グロック17とは、オーストリア製の自動拳銃である。開発したグロック社は元々軍用ナイフやスコップ、機関銃のベルトリンクなどを製造していた会社であり、同社初の銃であると同時に大ベストセラー品である。バリエーションのグロック18は該当項目を参照。
概要
口径は9mm。9mmパラベラム弾に代表される9mm×19弾が使用される。標準的なモデルでは装弾数は17発。
特徴として挙げられるのは特殊プラスチック製のフレーム(ポリマーフレーム)である。ポリマーフレームの銃自体はヘッケラー&コッホのVP70(ただし強度を補うため金属製のインナーフレームが一部仕込まれている)が既にあったが、その銃が商業的に失敗だったこともありグロック17は「世界初のプラスチックを用いた銃」という誤解と共に広まることとなった。
発表当時はハンマーもなくおもちゃのような外見から「ダサいうえ変わり者の銃」と酷評されたものの、軽量で携帯のしやすさから現在では様々な警察・捜査機関で扱われている。映画やゲームなどの登場作品も比較的多い。
また映画「ダイ・ハード2」で「グロック拳銃はX線でも感知しない」とのセリフがありこれによっても知名度を上げたが、これは誤りである。実際はスライドや銃身が金属製であるため金属探知やX線検査に容易に引っかかる。とは言えフレーム自体はX線検査では写らないことから一目で拳銃と分からないというのはあったようで、グロック社も後にプラスチック部品にX線に写る造影剤を添加するようになったらしい。
シリーズ構成
スタンダード | コンパクト | サブコンパクト | サブコンパクト (スリムシリーズ) |
コンペティション (競技用) |
|
9×19mm | 17 | 19 | 26 | ― | 34 |
.40 S&W | 22 | 23 | 27 | ― | 35 |
10mmオート | 20 | ― | 29 | ― | ― |
.45 G.A.P. | 37 | 38 | 39 | ― | ― |
.45 オート | 21 | ― | 30 | 36 | 41 |
.380 オート | ― | 25 | 28 | 42 | ― |
.357 SIG | 31 | 32 | 33 | ― | ― |
その他
ダイハード
ダイハード2で登場したグロックは実は架空銃である。主人公のジョン・マクレーンはグロック17ではなく「グロック7」と呼んでいる。(見た目はまんまグロック17の1stモデルであるがw)
またマクレーンは「お前の給料じゃ買えない」と発言したがグロックは約500ドルで購入でき、軍用拳銃での1番安い部類に入る。
この2つからダイハード2に登場するグロックは「グロック17をベースにテロリストがX線に映らない様に改造したグロック7」と考えるのが妥当かもしれない。※注※この項目は筆者の推測です。
ダークナイト
映画「ダークナイト」で悪役、ジョーカーがメインアームとして使用したグロックは「フルオート改造をし、30連マガジンを装備したシルバースライドのグロック17(関連動画参照)」でありグロック18Cではない。その為、グロック18Cに間違われる事が多いが、前述した外見から多くの銃器が登場するこの映画でも異色を放っている。
世界初のポリマーフレーム??
前述の通り世界初のポリマーオートはVP70なのであるがVP70の製造会社H&Kとグロック社で意見が食い違っている。H&K社はVP70を勿論世界初のポリマーフレームであるとしているがグロック社はカタログで「グロック17が登場するまでポリマーフレームは存在していなかった」とVP70を完全になかった物としている。
VP70は重量が金属フレームの銃と変わらず、ただ安く抑えれるからポリマーにしただけで、ポリマーのメリットを十分考えて製作したグロックとは設計思想が異なる。
正確には「単純にフレームがポリマーの銃はVP70が初めてだが実用的なポリマーフレームはグロックが最初」となる。
グロックの数字
グロックの17という数字は装弾数が17発だからという説とグロックを発売する際取得した特許が17個だったからという2つの説があり実際は謎である。そしてバリエーションは17から順に37まで1つづつ数字で数えている。これは銃火器の中でもかなり珍しい事でグロック社が元々銃器メーカーでなく、他の銃器メーカーと異なるネーミングをしているからである。しかしもう既に21種類のバリエーションが出ており、全て非常にややこしくなっている。銃器専門家ですら全てのバリエーションを完璧答えれる人は少ない程である。
関連動画
関連商品
外部リンク
関連項目
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