ニコニコ動画内で「ケモノとは何ぞや?」と問われた際には、この解釈で十分であろう。ウィキペディア{Wikipedia, http://ja.wikipedia.org/(日本語版)}の当該の項に詳しい。
しかしながら、そこに記述されている事柄凡てを必要とする萌えではない。「ケモノ」と云うファジーな概念で括られるとはいえ、その分類は多岐に亘る。
ここではニコ百編集人による考えを述べてゆく。「ケモノについて語るスレ」を見ればわかるように今でも論議は尽きておらず、現時点での一意見に過ぎないことを断っておく。
なお隣接する概念にケモショタ、ケモロリなどがある。
概説 〜ニコニコ大百科における「ケモノ」という語の扱い
ニコニコ大百科においてはまず「人外」の記事において、萌え要素の羅列の中にケモノが含まれている。また「獣耳」の記事では、それがケモノに分類されうるとしている。その他記述を総合すると、ニコニコ大百科でのケモノの上位区分および下位区分は、すなわち次のようになる。
上位区分
下位区分
ケモノのアウトライン
アイディアライゼーション(idealization, 理想化)された動物達は様々な形態を装う。
「クリーチャー(Creature)」、「モンスター(Monster)」{、「ファーベルティーア(Fabeltier)」}界隈は、概して自然状態の生物・理に近似するも、その創造者の理想が反映された形で描出されるものを対象とする。
(中世)ファンタジー系、及びリアル系のクリエータは此処に属する。「ドラゴンハート」のドレイコ、マクファーレン・ドラゴン(McFarlane Dragons)シリーズ等が挙げられるか。
単に「獣」、「竜」、「鳥」界隈で括る場合には、上に加えて更に理想化が進んだ状態をも含むようになる。つまり動物をそのまま単純化したものもこの世界で括る事が出来る。
「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」の狼リンク、「ゼルダの伝説 風のタクト」のヴァルー等が挙げられるか。
「獣人」、「竜人」、「鳥人」、その他獣人系の界隈は、上に加えて更に人間ヴェクトルへの理想化が進んだものも含み、脚の形状がディジティグレイド(digitigrade, 「獣脚」、逆関節とも)であるか、それとも
プランティグレイド(plantigrade, 「人脚」)であるか等と、その骨格に広大なレンジ(許容範囲)が復興するようになる。
※アンギャリグレイド(unguligrade, 「馬脚」)、鳥脚、無脚(ヘビ)、多脚{タウル(Taur)等}等も含む。
「ケモノ」は上記総てを内包する力を持つ言葉であり、これに加えて日本的ポップカルチャー(低体長志向等)の理想化が進んだ状態の動物をも指すようになる。
「とっとこハム太郎」のハム太郎等が挙げられるか。
更にこの項目は、細分化されるケースがある (e.g. 身に付けるパーツ(ゴーグル, 首輪等)、ケモショタ・ケモロリ等) 。
混乱させるような言及をするが、これまで述べた事は互いにその要素を譲り合う。
語源 (獣 > 毛物) からすれば当然ドラゴンなどの爬虫類は外されるが、実際にはRPG等のファンタジー作品において竜と獣は並存しており、ケモノ界隈にはドラゴン系の作品も多く見られる。
ケモノのキャラクター(抄出)
「風のクロノア」のクロノアや「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のテイルス等が、ケモノの代表的なキャラクターとして名高い人気を誇る。また、「ポップンミュージック」にも数多くのケモノ系キャラクターが登場する。
「デジタルモンスター」はニコニコ動画に於いてはButter-flyなどアニメソング関連の動画に押されてはいるものの、主人公の「選ばれた子供達」ではなく「デジモン」そのものに焦点を当てた動画も珍しくない。
「ポケットモンスター」ではピカチュウ・ルカリオを筆頭に、御三家(物語の始めに一つ譲り受ける三匹)、イーブイ及びその進化系 (いわゆるブイズ) がよくケモノの代表格として挙げられるが、ラグラージ(愛称キモクナーイ)やビッパといったポケモンに、憎めない愛嬌を覚えるケモノ好きも少なくない。また一般や対戦で使われることはあまりないがザングースがかなり人気である(pixivの投稿数TOP5に入ってるはず)。可愛い。
日本語版ウィキペディアの「ドラゴン」の項にて、"ケモノの特性や特徴をも併せ持つ"として「聖剣伝説」シリーズのフラミーと「テイルズ オブ リバース」のシャオルーンの名が挙がっている。
他にも「大神」のアマテラス、「ドラゴンクエスト」シリーズのゲレゲレ、「ワギャンランド」シリーズのワギャン等、到底此処では挙げ切れるものではない。
Furry Fandom (ファーリィ・ファンダム)
欧米にも日本のケモノのようなジャンルが存在し、"Furry"と称す。またFurryを愛するものをさして"Furry Fandom"と呼ぶ。Furryは多分に西洋文化 (特にアメリカンコミックやアニメーション作品) の影響をうけており、日本のケモノとは異質と捉える人も少なくない。Kemonoという単語を日本 (ないし日本風) のキャラクターデザインとして、Furry Fandomと使い分けることもある。
ニコニコ動画で有名になったキャラクターの名を挙げるならば、「チーターマンII(Cheetahmen II)」のアポロ・ヘラクレス・アリエス(エアリーズ)のチーター獣人三兄弟か。
なお、世界的に有名ミッキーマウスなどはケモノと一線を画すものと考えるヒトも多いが、実際に外国でも"Furry Animals"に対して"Funny Animals"と呼んで区別する事もある。然し、区別するという事はアイデンティティの構築を意味し、これはFurryの一ジャンルを担う事を示すものである。
ズデニェク・ミレルのクルテクや、エドゥアルド・ウスペンスキーのチェブラーシカ、ディック・ブルーナのミッフィー等、児童向けの作品の中でも極めてシンプル且つ特徴的なキャラクターは、何れにも含まれない場合が殆どである。
ケモノ耳・ケモノ尻尾系
外見からすれば擬人化と呼ぶより「擬獣化」と捉えた方が無難か。人間に動物の耳や角、尻尾等の要素を取り入れたものを指す語だが、これは「人外」という括りに分類される場合がある。コスプレとの境界は曖昧である。"獣耳"の項に詳しい。
ケモノ系が好きなヒト達はこの項目に該当するものは「ケモノ」とは呼べないのではないかと主張している。しかしケモノ界隈のヒトが「モンスター」と「クリーチャー」、「獣人」と「獣」、「ケモノ」と「Furry」等の区別を主観に基づいて行使する為、「獣耳」と「ケモノ」を混在させることもある。
着ぐるみ
動物をモチーフとした着ぐるみを好む集団もケモノ界隈に隣接するとされている。既存のキャラクターを模した着ぐるみよりもオリジナルキャラクターのものが多い。
その他
人魚やケンタウロスに代表される人頭獣身系や、亜人(クリエータにより認識に揺れがある)系などがケモノに果たして含まれるかどうかは、各個人の判断に委ねられている。但し、「クリーチャー」や「モンスター」、「獣人」には含まれるとされる場合が大概である。
「人外」はケモノの必要条件であるが、十分条件ではない。「星のカービィ」のカービィやメタナイト、「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統、「スターウォーズ」のR2-D2等をケモノに含める事になるからである。
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