コアラ(ONEPIECE)とは、漫画『ONEPIECE』に登場するキャラクターである。
概要
インペルダウン看守の動物系悪魔の実能力者……ではなく、革命軍において主人公ルフィの義兄であるサボとコンビを組む、魚人空手師範代を務める女性。
クリッとした眼とオレンジのショートヘア、キャスケットが特徴的な、可憐でたくましい革命軍の兵士である。
初出はコミックス63巻において、元・七武海ジンベエの回想に、元・奴隷の少女として登場した。
初代魚人海賊団‘タイヨウの海賊団’船長フィッシャー・タイガーがとある島に寄港した際、島の人間は彼が為した「聖地マリージョア襲撃及び、種族を問わぬ奴隷の開放」という偉業を見込み、天竜人の奴隷であったコアラの故郷への移送を頼まれる。
当時11歳、このときの彼女は、滑らかな髪もボサボサで、およそ健康的とは言えない容姿だった。
精神面も健全とは程遠く、コアラは奴隷であったときの過去から「種族の違う大人の男に囲まれようが、その男たちの一人から殴られようが泣きもせず笑顔。殺されないために」という、子供らしくないどころか尋常じゃない様子をしており、タイヨウの海賊団一同に奴隷時代の恐怖とトラウマを見せつけることになる。
そんなコアラの姿を見て意を決し、タイガーは彼女の背中に焼き付けられた奴隷時代の焼き印を、
タイヨウの海賊団のマークで新たに‘上書き’し、コアラは人間でありながら魚人海賊団の掲げる「解放と自由の象徴」「奴隷であった魚人と、そうでない魚人を見分けなくするマーク」を文字通り背負うことになった。
タイガーの痛みを伴う荒療治の御陰で立ち直るきっかけを掴み、コアラは徐々に海賊団の魚人たちと打ち解けて泣き笑い、故郷の村にたどり着いたときには「あたし村の皆に言うよ!!魚人にはいい人達がたくさんいるって!!」という言葉を別れ際に送り、惜しまれつつもタイヨウの海賊団と別れた。
……が、コアラを故郷を送り届ける一連の依頼はフィッシャー・タイガーを捕縛するための海軍の作戦であり、彼女が送り届けられた島には無数の海兵たちが待ち構えていた。
コアラ自身は全く知らなかったが、この待ち伏せでタイガーは重症を負い、結果彼女の大恩人は命を落とすことになってしまった。
その後、コアラは14歳になると、世界政府打倒を目指す革命軍に入ることとなる。
経緯は不明だが、動機にタイガーたち魚人との交流や、虐げられていた奴隷時代のことがあるのは想像に難くないだろう。
同時期既に革命軍入りしていたサボとも交流を重ね、23歳にあたる新世界編の頃には、革命軍の戦士にして魚人空手を師範代クラスまで会得するほどの立派な成長を成し遂げており、
本編時間軸においてその姿でサボと再登場したときには、サボの再登場と共に読者を大いに驚かせた。「あの元・奴隷の子がまさか」「立派になった」と……。
性格と信念
作者曰く「面倒見のいい性格」らしく、ルフィとエースに似て無茶をしたり突っ走ることの多いサボとコンビを組み、彼の世話を焼いている。
革命軍の兵士として活躍している頃には、前述の通り普通に感情の発露ができるようになっていて、サボが数日間高熱と悪夢にうなされ、記憶喪失から回復し海賊モンキー・D・ルフィとポートガス・D・エースと義兄弟であったことを思い出したときには、号泣しながらサボの身と、彼が革命軍の下を去ることを案じていた。
そんな彼女を、作者はコミックスの質問コーナーにおいてこう評している。
僕にとってコアラはホーディと真逆の人生を生きる、とても意味のあるキャラクターです。
『ONEPIECE』巻七十五p86より
詳しくはリンク先を参照して欲しいが、ホーディ・ジョーンズという海賊は「人間の殺戮・迫害と、それに同意しない者をも同類の敵と見做す」という危険極まりない信念を、自身の海賊団‘新・魚人海賊団’の行動指針として定めている。自らの誇りたる海賊旗の象徴も、「首を切られた人間を、斜め×で塗り潰す」という人間―他種族への怨念に満ち溢れた意匠となっている。
確かに、迫害の無い未来への希望と自由への憧れを描いた「タイヨウ」とは真逆の信念と言えるだろう。
どのような形であれフィッシャー・タイガーの意志を継いだ者は作中に数多くいるが、「解放と自由」の意志は奇しくも人間のコアラが一番近い形で受け継いでいるのではないだろうか。
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関連項目
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