スターソルジャーとは、1986年6月13日にハドソンが発売したファミコンのソフトである。
現在でもi-revoゲームやWii バーチャルコンソール等でプレイが可能である。
概要
縦スクロールのシューティングゲームで、プレイヤーは全16ステージをクリアすることが目的である。主人公機「シーザー」をアイテムでパワーアップさせながら(詳細は後述)、宇宙空間に浮かぶ浮遊大陸をイメージしたステージを進攻して行く。敵機は飛来する空中機の他、地上に(攻撃はしてこず、移動もしないが)配置された地上機が出現し、これらを共通のショットで撃破する。各ステージのラストには、いわゆるボス機である「スターブレイン(ステージが4の倍数の時は巨大なビッグスターブレイン)」が出現し、これを撃破することでステージクリアとなる。
特定の地上物を破壊すると、「P」マークの浮遊物が出現する。これは主人公機をパワーアップさせるパワーアップアイテムであり、取得することで最大3段階までパワーアップが可能となる。フルパワーアップした状態ではBGMも専用のものに変化する他、この状態でさらにパワーアップアイテムを取得すると、画面上のすべての空中敵機が消滅するが敵弾は消滅しない。なお、バリアを取得した状態では敵弾5発まで耐えることが可能となるが、敵弾を受けた場合はバリアがついたままで一段階下位のパワーアップ状態になるという特殊な状態になる。再度フルパワーアップ状態になるためにはバリアが消えるまで敵弾を受けた後に再度パワーアップアイテムを取得するか、「裏パワー」と呼ばれる特殊な隠しアイテムを取得する必要がある。なお、バリアがある状態であっても、空中敵機に衝突するとミスとなる。なのでバリアはあくまで敵弾のみを防ぐ効果があるだけで体当たりには効果がない。ステージ後半になると敵弾も誘導タイプのものが登場してくるのでそれに気を取られているといきなり体当たりされる事故も多くなる。パワーアップアイテムを取得した瞬間から約2秒程度、もしくは「裏パワー」を取得した瞬間から約5秒程度は自機が赤く点滅した状態となり、この状態に限り敵弾および空中敵機に対し完全無敵状態となっている。バリアがついている状態でさらにこの無敵状態だと敵弾を被弾してもバリアの耐久値は削減されないので、誘導弾をこれを利用して掻き消す方法も有効な攻略技となる。
このゲームの最大の特徴はクリアよりもボーナスによるスコアアタックが注目されたところである。ステージ中には非常に多くのボーナスポイント(隠しボーナスブロック「ゼグ(Zの文字で出てくる)」、ラザロと呼ばれる人の顔をした敵を合体前に倒す、ボス前に出てくる2つの目を同時に破壊する、等)があり、ハイスコアを狙うためにはこれらを狙って確実に獲得して行くこととなる。それを淡々と説明しながらクリアしていく「高橋名人」こと、ハドソン高橋利幸氏の姿は子供たちの憧れであった。
なお、全16ステージをクリアしても終わりではなく、敵キャラが変わり、難易度が大幅に上がった2周目が始まる。
スターフォースとの関係
本作品、初出となる「コロコロコミック」(86年2月号)では『スーパースターフォース(仮)』となっていた。しかし、スターフォースの著作権者であるテクモに事前に許可をとっておらず、ハドソンが勝手に続編を作ると聞いたテクモの社長は激怒し、急遽スターフォースの続編の開発が決まったという経緯がある。
そんなわけで、テクモのスーパースターフォースとは無関係にハドソンの新作シューティングゲームの開発は継続され、ただ「スターフォースの名前は使えない」ということで協議の結果『スターソルジャー』というタイトルになったのである。
続編・移植作
「スターソルジャー」の移植作は機種に合わせてサウンドやグラフィックの書き換えが行われたケースはあるものの、基本的にはどれも原作そのままである。
また、シリーズ作と認識されている作品は、その後PCエンジンに展開を移した、いわゆる「ソルジャーシリーズ」(スーパースターソルジャー、ソルジャーブレイド等)となっており、直系の新作は長らく発表されていなかった。
スターソルジャー・バニシングアース
1998年発表。Nintendo64用ソフトである。スターソルジャーと銘打ってはいるが、内容としてはソルジャーブレイドの続編に近い。
プレイヤーはゲーム開始時に、性能の異なる3機の主人公機のうち1機を選択し、ステージを進攻して行く。Nintendo64用となったためグラフィックは3Dとなっているが、操作系やゲームシステムは従来通り、オーソドックスな2D縦スクロールシューティングゲームである。
自機は、通常のショットの他、ローリングの使用が可能になっている。これは自機周辺に短い時間展開されるバリアであり、接触した敵弾を撃ち返す効果がある。レーザー砲撃系等、撃ち返すことができない敵弾も存在するが、その場合は純粋にバリアとして機能する。
また、「EX-Arms」と呼ばれる、いわゆるボムの使用が可能となっている。
ボーナスフィーチャーとしては、敵機への攻撃によって継続される「コンボ」が非常に大きいものとなっている。
一般的なシューティングゲームで「コンボ」制がある場合、そのほとんどは敵機の撃破によって継続され、敵機を撃ち漏らした時点で終了し、そこまでの継続数に応じたボーナス点が入る、というものであるが、本作のコンボは純粋な敵機への攻撃のヒットにより、与えたダメージ量分が一気に加算され、最後のダメージから一定時間(かなり短い)の経過で終了する構成となっている。
純粋に攻撃によってコンボが継続されるため、ボス敵への撃ち込みを行うと数千コンボが軽々と達成されることすらある。デライラの同時撃破等、原作で知られるボーナスフィーチャーもあるが、得点量的は比べ物にならない。
2011年7月現在、バーチャルコンソール等での配信は行われていない。アーケード版もあったと言われているが、目撃情報はきわめて少なく、ソフト自体の知名度があまり高くないことも手伝って半ば幻の作品と化している。
PS2・GC版スターソルジャー
特に個別のタイトルは与えられていないが、原作から継続した世界観や物語を持った直系の続編。2003年11月に「ハドソンセレクション」の一環として発表。また、さらに性能の異なる4種類の自機から選択してゲームをプレイできるようになったリメイク作が2005年7月にPSP用として発表されている。
通常のショットに加えて「ブラスター」が使用可能となっている。これは自機周辺および前方に瞬間的にエネルギーフイールドを発生させるものであり、攻撃能力を有する他、周囲の敵弾を消去する効果がある。接近戦を強いられる危険性はあるものの攻撃力はかなり高く、大概の敵機は一発か、せいぜい2~3発で撃破できる。弾数制限は無いが、使用後は短い時間であるが再使用できない時間が発生するため、これだけで進攻することは困難である。PSP版では、選択した自機によって性能も異なる。
また、特徴的なフィーチャーとして、ボタンを押しっぱなしではなく、手動である程度の連射を行うことでショットの攻撃力が上昇する、というものがある。
一人プレイ専用であるが、ショット中に2P側ポートに接続したコントローラで連打を行うとその分が連射速度に加算される「アシスト連射」なる機能も存在する。「連射」で一世を風靡した作品の続編であることを意識しての仕様であると思われるが、原作と異なり、ほとんどの空中敵機が耐久力を有するようになっており、また空中・地上を問わず敵機の耐久力が軒並み上昇しているため、ボタン押しっぱなしの自動連射では完全に火力不足に陥る局面が少なくない。この点については批判意見が多かったらしく、PSP版では自動連射の強化が行われている(携帯機であるためそもそも連射に不向きであり、また本体システム的にアシスト連射のフィーチャーを組み込むことが困難である、という事情も手伝っているものと思われる)。
その他、地味な変更点であるが、トラップゾーンが廃止されている。3Dグラフィックとなった影響により、トラップゾーンの存在が映像的に矛盾した状態になってしまったためと思われる。
ゼグの連続撃破、ラザロの合体前撃破、デライラの同時撃破等、原作でもお馴染みのボーナスフィーチャーは健在。一部はさらに強化されている。
また、得点アイテムが新たに追加された、通常のショットが当たらない一部地上物もブラスターで破壊できる場合がある、敵編隊を撃ち漏らさずに全機撃破すると出現開始からの時間に反比例してボーナス得点が入る等、新たなボーナスフィーチャーも追加されている。
蛇足
NINTENDO64の「スターソルジャー バニシングアース」の説明書に高橋名人のコメントがあり、
「シューティングゲームというのは敵が攻撃してくる前に倒すことである。」という名言を残している。
ニンテンドーDSiで配信されている「邪聖剣ネクロマンサーNIGHTMAREREBORN」ではラザロの壁アートやデライラの床アートがさりげなく出現する。
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