それでは皆様、良き青空を!
スチームパンクシリーズとはライアーソフトが製作した作品の中で、共通した世界観を用いた作品群のことである。シナリオライターは桜井光。
概要
我々の世界とよく似た、しかし蒸気機関の異常発達により空が排煙に覆われ、青空が失われてしまった世界が舞台。 各作品はいずれも同一世界を舞台としているが、基本的に物語の繋がりはなく、それぞれが独立した一つの物語として完結している。
シリーズタイトルの示すとおり、おそらくアダルトゲームとしては唯一のスチームパンクものであり、絵柄や地の文も一般的なアダルトゲームのそれとは大きくかけ離れている。シリーズの方向性が定まった2作目「赫炎のインガノック」は発売後「大人向けの御伽噺」と評された。
というものが挙げられる。後者は、例えばロンドンを舞台とした「漆黒のシャルノス」では世界で最も有名な探偵小説の主人公であるシャーロック・ホームズとその作者であるコナン・ドイルがキャラクターとして本編に登場している(もっとも、設定や来歴はオリジナルの人物とは大きく異なっている)
また、独自設定や用語が数多く用いられており、さらに有名な著作物や人物の知識を前提とした場面があるため完全に読み解くには幅広い知識が必要となる。
シナリオでは各章で同じ文章を繰り返す反復表現を意図的に多用しているのが特徴。 特に「赫炎のインガノック」で使われた所謂テンプレート戦闘は、主人公の問答無用の強さを強力に印象付けて好評を得たため、それを盛り上げる熱いBGMと共に以降のシリーズでも用いられている。
初期の作品はパートボイス仕様であったが、「白光のヴァルーシア」よりフルボイスとなり、2011年に初期作品もフルボイスリメイクされたため、現在は全ての作品をフルボイスで楽しめる。
1作目のセレナリアを除くと成人向け要素が極端に少なく、局部の描写が無いためにアダルトゲームであるにもかかわらずなんとモザイクがかかっていない。 主人公やヒロインに濡れ場があることでファンが驚愕するエロゲーはこのシリーズぐらいだろう。
どの作品から読み始めても問題ないが、「白光のヴァルーシア」は他のシリーズ作品との関連性が多く、敷居が高いとされている。逆に最新作である「黄雷のガクトゥーン」は用語集もついており、比較的読みやすい文章と展開のためシリーズ初心者向けとなっている。
ライアーソフト作品でも初となるコンシューマ移植として、「紫影のソナーニル」のPSPへの移植が予定されている。
用語集
世界観
蒸気文明が異常に発達したパラレル世界の20世紀初頭。19世紀の終わりごろ<カダス>と呼ばれる異境が発見され、カダスの蒸気機関と碩学(科学者)チャールズ・バベッジ達の活躍により人類は文明を大きく発展させた。しかしその代償として空は排煙に覆われ青空を失ってしまった。
- <カダス>
- 大英帝国の北海の先にあるゲートを通りたどりつける世界。正確には西亨(地球)とは異なる惑星である(しかし多くの人間にとっては大英帝国の北にある異境という認識であり、別の惑星であるという事実を知る者はわずか)。<世界の水殻(竜雲の壁)>と呼ばれる黒雲によって灰色の空の文明圏(既知世界)と蒸気文明が発展せず未だ青い空を保っている大辺境(未知世界)に分けられている。
- <西亨(地球)>
- 我々の星。たどってきた歴史はおおむね同じであるものの、大英帝国では1905年までヴィクトリア女王が健在、合衆国は南部と北部が分裂したまま合併せず、フランスではナポレオン3世の革命が失敗するなど差異が生じている。
基礎用語
- <機関(エンジン)>
- あらゆる機械の動力源であると同時に計算機・情報処理機でもある蒸気機関。大型であればあるほど出力は増し、都市全体の動力を賄うほどのものになると<大機関(メガ・エンジン)>と呼ばれる。<蒸気管>と呼ばれる気送管を介して機械に蒸気エネルギーを供給・充填する。
- <大階差機関(ディファレンス・エンジン)>
- チャールズ・バベッジが開発した人類初の計算機・情報処理機としての蒸気機関。
- <碩学(せきがく)>
- 文明の維持・発展に貢献する科学者の総称。優秀な碩学は国の発展に不可欠であり、各国はこぞって優秀な碩学の育成と登用に努めている。
キーワード
- <黄金瞳(おうごんどう)>
- 読んで字の如く黄金色の瞳。全てを見通す、あらゆる想いを受け止めるなどの言い伝えがある。シリーズを通しての鍵となるもの。その発現には血統による先天的なものと突然変化する後天的なものに分けられる。
- <緑の石>
- 緑色の結晶体。不思議な力を秘めた物質であり、<結社>の収集対象である。シリーズにたびたび登場する。
- <緑色秘本(エメラルド・タブレット)>
- この世のあらゆる叡智が詰まった書。<緑の石>が集積し本の形になったものがこれだといわれている。<結社>はこれを解き明かし、乗り越えることを目標としている。
- <回路>
- <結社>が研究を行っている技術。物質を変質させる暗示であり、例えば人間に適用すれば身体能力の強化や不老の肉体への変生、無機物に適用すれば意志を持たせることなど様々な効果が現れる。
- <現象数式(クラッキング・エフェクト)>
- 物理を捻じ曲げる特殊な数式。これを使えば大怪我を瞬時に修復したり大火器をも超える破壊を生み出せる。まさしく魔法のような力だがこれを扱える人間はごくわずかである。
- <メスメル学(心理学)>
- 碩学メスメルによって創設された人の心理を解き明かすための学問。これを応用することで自分の言葉を(全くのでまかせであっても)相手に信じさせることができたり特定の物事に関して深く考えられないような暗示をかけるなど一種の洗脳を行うことができる。
御伽話
- <ふるきもの>
- 自然神や精霊と呼ばれるおとぎ話の住人達。人類が文明を持ち始めたことで幻想へと追いやられてしまい、力とかたちを失ってしまった。
- <クリッター>
- <現象数式>によってかたちを持たされた怪物。物理攻撃を一切受け付けず、打倒し得るのは同種の存在のみ。シリーズにたびたび登場する。そしてかませにされる。
悪役
- <西インド会社(結社)>
- 単に<結社>とも呼ばれる秘密結社。表向きは<西方碩学協会>として碩学を管理しあらゆる知識の収集と実験を行っているが、同時に欧州の闇を総べる一大犯罪シンジケートでもある。
- 構成員は狂人か殺人経験者であり、幹部クラス以上に至っては人間辞めた連中が殆どを占めている。人を恐怖に陥れ操ることを得意としておりシリーズ通しての悪役である。
- <時計人間(チクタクマン)>
- 別の宇宙からやってきた邪悪な存在。<結社>とは仲が悪い。
- シリーズには恐怖と悲しみから狂気に堕ちてしまった悪役が多数出てくるが、だいたいこいつのせいであり、<結社>と並んでシリーズの黒幕といえる存在。
その他
- <Webノベル>
- 公式ホームページで無料公開されている企画。本編中もしくは本編終了後のサイドストーリーが描かれる。
- これまでの作品のキャラが再登場したり、次回作の主要キャラが先駆けて登場するなどシリーズ作品間のクロスオーバーを図っている。
- <マグロ>
- マグロとは魚の一種だがスチパンシリーズにおいて<マグロ>といえば性交渉に積極的でない男を指す。
- エロゲにおいてあるまじき存在だが嘘屋だからと納得してもらうほかない。
- しかし何の因果か<マグロ>キャラに限って無双するような連中ばかりであり、強キャラ=<マグロ>の方程式が立つ始末。
- ただ近年の作品だと<マグロ>かと思ったら変態ムッツリだったりテクニシャンだったりと油断はできない。
関連動画
リンク
スチームパンクシリーズポータルサイト(全年齢向け)
関連項目
- ライアーソフト
- スチームパンク
- クトゥルフ神話
- 蒼天のセレナリア
- 赫炎のインガノック
- 漆黒のシャルノス
- 白光のヴァルーシア
- 紫影のソナーニル
- 黄雷のガクトゥーン
- ANGELBULLET(シリーズには含まれないが、世界観を共有している)
- ○○シリーズタグの一覧
- 2
- 0pt
- ページ番号: 5020444
- リビジョン番号: 1895650
- 編集内容についての説明/コメント: