サッカーボーイとは、1985年生まれの競走馬。オルフェーヴルの元ネタである。異論は認める。
概要
父ディクタス 母ダイナサッシュ 母父ノーザンテースト。見たとおり、社台血統である。
名門牧場の良血お坊ちゃまであったサッカーボーイだが、困ったことにこの馬、仔馬のころから物凄く気性が激しかった。どうも父譲りであったらしい。
綺麗な栃栗毛で尻尾は金。貴公子然とした・・・、と言いたいところだが白目がちな三白眼をぎょろぎょろさせているせいで台無しであった。
もっとも、気性の激しさは勝負根性に繋がる場合も多いので、競走馬の場合は欠点と言い切れないから困る。実際、新馬勝ちを収めて以降、勝つ時は圧倒的なパフォーマンスを見せ付けた。新馬戦は9馬身。二勝目は10馬身。阪神三歳ステークス(当時)は8馬身差のレコード勝ち。
これは、クラシックも大いに期待出来ると関西のファンは沸き立った。・・・のだったが。
サッカーボーイには裂蹄の持病があったのである。爪が弱かったことと、やはり恐るべき脚力が蹄に過大な負担を掛けたからだろう。弥生賞で3着に敗れた後、状態が悪化。皐月賞は出られなくなってしまう。
体調不良もありNHK杯(当時のダービートライアル)でも4着に敗れ、ダービーでは一番人気(お客さん無茶しおる、と河内騎手は思ったらしい)を裏切る15着。クラシックの夢は散ってしまう。
ダービー後、状態が上向いたサッカーボーイは中日スポーツ杯4歳ステークス(中京芝1800m)で顔がそっくりな皐月賞馬ヤエノムテキを並ぶ間もなく差しきって優勝。
続く函館記念はダービー馬が二頭もいる豪華な面子だったのだが、レースは正にサッカーボーイの独壇場。4コーナで一気に捲ると唸るような末脚を爆発させて伸びる伸びる。メリーナイスを5馬身置き去りにして優勝。タイムは1分57秒8の日本レコード。57秒台というのは当時では信じ難いタイムであり、誰もがその強さに戦慄した。このタイムは現在でも函館2000mの不滅のレコードとして君臨している。
これは、菊花賞が楽しみになった所だったが、サッカーボーイは捻挫したこともありここを回避。マイルチャンピオンシップに向かったのだった。
このレースは兎に角凄かった。4コーナーでは4~5番手だったサッカーボーイ。そこから他の馬がスローモーションに見えるほどの脚色でどーんと引き離し、4馬身差で圧勝。杉本清アナウンサーは「これは恐ろしい馬だ!」と叫んだのだった。
次走は有馬記念に向かった。そもそもサッカーボーイは、血統的にはどう考えてもステイヤーの筈であった。馬体も、首が緩やかな感じで距離は持ちそうな感じ。そんな彼がマイルCSに行ったのは、偏に気性が悪過ぎるからだった。しかし、ここまででずいぶん成長した筈でもあるし・・・。ということで、暮れの有馬記念への挑戦が決まったのだが・・・。
なんとスタートゲートで暴れて、顔をぶつけて前歯を折り、流血騒ぎをやらかしたのである。おいおい。そりゃねーよ。結果は4着入線(繰り上がり3着)。このレースはオグリキャップとタマモクロスの名勝負として知られているが、サッカーボーイがやらかさなかったらどうなったか分からないという人は多い。
サッカーボーイはその後、故障のため、古馬になってからは一回もレースに出られないまま引退した。
何しろ勝つ時は他の馬とは次元が違うレースを展開して後ろを何馬身もちぎり捨てた。華があるレース振りはファンから圧倒的に支持された。同時期の名馬、タマモクロスやオグリキャップにも人気は劣らなかったと思う。完調時に、この二頭と2000mあたりで戦う姿が見たかった。もちろんやらかさないで。
種牡馬としては大成功した。ナリタトップロード、ヒシミラクルといったクラシックホースから短距離、ダート路線馬なんでもござれな幅広い産駒を出したのである。同期のオグリキャップ、スーパークリークあたりが大失敗している事を考えれば素晴らしい事だろう。産駒には自身の切れ味と血統から来る当然のスタミナを伝える一方、その激しい気性も伝えてしまい、産駒の気性は総じてひどい。ブルーイレヴンが京成杯でど引っ掛かりして暴走、惨敗した時に、あの武豊騎手が「僕には無理です(抑えられません)」と言ったのが端的な例。
ちなみに、ステイゴールドは母がサッカーボーイの全妹で、甥にあたる。ところがそのステゴが種牡馬入りして意気揚々とブリーダーズスタリオンステーションにやってきたら、サッカーボーイが物凄い勢いで威嚇したらしい。ちなみにステイゴールドも物凄く激しい気性で知られた馬。・・・元凶はディクタスのようである・・・。
2011年、26歳で死亡。この年の三冠馬、オルフェーヴルは甥のステイゴールドの仔だが、サッカーボーイとよく似た尾花栗毛。おまけにとんでもなく激しい気性と荒っぽいレース振りも良く似ているのである。父ステイゴールド、母父メジロマックイーンというだけでオールドファンには涙もののオルフェーヴルだが、一部のファンの間では「サッカーボーイの再来」と言われているんである。そのオルフェが三冠を勝った年に天に召されるとは・・・。
「弾丸シュート」と呼ばれたそのレース振りは今も色あせることは無い。
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読み:サッカーボーイ
初版作成日: 12/01/28 21:44 ◆ 最終更新日: 12/03/30 09:17
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