グレイとは何の価値もない男である。
概要
ヴァルキリープロファイルに登場するキャラクターで、実は何の価値もない男ではない。
容姿は全身を西洋の甲冑で装っているため、プレイヤーが彼の素顔や表情を知ることはない。その上寡黙ときているため、感情を読み取るのが難しくなっている。その謎めいた人物像と独特の佇まいは、一部のプレイヤーに「もしやこいつは強キャラなのでは」という期待を抱かせるだろう。そんなグレイはこうした独特の出で立ちと雰囲気をもって物語の後半に加入する。
人物
普通に本編をプレイしていてもグレイを取り巻く冒険者達(カシェルやエイミ等)からの情報が断片的に入ってくるだけである。一体グレイやカシェル達の周りで何が起きているのかわからないプレイヤーも多いだろう。ただ、カシェルやエイミが誰かの居場所を探っていることは理解できるはずだ。そう、カシェルやセリア、そしてエイミが追っていたのはグレイなのである。そしてグレイは元々カシェルやセリアといった冒険者達の仲間だった。何故カシェル達はかつての仲間であるグレイを追っているのだろうか。 その答えは彼らの過去にある。
前途の通りグレイやカシェルら冒険者は仲間だった。しかし冒険者達の内、グレイを含めた三人はとある事故がきっかけで命を落としてしまう。この時彼らに同行していた魔術師のレミアは自分が慕っていたグレイを生きかえすために換魂の法を使った。結果グレイは蘇ったもののレミアは絶命する。グレイはそんなレミアをさらに換魂の法で蘇らせようとするものの失敗して肉体を失ってしまった。
事情を知らない仲間たちはグレイがレミアを殺したものと誤解するが、寡黙なグレイは言葉足らずのままそれを肯定してしまう。以降かつての仲間たちは「レミアの敵」と血眼になってグレイを追うが、その最中で不幸にも命を落としていく。最後に残ったセリアがヴァルキリーから得た情報を手掛かりにグレイの居場所を突き止め、アークダインの遺跡に足を運ぶ。果たしてそこにはグレイがいた。しかし、仲間を失ったセリアは冒険者達の最後の生き残りであるグレイと戦うことをためらってしまう。一方、換魂の法を酷使したことにより魂の抜け殻と化したグレイは、止めを躊躇するセリアの前で文字通り崩壊した。
簡単にまとめれば、彼の言葉足らずが原因で生き残った冒険者もセリア以外は全員死んだということになる。こうした経緯を知ってしまうと一連のイベントに一層の悲壮感とやりきれなさを覚えるだろう。
ちなみに人物特性を見ていると意外と人間味があることに気付く。
- ( +)
彼の兜についている紋章がこのように見えるため、ファンの間ではこのような顔文字を用いられることがある。道路標識とかを注意深く見ていると彼が街にたくさん潜んでいることに気付くだろう。十字路の前とかに。
戦闘
強くはない。
これで終わってしまえば身もふたもないのでどう強くないかを解説しよう。彼は何故強いとは言い難いか、その理由はズバリ総合火力の低さにある。読むのが面倒な人は最後の項目を参照されたし。
「満を持して登場した三人目の大剣使い」とグレイが加入した直後のプレイヤーは色めきだつ・・・・・・のだが、決め技を含めた攻撃の数々がどうもパッとせず、加えてステータスの上昇も剣士並みというなんとも残念な戦闘能力に弱キャラの烙印を押すプレイヤーが後を絶たない。
では使えないのか。
というとそうとも言い切れない。大剣を装備できる彼は全体でみれば通常攻撃の火力自体は高い部類に入る。しかも通常攻撃の性能が地味に優秀で、特筆すべきなのがガード不能かつ必中のブラスティックキャノンだろう。敵の背後まで踏み込む渾身の突刺を放ち、彼の後を追うように光の球体が敵を追撃するのだが、この球体の部分がガード不能なのである。このため、どんなに堅牢な防御も彼の前には役に立たない。他にも相手を浮かせるモータルレイザーも習得しており、彼の技には「浮かせる」「ガー不必中」「裏回り」など優秀なコンボパーツが揃っている。他の大剣使いは攻撃が大雑把でコンボに向かない技を多く持つため、そうした点において差別化は図られているといえるだろう。
敵をあまり選ばない抜群の安定感を持っている。
運用次第では強力な個性を発揮する。
以上の点から「アリューゼいるからお前イラネ」と言われがちなもう一人の大剣使いよりは恵まれているのかもしれない。純粋な強さなら一考の余地すらなくカシェルに分があるが。
「重戦士ではなく大剣を使える剣士」と考え方を変えればまた違った彼の姿が見えてくる。華麗なコンボ道に手を染めた人であれば彼の魅力に気付けるはずだ。はずだ。はずだ。
アイシクルディザスター
神秘的な雰囲気を醸し出す彼が一体どのような決め技を披露してくれるのか。プレイヤーは期待に胸を膨らませ、決め技ゲージの充填に心血を注ぐ。煌々たる決め技ゲージにプレイヤーの期待は頂点に達し熱い視線は画面に釘づけになるだろう。そして今、グレイの必殺技が神秘のベールを脱ぎ捨て、プレイヤーの期待に照り輝く目の前で盛大に放たれる。
蒼い砂埃迸る電光石火の一突きが相手を無慈悲に貫き、無数の光球が敵に群がり苛烈に甚振り尽す。さっと踵を返すグレイの眼前には、見るも凍てつく氷柱が高々と聳え立つ。そこに下段から振り抜くように一閃を放つグレイ。そして一瞬の静寂の後、氷柱が粉砕され決め技は終了となる。実に猛烈かつスタイリッシュで見応えは決め技の名を冠するに相応しい。
「これがグレイの決め技か」
そう余韻に浸るプレイヤーは敵のライフゲージに視線を移し、あることに気が付くのだ。
「あれ、体力減ってなくね?」
装備を確認する。しっかりと大剣は装備されている。攻撃力を確認する。しっかりと高い。
決め技に移行するまでのコンボが思ったほどダメージを減らせていなかったのか。そう思ってあなたはもう一度このアイシクルディザスターを放つだろう。そして画面から目をそらし、その視線を虚空に漂わせ、どこか遠い目のまま失望のどん底に落ち、プレイヤーは万感の思いを込めて呟くのだ。
「決め技弱ぇ」
と。
そう、このアイシクルディザスターは攻撃力の割に与えるダメージが驚くほど低い。ぶっちゃけると総合的な火力では一撃必殺(笑)やらエターナルレイド(鳥)やら下の下には余裕で勝る。ただ、攻撃力も高いし、ダメージもしっかり通っているのに敵に与える痛手がすかしっ屁同然なのだ。このため、プレイヤーが食らう肩透かしは言葉に出来ないものがあるだろう。
とまぁやや大仰な表現を用いて酷評したが、他の要素はそこそこ優秀である。ヒット数も固定なのでダメージは驚くほど低い水準で安定しているし、CTは2と燃費もよく、EN上昇とHIT数もそれなりに高い。装飾品との相性もいい。ダメージもHIT数もEN上昇もカス同然のスフィアなんたらや技がスカって繋ぎづらいなんたらネリアンブレードと違い、決め技の底上げや繋ぎには使えるため汎用性には文句のつけようがない。
本当にただただ威力が低いのだ。
読むのが面倒な人へ
彼は器用貧乏である。
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