ザンヤルマの剣士とは、富士見書房から富士見ファンタジア文庫のレーベルで出版された、麻生俊平の小説・ライトノベル・シリーズおよびその第一巻のタイトルである。ジャンルは著者によれば現代SFっぽいもの(あとがきより)。表紙及び挿絵の担当は弘司。
本編全9巻と、ドラゴンマガジンに掲載された短編をあつめた短編集1巻が刊行されている。
概要
内向的でメガネな高校生、矢神遼が、謎の男”裏次郎”から奇妙な短剣を渡されたことで、その短剣を含む「超文明イェマドの遺産」にまつわる謎、そして戦いに巻き込まれていくストーリー。
同レーベルのスレイヤーズシリーズや、魔術士オーフェンシリーズなどと異なり、刊行中、メディアミックスなどはほとんど行わなかったため、一般的な認知度はそれほど高くない。しかし、それらの作品にはない現代を舞台にした伝奇的物語は、独特な暗さを持った雰囲気や、丁寧に描写されたキャラクターたちによって上手く紡がれている。ライトノベルの中でも、とくに早い時期に「学生の日常生活」と「特殊な技能・兵器による戦闘」を両立させた作品であるため、いわゆる学園バトルものと呼ばれる、ライトノベルの中でも人気のあるジャンルの草分け的存在でもある。
しかし、孤立する現代人、他者の命を理解出来ない子供、優しさを心の均一化にすり替える宗教集団、自分は傷つかずに他者を傷めつける大人etc…と、とことん社会問題に主軸をおいたストーリーであるため、かなり暗い。主人公も根暗なので本当に暗い。思わず「ダークファンタジー」とジャンル付したくなるくらいに、どんよりとした雰囲気を持った作品であるため、マイナーかつカルト的な人気でありアニメ化できなくて、いやしなくて正解だといえる。
ともあれ、単にバトルものとしても描写が分かりやすく、それでいて読み応えのある作品である。勝気な幼なじみ万理絵も毎巻活躍するが、主人公にふさわしい朴念仁の遼との関係はまったく全然なんにも進行しないため、プラトニックかつKENZENな小説でお宅のお子様にもオススメです。人はバンバン死ぬけど。
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基本的にストーリーは一巻完結式。とはいえ前巻の伏線やキャラクターの関係はつづいているため、第一巻から順に読み進めるのが適切と言える。巻順は以下の通り。(リスト作成のさい、Wikipediaのザンヤルマの剣士のページを参照させていただきました)
外伝にあたる短編集「放課後の剣士」についてはだいたい3巻までの知識があれば読み進めるのに問題はない。
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文明がイェマドの段階に到達していないため存在しません。
関連コミュニティ
イェマドの高度な文明は他者とのコミュニティをもはや必要としません。
関連項目
- 小説作品一覧
- ライトノベル
- 富士見ファンタジア文庫
- ブギーポップは笑わない
- 乙一(ザンヤルマの剣士の読者であるとコメントしたことがある)
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