コロニー落としとは、機動戦士ガンダムシリーズでおなじみの攻撃方法である。
概要
ガンダムシリーズにおいて象徴的な存在の一つであり、舞台でもあるスペースコロニー。
それはスペースノイドの生きる場所としてまさに無くてはならない人工の大地である。
そんなスペースコロニーを質量兵器として運用、地球上あるいは月面に落下させるのがコロニー落としである。
シリーズでもコロニー落としは常に重要な要素の一つであり、特に初代ガンダムに至ってはオープニングからしてコロニー落としが描写されており、そのインパクトは絶大である。
人工衛星や隕石などを人為的に落下させ質量兵器として運用するというのはSFではおなじみの手法であるが、ガンダムのコロニー落としの特徴的な点は本来多くの人が住まう場所であり、常々コロニーに暮らす人々が描写されていることであろうか。そのため作中でもたびたび禁忌の手法、狂気の沙汰として描かれることもある・・・のだが、何度も行われている。
コロニー落としの方法は、本来重力均衡が安定しているポイントにあるコロニーを何らかの方法で移動させた後は地球の重力に任せ落ちるがままとなる。時には核パルスエンジンなどで落下点の調整を行う。
コロニーの調達は建設・移動中の物を強奪したり、既に利用されている物を使ったりする場合があるが、後者の場合においては既に内部には多数の住民が生活しているが、多くの場合毒ガス等で速やかに殺戮した後にコロニー落としは実行される。
コロニーの内部が空洞である事などの事情から質量兵器としての威力に疑問を持たれることもあるが、映像中で描かれている以上、何かしらの対策が成されていると思われる。ただ実際威力にはかなりのムラがあるのも事実である。一部外伝や近年の作品ではそれぞれ何かしらの強度補強などの理由付けを行っている例も見られる。
シリーズにおけるコロニー落とし
- 宇宙世紀
何といっても0079年1月4日にジオン軍によって行われたブリティッシュ作戦が有名である。この作戦はサイド2のコロニー、アイランド・イフィッシュの住民を虐殺した上で行われた。連邦軍の妨害によりコロニーは崩壊、目標としたジャブローへは落下せずシドニーに落下したものの地球全土に大きな被害を与えている。ちなみに、その後のコロニー落としと比較して明らかに高い破壊力が議論となることがある。これは制作当初の設定の想定と後付された設定との相違によるものが大きく、古い資料ではもっと大量のコロニーを落としたとされている物もある。
0083年にはデラーズフリートが無人のコロニー、アイランド・イーズを使用し、ソーラーシステムⅡといった連邦軍の攻撃を掻い潜り目標である北米の穀倉地帯に落着させることに成功している。この際単に地球に落下させるのではなく、いったん月面に落とすと見せかけて内通していたアナハイムにより核パルスエンジンに点火、地球に落とすという手法をとっており、連邦の追撃艦隊から逃れている。
0087年には月面都市フォン・ブラウンをエゥーゴに占拠されたティターンズにより、月面都市グラナダに対し1年戦争時に廃棄された無人コロニーであるサイド2の27バンチコロニーを使用し行われた。しかしこれはパプテマス・シロッコの命を受けたサラ・ザビアロフによる密告とそれを受けたエゥーゴによる妨害によって失敗、グラナダを外し月面に落着する。
0088年にはネオ・ジオンによりアイルランドのダブリンへコロニー落としが実行される。これは連邦軍がコロニー落としを隠蔽していたことも手伝ってか成功。しかし落下速度の問題かブリティッシュ作戦ほどの被害は無かった模様。
- アフターコロニー
196年にマリーメイア軍が本来のオペレーション・メテオを実行すべくL3コロニー群のX-18999コロニーを占拠。回転数調整により落下をもくろむもヒイロ・ユイ、デュオ・マックスウェル、トロワ・バートンに阻止される。
- アフターウォー
第七次宇宙戦争末期、宇宙革命軍が自身に組しないコロニーを毒ガスで抹殺、多数のコロニーによるコロニー落とし行うと地球連邦軍を恫喝した。これに対し連邦軍は決戦兵器であるガンダムをもってコロニー落としに対する抑止力とすることを図ったが、逆にこれが宇宙革命軍を刺激、コロニー落としが実行される。ガンダムXとビットMSを中心とした部隊により多くのコロニーが迎撃されるも全ては破壊できず、結果として40基近くのコロニーが地球に落着した。これにより地球圏の総人口が百億から一億程度にまで激減、双方が停戦状態に至るきっかけとなる。
- コズミック・イラ
73年に血のバレンタインの報復としてザフト軍の脱走兵が同事件で破壊されたコロニー、ユニウスセブンを落下させる。ザフト軍がこれを迎撃したものの多くの破片が地球全土に落着、大きな被害を与える。
シリーズ外のコロニー落とし
- ジオン空手
『機動戦士ガンダム』をネタにした萌えギャグ漫画『妹ガンダム』では、来るべき宇宙世紀のために主人公・月蔵奈打がお兄ちゃんを求めてジオン空手なる流派で戦うが、必殺技としてコロニーを実体化させた「ジオン空手殲滅奥義 ジオンのためにその0 コロニー落とし」、公式で登場した島1~3号以前のコロニーを勝手に妄想して出した「ジオン空手錬成訓練技 島0号落とし」が登場する。前者はコロニー版元気玉みたいなもので、直撃すれば日本列島が吹っ飛ぶほどの威力らしいが、奈打が津波に飲み込まれて集中できなくなりコロニーが消えて失敗。後者はラスボス・嫌立終(元ネタは矢立肇)に大ダメージを与えているが、完全に倒せるほどの威力ではなかった。 - サーバー落ち
一部のガンダム系サイトでは、サーバーが落ちた時、或い何らかの理由で過去ログやページ内容が消えてしまった時など、ガンダム本編にちなんで「コロニーが落ちた」と呼ぶことが有る。貴重なログなどが吹き飛んだ時のショックは、まさにコロニーを落とされた連邦政府の如し…かもしれない。
関連動画
まさしく狂気の沙汰。
どれくらいの大きさのものが落ちてくるか実感できるかも?
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関連項目
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