び 「エルシャダイ原作小説」のネタバレが一部書かれているが大丈夫か? ここから下は読み進めるかどうか、自由に選択していけ。 |
「エルシャダイ」作中にて、かつて古の時代に神の予言通り地上世界と地上で暮らすヒトに憧れ、天界を捨て堕天した7人の天使たち。「エルシャダイ」の作品における敵役。
それぞれの理由から地上世界へ憧れを抱き、天界を捨て地上世界に巨大な塔を建造し、その中に理想郷を築き上げて暮らす。そしてタワーで暮らす地上の人々は、天界からもたらされた、人間が辿り着けないような数々の「知恵」や、人間が何千年何万年先に獲得する未来の技術などを与えられ、高性能な玩具を与えられ喜ぶ子供のように誤った進化を歩ませられる事になる。
また、堕天使が人間の女性たちと交配してネフィリムが生まれた事で神の怒りを買い、洪水計画が発動されるところだったがイーノックが計画中止を嘆願した事で堕天使達を捕らえる条件のもと計画は延期される事になる。
やがてイーノックの長い戦いが終わり、セムヤザ達が全員捕縛された後も続々と堕天を行う天使たちが現れるが、多くの天使たちがこうもリスクを冒してまで堕天するのは何故なのか?とルシフェルは堕天使たちを捕縛しながら考え続けていた。
そして、使命を終え地上世界でヒトとして暮らしていたイーノックと再会し、彼が辿り着いた答えは・・・
冥界王・ベリアルの力添え
(ゲーム版では語られていない設定となるが、)本作にて、地上への堕天は大変な労力やリスクを背負う行為とされており、堕天使たちは地上へ落ちてヒトとしての肉体と生を得た代償に、地上へ墜落したダメージで肉体が朽ち果て一度は命を失っている。
そのため、彼らは死を逃れる代償に冥界の王ベリアルと契約を交わし、強力な闇の力を授かった。その代わりに死後に天界へ召されず彼らの魂は冥界へ捧げられ、ベリアルの支配する闇の世界へ束縛される運命となるのだが、セムヤザ達はリスクを冒そうとも地上でヒトと共に生きていく事を選び、その決断を下した事に誇りも持っていた。
ベリアルからしても、「来たるべき日」のために堕天使たちの魂は是非とも手に入れたいと思っていたので堕天した彼らに力を与える事はなんでもなかった。
作中で堕天使達が身に纏っている、一つ目の頭部に黒い全身鎧が特徴のウォッチャースーツはベリアルの力によるもので、天使たちとも互角以上に渡り合う力を与える防護服にして、地上で堕天使たちの命を繋ぐ生命維持装置でもある。またウォッチャースーツと一緒に、地上の様々な生物を使役獣として従える力や冥界の闇の力を授かっていて、闇の力を全て開放する事で二度とヒトに戻れない代わりに強大な力を得る最終手段「ネザー」の力も備える。
エゼキエル
堕天使の1人。使役獣は豚で、鎧を纏った巨大な豚の使役獣・フーラとウーラを従える。オトートノカタキヲトルノデス
地上界へは、家族への愛(母性愛)や自然への愛に憧れ堕天したが、その実態は独り善がりの愛情に過ぎず、相手には時に恐怖を与える。元は見目麗しい女性だったが、堕天の影響で急激に老化している。
エゼキエルの第1階層は自然界と変わりないような世界が広がる。
前日譚たるコミック作品『エルシャダイ セタ』では、ルシフェルのイタズラで地上界から天界への階段を無限に上り続け天界へ到着すると同時に疲労困憊で倒れたイーノックを介抱した。
参照→「エゼキエル」
サリエル
グリゴリ天使団で4番目に堕天した天使。
ヒトの「愛」に惹かれ堕天した。使役獣は蝙蝠で、中でも強力な力を持つゴールドサージとシルバーサージという2体の使役獣を常に従えている。
参照→「サリエル(エルシャダイ)」
バラケル
セムヤザ、アラキエルに続いて3番目に堕天。使役獣は不明。
第3階層を支配する。大柄な体格が特徴。何気にサリエルに負けない程の絶倫。
冒険の舞台たる巨大なタワーこと背徳の塔、そして天界の監視の目を逃れる「帳」の設計者であり、堕天使達の中で最も建築知識や科学技術に優れた存在。
セムヤザと共に多くの地上人の協力のもとタワーを建造し、またセムヤザの生命維持装置も作った。また自分以降に地上へ堕天してくる天使たちのために反重力装置を作って堕天の衝撃を軽減する事に務めた(すぐに壊されてしまったが)。
堕天に踏み切った理由は不明だが、優れたヒトに会ってみたいという考えも持っていたらしい。
だが作中では彼のいる第3階層は溶岩のようなケガレが降り注ぐ火山地帯と化し、共食いを繰り返し巨大化・狂暴化する火のネフィリムにバラケルも食われた。
コミック版『グリゴリ7』では、他の堕天使と一緒にウォッチャースーツを着て登場している。
アザゼル
ヒトの「進化」の可能性に関心を持ち、セムヤザの後を追う形で堕天した。
そのため、堕天した後は地上の人々に天界から持ち去った知恵や数千年~数万年先にヒトが辿り着く未来の最先端技術をもたらすが、これはいうなれば火を使い始めた人類に電気や機械技術を教え、馬や土造りの建物しかない時代に金属や車をもたらすレベルのもので、人類規模での「強くてニューゲーム」を実行した。
そのため、彼の支配する第4階層はハイウェイや高層ビルが広がる未来都市さながらの風景なのだが、あまりにも技術が飛躍し過ぎているため地上人が誰も付いて行けず、ヒトが全く住んでいない文字通りのゴーストタウンとなっている。
参照→「アザゼル(エルシャダイ)」
アルマロス
堕天使の1人で、7人の堕天使で最後に堕天した。
地上人だったイーノックとは親友気取り。堕天した影響で声を失い、言葉を喋れないので踊る事が彼の唯一の感情表現手段。使役獣は巻貝。
第5階層を支配し、水の世界の中でライブを開催している。
参照→「アルマロス」
アラキエル
セムヤザに続いて2番目に堕天したグリゴリの天使。7人の堕天使の中で最も謎が多い存在で、タワー内の自由の民たちも誰も姿を見た者がいないが、それは前日譚の時点で天界から落ちてきたアルマロスを救助し死亡していた為である。死後は第5階層の水のネフィリムに食われた。
なおコミック版『グリゴリ7』では死亡せず、他の堕天使共々本人が登場している。
重力を操る力を持ち、かつてその一部をサリエルに与えた。彼が支配するタワー第6階層は、金属か大理石のようなブロックが並び、浮遊し規則的に動いたりという無機質な世界となっている。階層には彼の墓標が石碑として置いてあり、彼の思いが書かれている(エルシャダイの天界文字を解読して読める)。
「相手に言われた事の逆を行く」主義を持ち、他人の思い通りに動かない信念・性格を持つ。
先述の通り彼が何を考えて堕天したかは不明だが、コミック版『グリゴリ7』では「神のいう逆のことをするのは刺激的だぞ」と発言しているため、神の意思の逆を行くために堕天したのかもしれない。実際、堕天後の彼は地上のヒトに対する興味を失い始めていた。
また同作では、イーノックの前に現れた堕天使達の「逆を行き」、イーノックを歓迎する態度を見せている。
セムヤザ
エルダー評議会の筆頭であった最上級の天使で、7人の堕天使のリーダー。彼が最初に地上のある一人の女性に恋をしたことで、天界を捨て最初に堕天に踏み切った事から、物語は始まった。
『エルシャダイ セタ』では恋という感情が理解できず、謎の心の苦しみを地上人たるイーノックに相談した事もあった。
最終階層(第7階層)を支配する。使役獣は山羊。
彼が支配する階層は黒い足場が並び、階層内には天界へ行けず地上界を行く宛てなく彷徨う魂が赤い雪として降り続けている。
他の年老いたような姿となった堕天使とは違い、彼は少年のような姿をしている。
またゲーム版では寿命を全うして死亡していたが、『原作小説』では、
以下小説版のネタバレ→「本編時点で既にネザーとなっておりタワー最上階と同化、最終局面ではタワー全体へ神経を通わせタワーそのものとなってイーノックを襲ってくる」。
彼の堕天後のストーリーは『Gideon-ギデオン-』や『サワキグラフ Vol.03』でも読む事が出来る。同作中に登場するセムとはセムヤザと同一人物で、堕天後の彼の事である。
また『グリゴリ7』ではウォッチャースーツを来た彼が、他の堕天使共々登場している。
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
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