Hi! あたしがフレッチャー級、USS ジョンストンよ!
I'm going to be a fighting ship! 文字通り弾が尽きるまで守ってみせる! 今度もね!
ジョンストンとは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ』に登場する、第二次世界大戦時のアメリカ海軍フレッチャー級駆逐艦〈USS Johnston,DD-557〉をモチーフにしたキャラクター(艦娘)である。
デザイン:ZECO、CV:白城なお
来たわ! Target in sight. 皆、覚悟はいい? 行くよ!
ジョンストンは、2018年末から2019年にかけて行われた、通称2019年冬イベ『邀撃!ブイン防衛作戦』の最終面となる「中部ソロモン海域 ブーゲンビル島沖」(通称E-3)の戦力ゲージボスのドロップとして実装された、アメリカの駆逐艦娘である。ドロップゆえに攻略中にあっさりと入手する提督がいる一方で、何百周もして資源を使い果たして号泣する提督もいる、というイベント恒例の悲喜こもごもが見られた。余りの出なさに「日進指数」[1]なる言葉まで出来るほどで、サミュエル・B・ロバーツやガンビア・ベイといった史実で関連する艦を掘り艦隊に入れるとジョンストンのドロップ率が上がるという眉唾な情報にすがる者も。
イベントが終了した現在は、入手不可である。
アメリカの艦娘としては6人目で、彼女の登場でアメリカ艦娘艦隊を組むことが出来るようになった。
純粋なアメリカ駆逐艦としては彼女が初となる(サムことサミュエル・B・ロバーツは、厳密には護衛駆逐艦)。デザインはサムと同じくZECO氏。
2019年版艦これ公式カレンダーに、早波と同じく先行で容姿が公開されていた。このときは、サムと一緒に描かれていたところから、サムと共に沈んだホーエルとジョンストンのどちらかではないか、と言われていた。
そんなジョンストンは、金髪のツインテール(ツーサイドアップ)に同じ色の瞳の少女。誰が読んだかアメ津風。
身に纏っているのは青い変形肩出しセーラー服[2]と焦げ茶色のミニスカート、足には黒タイツに加え、前面に装甲と思われるものを装着している。
髪のリボンにデザインされている模様は国際信号旗で、それぞれにN旗,I旗,K旗,Z旗が記されている。これはジョンストンのコールサインであるNIKZを意味する。また首のチョーカーに付いている星はジョンストンの受けた従軍星章6つ(銀の大きな星が5つ分と数えて)を、左肩に提げている名誉勲章(青いリボンに金の星のメダル)は、ジョンストンのエヴァンズ艦長が受章したもの、左手だけに手袋をしているのはその艦長が戦闘中に左手を負傷したため、ツインテールを括っている髪飾りは後期フレッチャー級の艦橋を模している(角形の艦橋が後期フレッチャー級の特徴)など史実に因んだネタも色々とある。
なにかと噂になる胸部装甲は、流石のアメリカンサイズ。無論、戦艦や空母のお姉さん方には譲るが、「通常絵で谷間が見える唯一の駆逐艦」という辺りでお察し下さい。
友好関係では、やはり最期を共にしたガンビア・ベイやサミュエル・B・ロバーツと親交が深く、それぞれガンビー、サムと呼んでいる。他にホーエルの名前も台詞にあるのは、実装フラグか? 他にはアイスティを金剛からもらって微妙な反応を見せたり(後述するが、史実でジョンストンは金剛から砲撃を受けている)、雪風に挨拶したりしている。雪風の名は別の台詞でも出てくるが、出来ればその台詞は聞きたくないものである。
性能は、世界で最も量産された駆逐艦であるフレッチャー級らしく非常に性能が高い。Lv1から対潜先制爆雷攻撃が可能[3]であり、さらに装備を調えると専用対空カットイン攻撃も行える(その装備を整えるのが一苦労なのだが[4])。改造レベルは55と非常に高いのだが、それによって実装時点での駆逐艦第2位の対潜値、トップの索敵値を持つ。弱点は雷装値で、このため雷装値が関わってくる夜戦能力も日本の改二艦ほどには高くない。総合すると、対空・対潜のスペシャリスト、といったところか。
期間限定グラフィック
2019年夏、夏グラ水着が実装された。それも2種類同時に。
未改装版はスク水+シースルーパーカー(参考静画左)、改装後はビキニ(参考静画右)。
だがしかし、入手機会が限られ、その有能性ゆえ改装を終えた提督が多かったからか、未改装版の姿を自分の艦隊で確認できた提督は少なかったものと思われる。
2021年10月末、「帰ってきた鎮守府秋刀魚漁祭り」(期間限定海域:北海道沖秋刀魚漁支援 三陸沖/北海道根室半島沖)の実装と同時にハロウィンmodeが新たに実装された。
Weigh anchor! USSジョンストン、出撃!
全175隻という数が何かと話題にされるフレッチャー級駆逐艦だが、そもそも性能が悪ければそんなに量産されることもないわけであり、太平洋戦争でアメリカを支えた名駆逐艦である。
そんな中の一隻である〈USSジョンストン〉は、1942年5月6日起工、1943年3月25日進水、1943年10月27日に竣工した。日本でその頃に竣工したのは、夕雲型の〈浜波〉(10月5日)である。
アメリカではx番艦という呼び方はしないが、竣工順でいうと119番目になる。艦籍番号はDD-557。艦名は、南北戦争時の北軍の海軍軍人ジョン・ヴィンセント・ジョンストンより。
ネイティブアメリカンの血を引くアーネスト・エヴァンズ少佐が初代艦長となり、彼は竣工日に行った最初の訓示で乗組員達に"This is going to be a fighting ship. I intend to go in harm's way, and anyone who doesn't want to go along had better get off right now."(「こいつは戦う船になる。俺はお前たちを死地に連れてゆく。嫌なやつは今すぐ降りろ」)と語った。艦娘のジョンストンがログイン時にしゃべる台詞はここから。
僅か3ヶ月の訓練を経て、〈ジョンストン〉は日本との激戦が続く南太平洋に乗り出す。1944年5月には、日本の潜水艦海大7型〈伊176〉を他2隻の駆逐艦と協同で撃沈している。
そして1944年10月17日、〈ジョンストン〉は第77任務部隊第4群第3集団、通称「タフィ3」と合流した。
10月25日、日本の栗田艦隊とタフィ3との間で勃発したサマール沖海戦にて、〈ジョンストン〉は撃沈された。この戦闘についての概要は、ガンビア・ベイ(艦これ)やサミュエル・B・ロバーツ(艦これ)に詳しいので省略し、以降〈ジョンストン〉に関わる部分のみピックアップする。
午前6時58分、日本の戦艦からの先制砲撃で戦闘は幕を開けた。と言っても、射程距離が違い過ぎて、最初の20分、タフィ3は一方的に撃たれるままであった。煙幕やスコールの雲を巧みに使って逃げるタフィ3だったが、〈ジョンストン〉をはじめとする駆逐艦はこの煙幕の煙から出たり入ったりしながら追ってくる日本艦に戦いを挑むことになった。
栗田艦隊総旗艦の〈大和〉からの突撃命令を受け、先頭を切って進んでいた第七戦隊旗艦の重巡〈熊野〉が煙幕から飛び出した〈ジョンストン〉を発見して砲撃をかけたのは午前7時10分だった。〈ジョンストン〉は砲撃を受けながらも魚雷を斉射。その魚雷が〈熊野〉の艦首を吹き飛ばし、戦闘続行不能になった〈熊野〉は〈鈴谷〉に旗艦を受け渡して離脱する。〈熊野〉はその損傷を治すことが出来ず、ついに日本には帰れなかったのだが、それは別の物語。
格上の重巡を退けた〈ジョンストン〉だが、他の艦からの猛攻撃を受け(〈大和〉から46cm砲の砲撃を受けたとも)、後部缶室や機関室が破壊される(この打撃を与えたのは〈金剛〉の35.6cm主砲デース。あと、〈大和〉は15.5cm副砲の方がかえって仕事をしたらしいデース[5])が、運良く近くにあったスコールの中に待避でき、九死に一生を得る。
その後も奮戦を続ける〈ジョンストン〉。スコールの中で応急修理と僅かな休息を得いていた7時50分には、タフィ3の司令部より「駆逐艦は雷撃戦を行え」の命令が下るが、〈ジョンストン〉はとっくに全魚雷を撃ち尽くしていた。それでもエヴァンズ艦長は「我々は火力支援を行う」と乗組員達に告げた。ちなみにこの時艦長は先の日本艦船からの砲撃で艦橋が被害を受けた際に左手の指を2本失い上半身も傷だらけとなっていたが、まだ戦意を失ってはいなかった。それは、〈ジョンストン〉の他の乗組員達も、そして既に主砲も損傷、魚雷は撃ち尽くしてしまい、さらに動力系もやられて17ノットしか出せない(本来のフレッチャー級駆逐艦は34ノットを出せる)と満身創痍の〈ジョンストン〉自身もであっただろう。
8時20分、煙幕を抜けた〈ジョンストン〉の至近距離に金剛型戦艦(〈金剛〉もしくは〈榛名〉)がいたが、砲撃戦を交わしつつ距離が離れた。そして8時30分には、重巡4隻に集中砲火を浴びている〈ガンビア・ベイ〉を発見。エヴァンズ艦長は「あの重巡を撃て! ガンビア・ベイからこちらに砲を向けさせるんだ!」と命じたが、時既に遅く、〈ガンビア・ベイ〉は砲撃で轟沈する。
そんな大混戦の最中、栗田艦隊に所属する2つの水雷戦隊がタフィ3に迫りつつあった。
〈ジョンストン〉はそれを知るやいなや、水雷戦隊に突撃し、魚雷を放つ構えを見せた(実際には前述の通り、魚雷は撃ち尽くしていた)。
〈ジョンストン〉に突っ込まれたのは、第十戦隊(旗艦〈矢矧〉と第17駆)で、突っ込んでくる駆逐艦に慌てて退避行動を取ったが、その針路が偶然、もう一つの水雷戦隊である二水戦(旗艦〈能代〉)を妨害する形になり、二水戦も針路を変更、戦場から遠ざかってしまう。
こうして、〈ジョンストン〉の捨て身の突撃で、日本の誇る水雷戦隊2艦隊が事実上無力化されたのであった。
しかし、すぐさま姿勢を立て直した第十艦隊から〈ジョンストン〉へ猛攻撃が行われる。次々と機能を失いながらも、〈ジョンストン〉は戦い続け、重傷を負っていたエヴァンズ艦長は、電気系統が失われたため指揮を執れなくなった艦橋から、手動で操舵をしていた操舵室に移動すると、こう声を掛けたという。
「どれだけの勇気や度胸があっても俺たちは助からない、だが俺たちがあの空母達を助ける事は出来る、一分でも時間を稼ぐんだ」
一方の第十戦隊の〈矢矧〉は、9時30分になって、既に沈没寸前となっている〈ジョンストン〉への止めを旗下の17駆(〈浦風〉〈磯風〉〈雪風〉〈野分〉[6])に命じた。第17駆の4隻は〈ジョンストン〉を半円状に包囲して砲撃し、ついに9時45分に総員退艦命令が出され、そして10時10分、〈ジョンストン〉は横転して沈んでいった。乗員327名中、救出されたのは141名で、エヴァンズ艦長を含め残りの乗員は戦死または行方不明となった。
〈ジョンストン〉が沈む直前、1隻の日本の駆逐艦が〈ジョンストン〉に接近した。その駆逐艦は〈ジョンストン〉に向けて機銃掃射しようとしたが、艦長が「むごいことをするな」とそれを制止し、〈ジョンストン〉に向けて敬礼したという。
その駆逐艦こそが〈雪風〉であり、射撃を止めて敬礼したのは〈雪風〉の寺内艦長だったことは、戦後になって明らかになった。
〈ジョンストン〉は、1年にも満たない艦生だったが、従軍星章(バトルスター)6つが送られ、大統領部隊感状も授与された。また、戦死したエヴァンズ艦長へも名誉勲章(アメリカ軍において最上位の勲章である)が送られた。
また、他の武勲艦同様に「ジョンストン」の名は受け継がれることになる。ギアリング級駆逐艦〈USSジョンストン,DD-821〉がその後輩である。また、エヴァンズ艦長もその勇戦を称えられ、ディーレイ級護衛駆逐艦〈USSエヴァンズ,DE-1023〉に名を残すことになる。
2019年10月31日、故ポール・アレン氏の財団が主催する調査団が、比サマール島沖海底に眠る海底の艦船残骸を〈ジョンストン〉のものであると発表した。この時点では最も深海(水深6500m)で発見された沈没船であったが、その記録は2022年に、奇しくも同じ戦いで沈んだ〈サミュエル・B・ロバーツ〉の発見(水深6900m)で更新されることになる。
え? この動画ありなの? ん~まぁいいわ thanks!
関連静画? ふっ、上等じゃない!
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関連項目
- 艦隊これくしょん〜艦これ〜
- 駆逐艦(艦これ)
- アメリカ合衆国海軍(US Navy) アメリ艦娘 下線は"タフィ3"
- [戦艦] BB-45: Colorado / BB-56 Washington / BB-57 South Dakota / BB-61 Iowa
- [空母] CV-3:Saratoga / CV-8: Hornet / CV-11: Intrepid
- [護衛空母] CVE-73 : Gambier Bay
- [重巡洋艦] CA-26: Northampton CA-30: Houston
- [軽巡洋艦] CL-48: Honolulu / CL-50: Helena
- [防空巡洋艦(軽巡洋艦)] CL-51: Atlanta
- [駆逐艦] DD-445: Fletcher , DD-557: Johnston
- [護衛駆逐艦] DE-413: Samuel B. Roberts
- フレッチャー級駆逐艦
- ZECO艦隊
2019年冬イベント「邀撃!ブイン防衛作戦」新規実装艦娘 | ||
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脚注
- *E-3のクリア報酬である日進をそのままレベリングも兼ねてジョンストン掘りに投入し、実際にジョンストンが出るまでに上がったレベルのこと。日進甲(Lv60)まで到達するという提督も珍しく無かったとも。
- *カレンダーのイラストでは肩を出していない。絵師のZECO氏曰く「カレンダー比べると通常の立ち絵ではわざと肩を出してるガール」とのことで、通常絵ではわざと着崩していると思われる。
- *サミュエル・B・ロバーツ改などと同様、装備や対潜値に無関係に先制できる。無改造の段階からこの性能を持っているのはジョンストンが初。
- *必要装備の関係上、改造前に専用対空カットインをするためにはE1を甲でクリア、E2を丙以上でクリア、2018年8月作戦で戦果報酬獲得のいずれかを達成していないといけない。最高性能の対空カットインのためにはE2を甲でクリアした上で、2018年8月作戦の戦果報酬を獲得していなければならない。
- *46cmや35.6cmの戦艦主砲からの徹甲弾は威力がありすぎて〈ジョンストン〉を貫通してしまったため、中で炸裂するよりもかえって被害は少なかった模様。これらの徹甲弾は本来は対戦艦や正規空母用にその装甲を打ち抜くことを想定しており、薄い駆逐艦の装甲には穴を開けただけとなった。そんなわけで、15.5cm副砲の方が駆逐艦には痛打を与えることになった。
- *本来〈野分〉は第4駆だが、このときは第十戦隊に帯同しており、事実上17駆の指揮下にいた。これは第4駆の他の3隻(〈満潮〉〈朝雲〉〈山雲〉)が朝潮型なのに対し、〈野分〉1隻だけが陽炎型のため、同じ陽炎型の第17駆に臨時に引き入れたと考えられる。なお、第4駆の3隻は西村艦隊としてスリガオ沖海戦で全滅、〈野分〉もこの後〈筑摩〉の救助後撤退中に敵に追い付かれて轟沈し、第4駆は壊滅している。
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