シーモンキーとは、昭和40年代にヒットした玩具、ペットである。
概要
シーモンキーというのは生物の名前ではなく商品名で、その正体は熱帯魚の餌としても使われるブラインシュリンプ(アルテミア)という小エビを品種改良したもの。主に雑誌の通販広告で販売されており、当時の価格は600円ほどで、卵、水槽、餌などがセットになっていた。発売当初は「インスタントライフ」という名前だったそう。
ブラインシュリンプの卵は乾燥に長期間耐えられるようになっており、海水に入れると一日ほどで孵化する。飼育キットには卵と海水の素が入った袋と着色剤の袋が入っており、最初の袋を入れてから一日経った水槽に着色剤を入れるとシーモンキーたちがよく見えるようになるので一瞬で誕生したように見えるというトリックになっている。
成長すると1ヶ月で2cmほどの大きさになる。エビなので猿とは似ても似つかない姿だが、どうやら尻尾が長いことからモンキーと名付けたらしい。昔のキットは卵の量が多く水質が悪化しやすいためすぐに全滅してしまうが、本来は耳かき一杯ほどの量で十分である。
ちなみに自然の品種より卵の状態で長期間持ち、孵化が早くなるよう、成長するとより大きくなるように品種改良されている。
開発者は元マジシャンのアメリカ人、ハロルド・ボン・ブロンハット、日本で発売していたのは手品用品の販売で有名な玩具会社テンヨーと、マジック玩具という一面が強かったようだ。ちなみにハロルドは自身の玩具会社を立ち上げた際に小さなカニをペットとして販売する計画を立てたが、吹雪で大損害を受けて撤退したという。この経験が気候などに左右されないシーモンキーという商品を生んだのかもしれない。
学研の「科学」にもブラインシュリンプの卵が付録として付いた時期がある。また同じく乾燥に強いカブトエビやホウネンエビ(正確にはホウネンエビに似たアルテミア・サリーナという生物)の卵が付いたこともある。84年からは低学年向けにこれらを総称した「おばけえび」という名称が使われ始め、近年はこちらの名前が付いた商品も多く発売されている。(参考:学研のふろくギャラリー)
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関連項目
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