ジンバブエ・ドル(Zimbabwean dollar, Z$, ZWD)とは、ジンバブエで流通していた通貨である。
概要
かつては米ドルよりも価値の高い通貨であったが、経済政策の失敗により価値が急落。かつて空前のインフレが続いており、2007年には世界で最も価値の低い通貨トップ5に選ばれた。現在ではジンバブエ国内ですらほとんど使われていない。
日本のインターネット上では、価値の低い通貨の代名詞としてよく使われる(「〇〇が××する、に100ジンバブエドル」みたいな感じ)。
ハイパーインフレーション
2008年10月9日、今年7月と前年同月を比べた年間インフレ率が2億3100万%を記録したと発表された。これは第二次大戦直後のハンガリーで起きた20桁以上のハイパーインフレーションを除けば、戦後最悪のインフレーションである。わかりやすく言うと、「去年の7月に10円で買えたうまい棒が、1年後に2310万円になった」という感じだろうか。
ロンドンとジンバブエの株式取引所のシェアの相対価値に基づいた「Old Mutual Implied Rate(OMIR
)」という非正規レートでは、2008年11月17日に1ドル=約64京Z$を超える値を記録。これを旧ジンバブエ・ドルに直すと1ドル=旧640穣Z$(6,400,000,000,000,000,000,000,000,000,000旧Z$)となる(「穣」は「ジョウ」と読み、1028=1京の1兆倍の数の単位)。なお11月20日にジンバブエ準備銀行がジンバブエ証券取引所に詐欺的な小切手取引をした口座を凍結したため、以降OMIRは算出されなくなっている。
2009年1月29日、止まらないインフレに政府は商取引での米ドルなど外国通貨の使用を全面的に認可した。
同年2月18日には教師や兵士を含む公務員全員に対する給与の支払いを米ドルに切り替えることを発表。また4月12日にはエルトン・マンゴマ経済計画担当大臣が「今後少なくとも1年はジンバブエ・ドルは機能しないだろう」と発言、ジンバブエ・ドルが実質自国通貨として機能していない現状が改めて明らかになった。
相次ぐ新紙幣の発行と通貨切り下げ(デノミネーション)
価値の下落に対応するため、ハイパーインフレーションの発生以降次々と新紙幣発行や通貨切り下げが実施されている。
新紙幣発行
2008年1月に1000万ドル紙幣、4月に5000万ドル紙幣、5月には1億ドル紙幣と2.5億ドル紙幣が発行され、その後、50億ドル紙幣、250億ドル紙幣、500億ドル紙幣の発行が続き、7月には1000億ドル紙幣が発行された。
2008年10月には新5万ジンバブエ・ドル紙幣が発行されたが、紙質は粗悪なうえに、透かしなどの偽造対策も施されていないものであった。12月12日には新5億Z$紙幣が発行。これは発行時点で約8米ドルに相当し、パン8個が購入できる程度のものであった。
2009年1月16日には100兆Z$紙幣が発行。しかし翌月には3度目の切り下げが行われた。
通貨切り下げ(デノミネーション)
これまでに3回の通貨切り下げが行われている。1度目は2006年8月1日で、3桁の切り下げ(1000旧Z$→1新Z$)が行われた。2度目は2008年8月1日に行われ、100億旧Z$が1新Z$となった。3度目は2009年の2月2日。実に12桁が切り下げられ、1兆旧Z$が1新Z$となった。
なお、この3度目の切り下げ直前における為替相場は1米ドル=約4兆Z$。
現状
ジンバブエは2009年2月に外貨経済に移行、米ドルと南アフリカ・ランドでの決済を認めた。これによりジンバブエ・ドルは駆逐され、現在殆ど流通してない。もしジンバブエを訪れるなら、米ドル(現金)を持って行くことが必要になる。
2009年4月にはジンバブエ・ドルの発行が停止、ジンバブエ・ドルはもはや名実ともにただの紙切れに等しい。
関連動画
関連項目
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読み:ジンバブエドル
初版作成日: 08/10/18 22:34 ◆ 最終更新日: 10/10/17 11:03
編集内容についての説明/コメント: 現状にあわせて加筆修正
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