サッフォー(サッポー/Sappho)とは、古代ギリシャの女性詩人である。
概要
生涯についてはっきりしたことはほとんどない。生歿年もはっきりしないが、紀元前7世紀から6世紀のうちらしい。直情的な恋愛詩が特徴で、ピンダロス、アナクレオンとともにギリシャ屈指の抒情詩人に数えられる。女性との熱烈な愛を詠ったため、現代ではもっぱら同性愛者として認知されており、女性同性愛者のことをレズビアンというのは、彼女がレスボス島で活動したことによる。今では古くなったが、サフィズム(女性同性愛)も彼女が語源。
彼女が本当に同性愛者であったかどうかは議論がある。男に振られて身投げをしたという話は非常にうそ臭いが、確かに結婚はして娘もおり(親馬鹿丸出しの詩がある)、男性との愛を拒絶していたわけではなかった。とはいえ、実際に女性に宛てたと分かる恋愛詩は、男性に宛てたと分かるものより多いのである。何にしろ、当時「同性愛」あるいは「異性愛」という概念自体が存在しなかったことには注意すべきである。なお、実際にサッフォーの詩に現れる女性の名には、アナクトリアやアッティスなどがいる。
彼女の詩は悠久の時とキリスト教のせいで、まとめて小冊子分程度の断片群しか現存しておらず、どこからどこまでが彼女の詩なのかも定かではない。その中でだいたい形を保っているのは、(女性との)恋の悩みを女神に願う「アフロディーテへの讃歌」と、「あの子を見るだけで私は死ねるような思いなのに、そばの男は何故に仏のごとくいられるの」(アナクトリアへの頌歌)みたいなものがある。
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