グースとは、スズキ株式会社が製造・販売していたオンロードタイプのスポーツバイクである。
250cc版・350cc版の2種類が存在する。
グースの名の由来は、マン島TTレースのコースに存在する「グースネック」というヘアピンカーブから来ている。
概要
レーサーレプリカブームが終焉を迎えた90年代初頭、各社がスペックに変わる新たな価値観を創造しようと模索している中、グース350は生まれた。
高剛性の倒立フォークを採用し、軽量で美しい専用パイプフレームに、レーサー譲りの高回転型エンジンを搭載。
低くマウントされたセパレートハンドルやバックステップ、タンデムすることを無視したシートカウルなど、まさに走るために生まれてきたバイクだ。
ここまでを読むと、「おお!良さそうだ!グース350って当時は人気だったのかな??」と錯誤してしまった読者は続きを読んで欲しい。
- エンジンはエンデューロモデルであるDR350のドライサンプ型油冷単気筒OHCエンジンをベースに設計し、33馬力を発生。
- ネイキッドタイプにも関わらず、タンクやシートカウルはレーサーレプリカのようなエッジの効いたスタイル。
- キャッチコピーは「直線は、退屈だ。」
この上記の3点が当時のユーザーの心に響くことはなかったのだ。
33馬力というのは当時の250ccバイクよりも10馬力以上低い数値であり、まだまだ生き残っていたスペック至上主義のユーザーは見向きもしないし、
スペック至上主義から抜け出したユーザーの求めていたものは、グースとは正反対のカワサキ・ゼファーのようなクラシカルなスタイルのバイクであった。
しかし、圧倒的な軽さがもたらす操作性の良さは、初心者でもコーナーを駆け抜ける喜びを味わえるものであり、スポーツ走行を楽しむバイクとしては秀逸であったと言える。
近年は各社が単気筒や2気筒の低馬力スポーツバイクを製造・販売し人気を博しているので、このバイクが脚光を浴びる日が来るのも近いのかもしれない。
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