シェルビー・M・ペンウッド卿とは、世界一かっこいい無能である。
概要
漫画『HELLSING』に登場するキャラクター。OVA版のCVは広瀬正志。
大英帝国円卓会議のメンバーであり、(作品中唯一のまともな意味で)笑顔の絶えない職場で定評のある英国安全保障特別指導部本営の将軍である。
『HELLSING』に登場するキャラクターは主人公を筆頭に、狂っている非常にユニークで個性的である場合が多い。その中にあって彼は臆病で気が弱く、少女に振り回されてしまうような、作品中最も人間らしい人物である。
自らを無能と評し、また周りからも有能とは見られてはいない。しかし同時に盟友であるインテグラ卿には無茶振り対象困った時の頼り所とされ、また古参の円卓会議メンバーからは「裏切る前に自殺する」「無能だが男の中の男」と評されるように、古くから彼を知る者にとって信頼に値する人物と見なされている。
作中やファンからは「無能」と言われているが、若い頃は「ナチの吸血鬼研究機関」の存在とその研究による人体実験という実態を知り、アーサーとアイランズ卿が議論を交わしている中でペンウッド卿は泣きながら書類を奪って、真っ先に攻撃計画の許可を署名し、ヘルシング機関への支援を積極的に行うことを約束した[1]。また、本人も周りも「無能」と言っているが、一応イギリスの名門大学卒であり、仕事面でもアーサーやインテグラの要望に応えており無能とは言えない。しかし、同窓生であり親友でもあるアーサーとアイランズ卿という存在が強く、ペンウッド卿も二人の強さに勝てなくて相対的に低く評価していたという節もある。(あと、イギリス人はジョークなどが好きなので部下達はわざと蔑んで言っていた可能性もある)
彼のハイライトシーンは「最後の大隊」による襲撃時。
基地が陥落寸前となり、指揮能力を失った基地からインテグラから脱出を勧められるも、与えられてきただけの人生への最後の抵抗と指揮官としての矜持、責任感から脱出を拒否する。
インテグラ 私は駄目な男だ 無能だ 臆病者だ
自分でも何故こんな地位にいるかわからん程駄目な男だ
生まれついての家柄と地位だけで生きてきたも同然だ
自分で何もつかもうとしてこなかった
いつも人から与えられた地位と仕事(つとめ)をやってきた
だからせ せめて仕事は この仕事だけは全うしなきゃならんと思う・・・んだが・・・
このいまいち恰好がつききらない人間らしい姿が、彼の魅力でもあるのだろう。
その後卿の意志を汲み取ったインテグラから拳銃を餞別として受け取り、笑顔で別れの挨拶を交わしインテグラを脱出させる。
そして部下に対し、なけなしの勇気を振り絞りって自分を残し脱出するように命令するも、全く聞いてもらえず右往左往、挙句に「コンソール一つすら動かせないでしょ」「仕事の邪魔だからいつもどおり座ってて」とツンデレな部下たちにいじられてしまう始末である。
無能と自嘲していた彼は、どうやら部下たちにとっては命を捨てるにふさわしい上司だったようである。
この通信が届いているかわからない
しかし誰かに届いていると信じて送信するもうすぐここは陥落する
もうすぐそこまで化け物たちがドアの向こうに すぐそこまで来ている抵抗し 義務を果たせ
最期に人間の指揮官として化物による襲撃への抵抗を指示し、死の直前までインテグラのことを気にかけながら吸血鬼を巻き添えに自爆。
人間であることをやめたがる者が多い中で、人間としてあり続けた無能で臆病者な彼の最期は、インテグラ親子の無茶振りに応え続けてきた彼らしくもない言葉で締めくくる。
嫌だ!!そんな頼みは聞けないね!!
なお、彼の孫もインテグラから無理難題を押しつけられている模様。
曰く
あなたのおじい様は──
迫り来るナチ兵共をちぎっては投げちぎっては投げ
まさに英国無双といったありさまで近づく敵を片っ端から真っ2ツにして
最終的に全身に爆弾をくくりつけて敵の空中戦艦全艦ごと吹き飛びました
彼こそは英国の守護神です
自分の左目の傷もその時の必殺剣のまきぞえです
OVA第五巻のエンディングでは、ノルマンディー上陸作戦成功に沸き立つロンドンにおける、若き日の先代ヘルシング卿、アイランズ卿、そしてペンウッド卿の姿が描かれている。
一切の台詞なく描かれた、知られざる物語である。必見。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ紹介は嫌だ!!そんなことはしたくないね!!
※だれかお願いします
だからせめて関連項目紹介だけは全うしようと思うんだが・・・
脚注
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