ジャスレイ・ドノミコルスとは、テレビアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場するケツアゴである。
概要
大企業テイワズの専務取締役で、同組織の実質ナンバー2。
テイワズの直系企業の一つたる商社「JPTトラスト」の代表を務めている。
ヤクザ幹部の風格を現したような、大柄な体格と低く重厚な声色が特徴。
組織の幹部たちの中でも特に、保守的な考えを持つ。
それゆえか、テイワズの下部組織として躍進している鉄華団と、その兄貴分であるタービンズ(名瀬・タービン)を疎ましく思っていて、彼らの排除を目論んでいる。特に名瀬に関しては、タービンズが担当している輸送部門を過去に担当していた事があった為か、女性に関する価値観の違いもあって名瀬とは相容れない性格。
また鉄華団に対しても「親父のお情けで飼ってやってる弱小組織」「宇宙ネズミ」と卑下しており、当初は直接的な行動こそなかなか起こさなかったが嫌悪感を露わにしていた。
やがて話が進むにつれ、鉄華団とマクギリスとの密談によってギャラルホルン火星支部の全権を将来的に確約されるなど鉄華団が急成長を遂げていく事態に危機感を持ったジャスレイは、ギャラルホルンのイオク・クジャンにその動向をリークさせ暗躍するが、結果としてそれが厄祭戦時代のモビルアーマー・ハシュマルを目覚めさせるきっかけを作った。
言い換えれば、ジャスレイが何も動かなければイオク様もハシュマルも目覚めなかったのである。
さらにギャラルホルンと鉄華団の共同戦線でこの事態が収束した後、ハシュマル覚醒の一件を糾弾されたことでギャラルホルン組織内で立場を失いつつあるイオクはジャスレイへ連絡、ジャスレイもこれをタービンズを陥れる好機と考えイオクを口先三寸で言いくるめた。
こうしてイオクを手駒にしたジャスレイは自らの手を直接汚すことなくタービンズを罠に嵌め、名瀬とアミダ・アルカは戦死してしまう。
更に残った鉄華団を排除するべく名瀬の葬式で彼や鉄華団への悪口を発したり、単独行動していたラフタ・フランクランドを部下に銃殺させるなど、様々な手段で彼らを挑発していく。
その結果、怒りの鉄華団もテイワズと縁を切りジャスレイ一派へ殴り込みをかけるべく腹を括るが、同時にジャスレイも鉄華団とマクマードを叩き潰すべくイオクと共謀して鉄華団を挟撃する準備を進め、鉄華団を排除した後にマクマードに適当な罪状をでっち上げ彼を失脚させる算段を進めていく。そして自身も、テイワズのモビルスーツ部隊や金にものを言わせ雇い揃えた大勢の傭兵・ヒューマンデブリ部隊を配備し彼らを迎え撃つ。
作中登場する敵役の中でも、第2期放送が始まった当初から裏切りの相が見え始めたりと「獅子身中の虫」として解りやすい悪役だったが、話を通じてどうも影が薄かった。が、名瀬が戦死してしまった翌週の41話にて、
- 戦死した名瀬にケチをつける
- タービンズの一件に関して、マクマード・バリストンにも目をつけられる
- イオク様から感謝状が届く
- 鉄華団を挑発するために、ラフタまで手にかける
- 結果としてテイワズとギャラルホルン、双方にて内乱の火種が燻り始める
- イオク様から直筆の感謝状が届く
- イオク様から直筆の感謝状が届く
- イオク様から直筆の感謝状が届く
など、41話時点だけでイオク様に並んで鉄華団と視聴者達のヘイトと関心を一気に集める事となった。
ちなみに同放送回では42話の次回予告も担当しており、ドスが効いたナレーションも披露。存在感を存分に知らしめた。しかし直前二話の予告担当者が相次いで翌週に死亡したため42話がジャスレイの命日と期待……もとい予測する視聴者は多かった。そもそも次回予告のタイトルが「落とし前」なのと、新型バルバトスがガンプラの宣伝もかねて、出撃の時点で彼のこの後はお察しなのだが。
ジャスレイ・ドノミコルスよ、念仏は唱え終わったか?
そして、のっけからナレーションにまで断罪をくらった42話。黄金のジャスレイ号という自意識過剰にも程がある名前の装甲巡洋艦に乗艦して後で駆け付ける予定のイオクの部隊と共同戦線を張り、鉄華団の掃討にかかる…筈だったのだが援軍は何時まで経っても現れず押される一方。
危機を悟った部下の提案でマクマードと通信をとってみっともなく救援を要請するも、鉄華団を倒した後に彼をギャラルホルンに差出しテイワズのトップに伸し上がろうとしていた事は完全にバレており、更にラスタル・エリオンがテイワズとの取引の末ダインスレイヴ密輸の件を手打ちにする代わりに援軍を寄越さないようイオクに釘刺ししていたことを知らされ、「テイワズではなくなった」鉄華団をマクマードを通し説得する事もできず完全に後がなくなる。
鉄華団を数で上回っていた筈のモビルスーツ部隊も鉄華団の総力の前に戦線崩壊、進退窮まりオルガ・イツカに命乞いをするも聞き入れられる事はなく、醜態を晒し続けたままバルバトスルプスレクスに艦橋ごと叩き潰され、大組織のナンバー2とは思えない無様な最期を迎えた。主役機新形態初陣の生贄だからしょうがないね。
散々見下し侮り続けた「ガキ共」に落とし前をつけさせられたジャスレイの散り様には溜飲が下がった視聴者も多かったであろうが、敵を討ったところで彼のくだらない野望の犠牲になった者達は決して帰ってこないのも事実であり、仇討ちを果たした直後の鉄華団には虚しい空気が漂っていた。
余談だが、名前が長い為かジャスレイという名前が視聴者になかなか定着せず専ら「ケツアゴ」「割れ顎」などのあだ名でしか呼ばれない事も少なくないのがどこか不憫。ちなみに三日月役の河西健吾氏やシノ役の村田太志氏にもtwitterでケツアゴ呼ばわりされていた。
装甲巡洋艦・黄金のジャスレイ号
ジャスレイが所有し、鉄華団との戦闘で自ら乗り込んだ宇宙船。
メカデザイン担当の寺岡賢司氏に曰く、『ハーフビーク級戦艦をベースに、艦首と艦橋部の装甲を大幅に強化してある重装甲艦で、装甲強化の代償にブリッジの収納機構が無くなっている』艦らしい。
ブリッジの収納機能が無いため戦闘時にクルーを保護できず、艦として致命的に思えるが、(金持ちの人が派手な高級車を乗り回すのに似た感覚で)ジャスレイにとっては宇宙戦闘よりも単純に財力や権威の象徴、という意味合いが強かったのかもしれない。また、戦闘で重要となる装備を廃止する辺り、戦場・戦闘に関しては素人であることも窺える。
ちなみに艦橋の内装はハーフビーク級では無く、どちらかと言えばハンマーヘッドなどの強襲装甲艦に近い構造をしている。装甲を強化した外観に面影が無い事から、他の艦の艦橋を繋ぎ合わせている可能性がある(艦橋が合わないのであれば、収納できなくなるという理由に合致する)。
最期は上述の通りガンダム・バルバトスルプスレクスのメイスの一撃でブリッジを粉砕されたが、メイスの破壊力が規格外なのは勿論の事、ジャスレイは戦闘に入るまでバルバトスの修理は完了していないと思っていたらしい為、(バルバトス以外で)鉄華団に艦の装甲を破れる戦力はいない、と踏んでいたのだろうか。
なお、外観が金色の塗装を施されていた機体は過去のシリーズでも百式やスモー(ハリー・オード専用機)、アルヴァトーレなどがいたが、モビルスーツやモビルアーマーではなく艦船が金色という例は珍しい。
放送後の反響
41話が放映された後、ジャスレイに対する視聴者の怒り恨みの声が高まり、やがてそれはジャスレイを演じた竹内良太氏本人にまで降りかかっていった。
竹内氏は同日に自身のtwitterで「突然『バーカ!』と言われて「何かしちまったか?」と驚いたけど、ごっちゃになるくらい心を動かせて頂いたのならこれ幸い。こういう役は一度やってみたかった!」と、ジャスレイのような悪役を演じてみたかった事を語っており、そして同時にジャスレイを魅力的に演じられた事を誇りにしている。
(同じような現象はイオクへの批判がある意味ではジャスレイ以上に猛烈に高まった40話の時点でも、イオク役を演じた島崎信長氏にも起こっていた。)
アニメに限らず、映画ドラマなどで「演じた役と演者がごっちゃになるくらい見事な役作りを成し遂げた故に役者が災難に遭う」というのは昔から見られた現象で、悪役やいじめっ子などを演じた俳優がカミソリ入りの手紙を送られたり道で石を投げられたり、など挙げれば様々にエピソードが出てくるが、竹内氏の場合は後述するように共演者たちからも収録中に大変な目に遭ったらしい。
最低な悪役を魅力的に、視聴者の心に怒りの火を点ける程に演じきるのはそれだけでも大変な技術や苦労を必要とする立派な仕事なのである。
こういう…救いようのない悪い奴っていつかやれたらってほんまに思ってたので。嬉しいのよ、ウンウン(´∀`)1番は脚本のお陰ですが、心動かして頂けてほんま良かった!感想は自由に選択してゆけ…
何せ収録でも同業者から罵詈雑言の嵐でしたからねぇ(笑)何故か髭に(笑)髭はちゃうよ!(笑)
関連動画
関連項目
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- テイワズ
- マクマード・バリストン(上司にして親分だが、気に入らず始末して下克上を狙う予定)
- 名瀬・タービン(気に入らず、始末した)
- ラフタ・フランクランド(名瀬に続いて手に掛けた。←パンパンパン)
- 鉄華団(親分に気に入られた弱小組織の宇宙ネズミ共)
- だいたいこいつのせい → 放送時間変更ビーム
- ハシュマル(間接的だが目覚めるきっかけを作り、大きな被害を出す)
- イオク・クジャン(ギャラルホルン・セブンスターズの一角。手駒として利用する)
- アレハンドロ・コーナー(金色の棺桶と共に無様に死んだ者同士)
- 竹内良太
- 人間のクズ
- 最低野郎
- 腐れ外道
- 吐き気を催す邪悪
- だいたいこいつのせい
- 全ての元凶の元凶(イオクの所業の引き金を引いた、という意味で)
- 日曜日のけじめ
- ガンダムシリーズの登場人物一覧
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