シルヴァ・バレト(Silver Bullet)とは、機動戦士ガンダムUC及び機動戦士ガンダムNTに登場するMSである。
概要
機体諸元 | |
型式番号 | ARX-014 |
所属 | 地球連邦軍 |
頭頂高 | 22.2m |
本体重量 |
33.3t |
ジェネレーター出力 | 5.250kw |
装甲部材 | ガンダリウム合金 |
武装 |
60mmバルカン砲×2 有線式ハンド×2 |
第一次ネオ・ジオン抗争後、地球連邦は小惑星基地〈アクシズ〉に予備戦力として温存されていたネオ・ジオン軍の重MS〈ドーベン・ウルフ〉を接収。
その機体をベースに準サイコミュ量産型MSのテストベットとしてAE(アナハイム・エレクトロニクス)社が改修した機体が本機である。
主な改修点は一部武装の撤去と各装甲部材の更新である。
原型機最大の特徴であったジェネレータ直結型の腹部メガ粒子砲は高威力である反面ジェネレータに多大な負荷をかけるとしてオミットされた。
装甲部材は最新のガンダリウム合金に更新。これにより総重量を3トン以上も軽量化に成功。
携行武装のビーム・ランチャーはメガ・ランチャーの機能を撤廃し、ジェガンのシールドと一体化した複合兵装という形で残され、取り回しは幾分改善している。
機体に対する負荷の軽減を主とした改修の結果、機動性や稼働率が向上。
即実戦投入しても問題ない数値を叩き出すなど、試験機としては破格の高性能機に仕上がっている。
ただし、この数値は一部スタッフの「個人的な執心」による改装の結果であるという証言もある。
改修に伴って瞬間的な火力こそ落ちたものの、高い火力や手数の多さは健在で、0096年当時においてもMSとしての性能は上位クラス。
頭部は連邦仕様に変更されており、準サイコミュ試験用のガンダムヘッドと強化センサーを搭載したジムヘッドの2種類が存在する。また本機のバリエーションとして、背面に有線式のフィン・ファンネルを搭載したファンネル装備型が存在する。この機体に搭載されたフィン・ファンネルはプロトタイプゆえνガンダムに採用されたものに比べて若干大型で変形機構を持たない。0092年にネオ・ジオン残党を相手に稼働試験が行われた。
形式上は連邦軍所属であるが稼働試験後はAE社が厳重に管理しており、実質はAE社の上位に位置するビスト財団所有の機体である。
本機の名称であるシルヴァ・バレト(Silver Bullet)とは、「銀の弾丸」を意味する。
古来西洋において銀で作られた弾丸は、狼男や悪魔、そして吸血鬼といった「魔」を滅する力を持つと信じられてきた。
「狼」の名を冠するドーベン・ウルフ(Döven Wolf)の改修機である本機が「銀の弾丸」の名を与えられるとは、なんとも皮肉な話である。
余談ではあるが、本機の改修にはオーガスタ研究所の元スタッフたちが携わっている。
当研究所は、ドーベン・ウルフ、シルヴァ・バレト両機の大元となった機体〈ガンダムMk-Ⅴ〉を開発したことで有名である。
細かな変更点こそあれど、大まかなスタイルが変わらないあたりガンダムMk-Vの設計がいかに優秀であったかが窺がえる。
数奇な運命に振り回され名を変え、姿を変え3代に渡って連邦とジオンの両陣営を渡り歩いた彼らは何を想うのだろうか。
劇中での活躍
漫画「機動戦士ガンダムUC バンデシネ」
本機が初登場した作品。
ガンダムヘッド1機とジムヘッド3機がRX-0〈ユニコーン〉のアグレッサー(仮想敵機)を担当した。
パイロット同士の人間関係のもつれもあり、4対1のリンチ同然の戦闘でユニコーンを苦しめるが、カーディアスの指示により発動した擬似NT-Dによりパイロット共々ユニコーンが暴走。ジムヘッド1機を除く3機が大破・撃墜され、暴走したユニコーン側のパイロットも強烈なGに耐え切れず死亡するなど大惨事となった。
その後、残った機体がインダストリアル7の宇宙港付近でロンド・ベルのリゼル部隊と交戦しているが制圧されている。
OVA「機動戦士ガンダムUC」及び機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096(TV版)
episode7(TV版:21話)に登場。
ビスト邸からユニコーンへ向かうバナージを守るため、ガンダムヘッドにガエル・チャンが搭乗。
バナージとビスト邸を巻き込まないため武装は携行せず、まともな戦闘機動ができないなか固定武装をフル活用して立ちふさがるネオ・ジオング相手に奮戦する。しかし如何せん相手が悪く、四肢と武装を次々に潰され戦闘不能に追い込まれる。危うく撃墜されかけるが、バナージが呼び出したユニコーンによって救われ、ガエルも生存している。
かつて先祖が冠した名こそ捨て去ってはいるが、ガエルの「心」に従い、守るべきものの道を切り開くため自らが傷つこうとも巨大な『敵』に臆せず立ち向かった。その姿は、まさしく『ガンダム』であったと言えよう。
シルヴァ・バレト・サプレッサー
劇場アニメ「機動戦士ガンダムNT」に登場。パイロットはバナージ・リンクス。メガラニカ内で保管されていたシルヴァ・バレトの残存機を更に改修した機体でフェネクス鹵獲作戦『不死鳥狩り』に端を発する事件への介入の際に運用。
背面スラスターがより大型のものに換装され、頭部・脚部ユニットの構成の変更など大掛かりであり、最大の特徴がインコムユニットを廃してユニコーンガンダムのビームマグナムを運用する改修が施されている。
専用設計ではないシルヴァ・バレトでビームマグナムを使用するため一斉射で腕部がオーバーロードを起こして使用不能になってしまうが、フレームの構造上別ユニットになっている事からバックパックに予備の腕部を用意し補助アームとクレーンを介して発射後に都度交換する事でカバーしている。
そのため多様な装備で運用するドーベン・ウルフの設計とは真逆の機体と云える・・・というより元の元機体で軽武装であるガンダムMK-Ⅴへの回帰とも云えなくない。劇中での活躍からもUCでのザクⅠ・スナイパーに近いとも。
関連動画
関連商品
『UC』劇中で登場したガエル・チャン機はプレミアムバンダイで限定販売されていた。
関連コミュニティ
シルヴァ・バレトに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
- ドーベン・ウルフ(ベース機)
- ガンダムMk-Ⅴ(狼と銀弾の先祖)
- AE(アナハイム・エレクトロニクス)社(改修元。運用はビスト財団)
- ネオ・ジオング
- ガエル・チャン
- バナージ・リンクス(サプレッサー)
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