戦火を憎んでも
病を恨んでも
なくした時間が
戻ることはない
ゴールドアリュール(Gold Allure)とは、1999年生まれの元JRA所属の競走馬、種牡馬である。
サンデーサイレンス産駒唯一の中央ダートGI馬であり、産駒が2010年代のダート界に君臨し続けた大種牡馬。
主な勝ち鞍
2002年:ジャパンダートダービー(GI)、ダービーグランプリ(GI)、東京大賞典(GI)
2003年:フェブラリーステークス(GI)、アンタレスステークス(GIII)
概要
父はサンデーサイレンス、母はニキーヤ、母の父はNureyevという血統。馬主は社台レースホース。
血統構成がトゥザヴィクトリーに似ていることから、社台サラブレッドクラブでの募集価格も150万円×40口(=6000万円)と、けっこう期待されていた。
名前の意味は黄金(Gold)の魅力(Allure) という意味で、厩舎の先輩ステイゴールドから連想したとのことである。
栗東の池江泰郎厩舎に入厩し、デビュー戦こそ2着に敗れるが折り返しの新馬戦で初勝利を挙げた。
…のだが、その後も人気にはなったし堅実に走ったのだが芝ではイマイチ詰めが甘く、厩舎の先輩トゥザヴィクトリーやステイゴールドのようなイマイチっぷりを露呈してしまう。
そこで、目先を変えるべくダートの条件戦に出るとこれを圧勝。続くOPの端午ステークスもまたまた圧勝。
一旦芝に復帰し、ダートで賞金を稼ぐ裏技を駆使して出走した日本ダービーでも見せ場を作る5着となったが、これ以後はダート路線に専念することになった。ちなみに、芝では掲示板を一回も外していない。新馬戦以外は3着が最高だが。
しかしダートに転向すると詰め甘ぶりは全く影を潜め、大井の交流重賞ジャパンダートダービーと秋初戦のダービーグランプリでは逃げてひたすらぶっちぎる楽勝っぷりでジャパンカップダートに向かった。
一番人気はJBCクラシックでダート転向し大楽勝してやって来たベガの息子アドマイヤドンに譲るも、古馬を差し置き二番人気に推されたが、アルアランにハナを奪われリズムが狂ったか5着に敗れた。
あんまり強くないんじゃないかと思われてしまったが、次走の東京大賞典は逃げて快勝し、2002年のJRA最優秀ダートホースとNARグランプリ特別表彰に輝いた。
古馬になっても勢いは衰えず、フェブラリーSでは3番手に控えて上がり最速で駆け抜ける横綱相撲で圧倒。こうなるとダート王の義務?にもなったドバイ遠征でも好勝負出来るんじゃないか?サンデーの息子だしと思われたが、イラク戦争開戦で飛行機が飛ばず、遠征断念となった。ブッシュのアホー!
失意のままアンタレスステークスに出走することになったが、負担斤量が重いことから競馬予想紙やスポーツ紙はおしなべてダート王への評価とは思えない予想印を打ち、鞍上武豊を激怒させた。
その怒りが伝わったのか四角先頭、上がり最速、大差ぶっちぎりの3点セットで大楽勝。ファンにもったいないと思わせ、予想家にごめんなさいさせた。
そして春のダート王決定戦である帝王賞へ向かったが、直線に入った途端ズルズル後退し11着惨敗してしまった。1倍台の大本命がびっくりするほどの大惨敗とあって馬券オヤジが何人ぶち切れたことやら、致命的な故障が心配されたが脚元を痛めたりしたわけではなく重度の喘鳴症、いわゆる喉鳴りを発症していたことが発覚し急遽引退となった。
通算成績は16戦8勝。サンデーサイレンス産駒唯一の中央ダートGIウイナーである。そもそもGI級のサンデー産駒でダートを走ったのはイシノサンデーくらいとか言わない。
種牡馬として
2004年より種牡馬入りし、2007年より産駒がデビュー。初年度産駒からいきなりエスポワールシチーとスマートファルコンというレジェンド級のダート馬2頭を輩出する。その後もタケミカヅチやフーラブライドのように芝戦線で活躍するタイプもいるがやはり主戦場はダートで、コパノリッキー、ゴールドドリーム、クリソベリルと、ダートのチャンピオンホースを定期的に送り出した。母父としては東京大賞典4連覇を果たしたオメガパフュームが有名。
地方リーディングは2010年、2011年、2014年の3度獲得。その後はサウスヴィグラスというバケモノが不動の1位に君臨したが、2018年まで2位につけるなど、ダートの主流種牡馬としてキングカメハメハなどとトップを争い続けた。2018年には産駒の地方年間勝利数が301勝を記録。年間300勝はサウスヴィグラスに次いで2頭目の記録であり、NAR年間産駒勝利数の記録は1位から9位までをサウスヴィグラスが独占する中、それに次ぐ10位にランクインしている。サウスヴィグラスがおかしすぎる。
2017年2月、心臓疾患のため18歳で死亡。死亡の翌日に行われたフェブラリーステークスは産駒のゴールドドリームが制し、父に手向けの勝利を捧げた。同年のJBCレディスクラシックをララベルが制したことにより、産駒は現行の国内ダートGI/JpnI競走を全日本2歳優駿以外全て制したことになる。
結局、2009年にエスポワールシチーがかしわ記念を勝利してから、2020年のクリソベリルのJBCクラシックまで、ゴールドアリュール産駒は12年連続で国内ダートGI級を勝利。2021年に記録は途切れたが、2023年現在、産駒の国内ダートGI級勝利数は40勝を数える。
後継としてはスマートファルコン・エスポワールシチー・コパノリッキー・ゴールドドリーム・クリソベリルなどが種牡馬入りしている。
そして没後5年。2022年の高松宮記念でナランフレグが勝利し、遂に芝GI馬の産駒まで輩出した。サンデーの遺伝子は伊達ではない。
代表産駒
- スマートファルコン(2005年産、JBCクラシック2回・東京大賞典2回・帝王賞・川崎記念など)
- エスポワールシチー(2005年産、JCダート・フェブラリーS・MCS南部杯3回・かしわ記念3回・JBCスプリントなど)
- オーロマイスター(2005年産、MCS南部杯)
- タケミカヅチ(2005年産、ダービー卿チャレンジT)
- シルクフォーチュン(2006年産、根岸S・プロキオンS・カペラS)
- フーラブライド(2009年産、愛知杯・中山牝馬S)
- コパノリッキー(2010年産、フェブラリーS2回・東京大賞典・かしわ記念3回・JBCクラシック2回・帝王賞・MCS南部杯2回など)
- クリソライト(2010年産、ジャパンダートダービー・コリアC・日本テレビ盃・ダイオライト記念3回)
- グレイスフルリープ(2010年産、コリアスプリント・JBCスプリントなど)
- メイショウスミトモ(2011年産、名古屋グランプリ・シリウスS)
- ララベル(2012年産、JBCレディスクラシック)
- ゴールドドリーム(2013年産、フェブラリーS・チャンピオンズC・かしわ記念2回・帝王賞など)
- ワンミリオンス(2013年産、エンプレス杯・TCK女王盃)
- サンライズノヴァ(2014年産、MCS南部杯・武蔵野S・ユニコーンS)
- サルサディオーネ(2014年産、日本テレビ盃、さきたま杯、マリーンC、クイーン賞、スパーキングレディーCなど)
- クリソベリル(2016年産、ジャパンダートダービー・チャンピオンズC・帝王賞・JBCクラシックなど)
- ナランフレグ(2016年産、高松宮記念)
血統表
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*ニキーヤ Nikiya 1993 鹿毛 FNo.9-h |
Nureyev 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Special | Forli | ||
Thong | |||
Reluctant Guest 1986 鹿毛 |
Hostage | Nijinsky II | |
Entente | |||
Vaguely Royal | Vaguely Noble | ||
Shoshanna |
クロス:Northern Dancer 3×5(15.63%)、Almahmoud 4×5(9.38%)
関連動画
関連項目
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