ジープ特訓とは、ウルトラマンレオの6話「男だ!燃えろ!」で行われた特訓の通称である。
概要
宇宙の通り魔と言われるカーリー星人によって、ゲンは白土隊員の恋人の洋子を死なせるだけではなく、自らも敗北してしまう。白土から責められ、彼はかたき討ちをすると射撃の訓練を行う。その姿にゲンもまた丸太を使った訓練を開始する。しかし、「丸太には殺気がない」とダンに言われたゲンがある特訓を課せられた。
「ジ ー プ に 向 か っ て こ い !」
ジープでゲンに向かって突進するダン。時々はねられたようにも見えるゲン。「お願いです!やめて下さい!」と叫ぶゲンに対して、それはこっち(視聴者)の台詞だ!と言わんばかりに苛烈な訓練に見るものすべてが絶句したとか何とか。なお、この特訓にはカーリー星人は肩の角状を武器として使う為、突進した際に避けられるようにする狙いがあったとか。
ちなみにこの前には件の丸太の先をとがらしたものを使用した特訓であった。これはこれで怖い。
特訓について
この特訓以外にもウルトラマンレオに登場する特訓は数々あるが、ダントツでファンからの知名度が高いこの特訓。演じた真夏竜氏もノースタントで臨んでおり、「あれは演技じゃない」と言う程である。因みに「はねられたように見える」と書いたが、バンパーに当たってたと言われ、本当にはねられてた模様。まさに色んな意味で「レオはガチ」である。
この他にも…
その後の展開など
元々ウルトラマンレオと言う作品はこの当時の潮流であったスポ根要素を物語の主軸に大きく取り入れた番組であり、戦いに関してはブルース・リー作品に影響を受けた拳法を使った肉弾戦がメインとなった。その為、ウルトラマンの特徴である光線技は非常に少ないものであった。実際、テコ入れ以前におけるとどめの一撃は特訓の結果で誕生した技であった。
設定上、宇宙拳法の使い手とはいえ実戦経験も少なく、それゆえに敗北する事も少なくなかった。それに対して鬼コーチたるモロボシダンの特訓によって実力をつけると言うその当時のスポ根のセオリーをなぞっており、そしてマグマ星人によって故郷を失った天涯孤独の身であり、その境遇もまたスポ根にありがちな「悲壮感漂うバックグラウンド」であった。
しかし前作とは打って変わって暗く、そしてハードすぎる展開やMAC内の雰囲気が殺伐としていたりで視聴者から支持を得たとは言い難かった。何より、特訓シーンはセットの設営などが大掛かりであり、予算や時間がかかり過ぎていた。時は折りしもオイルショック。そうでなくても掛かる製作費が高騰する中でこれが後のみんなのトラウマの遠因となるとは予想だにしなかった。
また、再登板となったダンの性格の変化に戸惑うものも少なくなかった。「ウルトラセブン」のモロボシダンは温厚かつ陽気な性格であり、綺麗な女性に鼻の下が伸びて油ダン大敵と言われるようにどこか「人間的」な一面もあった。また「ウルトラマンタロウ」においても「ゾフィーの事なんかいいよ」と発言したように茶目っ気のある一面を持っていただけに、自らは変身不能でしかも負傷しており、その中で急ごしらえで戦士を養成しなければいけないというプレッシャーがあったとはいえ、仮借ない苛烈な激情家になった姿に違和感を覚えたものも少なくなかった。
そんなわけでスポ根的な特訓の排除やコメディ回の挿入、ダンの性格の軌道修正などと言ったテコ入れが入ったのだがそれでもやはり全体的な作品のハードさはあまり変わらずであり、ついに40話でウルトラシリーズ史上、いや特撮史上でも例を見ない壮絶鬱展開につながる…。
ジープについて
マックジープと言われるものの、使用された車は実際にはジープではなくいすゞ・ユニキャブである。ピックアップのワスプのコンポーネンツとセダンのベレルのエンジンを組み合わせた車で今で言う所のスズキ・エスクードのようなクロスオーバーSUV、さもなくばミニ・モークのようなマルチ・パーパス・ビークルに近い車種である。実際にこの車の駆動方式はFRであり、本格的な4WDと言うわけではなかった。なのでその用途も道なき道を云々よりも、都会を洒落こんで走ると言うものであった。
ユニキャブが登場した当時(1967年)はまだ4WDと言う車種さえ特殊な部類であり、何より高価な代物であった。そんな中でただでさえ走っている数が少ない中であまりに時代を先取りしすぎたが為に販売面はさっぱりであった。
ちなみにマックロディーは本物のジープ(正確にはライセンス生産された三菱・ジープ)がベースである。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 1
- 0pt