ストレインジ・デルタとは、「鋼鉄の咆哮シリーズ」に登場するボスキャラクター、超兵器である。
名前を訳すと「奇妙な三角形」となり、その由来となるような艦影を持つ。
概要
マイクロキャビン開発のWindows版『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』で初登場した超兵器。
鋼鉄の咆哮2では「超巨大擬装戦艦」、鋼鉄の咆哮3では「超巨大要塞艦」として登場する。反転能力が付与された荒覇吐や、光学迷彩の展開に変更があったブラッタ級などと違い、艦種自体が変更された珍しいポジションである。
名前が意味する「奇妙な三角形」からプレイヤーの間では「珍三角」と呼ばれることが多い。
漢字は「擬装」であり「偽装」ではないが、ゲーム中のテキストではどちらも使用されている。
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー
出現地点に向かうと巨大な艦影は見えず、全長200mほどの小型戦艦クラスの艦が接近してくる。初見では目を疑うが、航跡が特有の大型のものなので超兵器だとすぐにわかる。
武装は45.7cm砲やミサイル発射機、荷電粒子砲、最大速力37ktとステータスは低く、攻撃が当てにくいこと以外は苦戦するような相手ではない、この時点では。
第二形態
耐久力を0にすると「敵超兵器沈黙!」の台詞と共にBGMが止まり、水面下から推定500m程の三角型の巨大船体が浮上、小型艦に擬装している超兵器ということが判明する。
巨大船体には至る所に武装が装備されており、56.0cm砲7基14門、大量の魚雷発射管が確認できる。これらに加え、多弾頭ミサイル、超音速魚雷、光学兵器の拡散プラズマ砲や荷電粒子砲による高火力兵器へと切り替わる。
そして巨大船体に判定が存在せず、中央の小型船体のみにしか攻撃が当たらないという特性を持つ。この時点ではなぜ攻撃がすり抜けるのか理由は不明であり、唯一の手がかりは特別作戦での「虚像戦艦」という台詞だけであった。
鋼鉄シリーズの監督、石川慎二氏はストレインジ・デルタのことを「飛べそうなのに飛べないデザインが良い」と攻略本のインタビューで回答している。
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー エクストラキット
ストーリーが前作の続きであり、本編のシナリオには通常の改良型の他、名前を受け継いだ新型超兵器も登場する。この改良型との戦闘でストレインジ・デルタの謎の接触判定がついに解説される。
ストレインジ・デルタ
本編のシナリオには登場せず、性能的な面でも調整は入っていない。
改ストレインジ・デルタ
前作でも特別作戦に配置されていたが、今作では本編のシナリオであるβエリアで登場する。
ただし出現条件が非常にわかりにくく、ステージを隈なく探せば発見は不可能ではないが、攻略本でやっと気が付いたプレイヤーも多い。
ステータスはストレインジ・デルタの難易度SHのスペックを1段階上げた普通の強化に収まっている。
いざ出現させ、戦闘を開始すると「あの船体はホログラフィです!」とのメッセージが入り、ストレインジ・デルタの不可解な攻撃判定はホログラフィ、幻影であったことが判明する。恐らくホログラフィを艦の周囲に投影して巨大戦艦に偽装していると思われる。
ホログラフィについてのコリジョンバグ疑惑
ホログラフィとは説明されたものの挙動が怪しく、演出にも違和感がある。
- ストレインジ・デルタの浮上グラフィックは船体に波を被っている
- 水面下にあった巨大船体には影があり、航跡もそれに見合った大きさである
- 撃沈時のグラフィックは船体全体が煙を吹いており、壊れている
- 攻略本にはホログラフィに関する文献やそれを匂わせるような情報は一切ない
- そもそも浮上前から命中判定が小型船体よりずれている
- 巨大船体部分に接触するとダメージは受けないがなぜか舵が効かなくなる
以上の点からバグ説が濃厚であり、修正ができず後付け設定としてエクストラキットに解説をねじ込んだとファンの間では言われている。
その他、鋼鉄の咆哮2では敵キャラクターの造形も武装とサイズが見合ったものが与えられている中で、小型戦艦程度のサイズに56.0cm砲に45.7cm砲、荷電粒子砲や多弾頭ミサイル、超音速魚雷など、ストレインジ・デルタだけ世界観とは矛盾したキャラクターとなってしまうなど、デザイン面でも疑問が出る。
耐久ステータスはEエリアとしては適正であるが、この判定の影響で適正距離で砲戦をすると平均1,2発程度しか命中しないため他の超兵器よりも圧倒的に戦闘時間が長くなり、この戦法だとヴォルケンクラッツァー並みのHPを持つボスとなる。接近して命中弾を増やしてやっと適正体力である。
なおバグが無かった場合だが、第一形態は小さいものの火力が低い、第二形態は火力はそこそこあるものの船体が横にも縦にも巨大で攻撃が非常に当てやすいため、弱ボス扱いされていたと思われる。
超巨大擬装戦艦「超ストレインジ・デルタ」
エクストラキットの追加シナリオに登場する新たなボスキャラクター。
β-08「姿無き巨影」の主目標となる。
名前こそストレインジ・デルタだが面影はなく、ヴォルケンクラッツァーにも匹敵する馬鹿でかい船体(しかも3胴)を持ち、甲板には大量のVLSを備えている。
回避不可能かつ高威力のクリプトンレーザー系列の新兵器「ガスダイナミックレーザー」を装備しているため、耐久が低い船では電磁防壁管理艦などが必須となる。
見た目に反しミサイルはやや多い程度しか撃たず、その他は誘導魚雷とバルカン砲、中破しても荷電粒子砲、クラスター爆弾など最初から放ってくるガスダイナミックレーザー以外は大したことは無い。馬鹿でかい船体が仇となり耐久力も低く、意外にもあっさりと蹴りがつく・・・が、こいつは擬装戦艦である。
第二形態
激しい爆発後、船体を一部切り離し、前部潜舵を展開させ水中に潜り始める。
前作に登場したストレインジ・デルタとは逆の特性を持っているのが判明する。
本ステージの副目標は潜水艦の撃沈であり、対潜兵器の弾薬が足りない、対潜攻撃を任せていた従属艦が撃沈されたなど、初見で詰むプレイヤーもいたようである。
潜航中は超音速魚雷や多弾頭ミサイルなどノーチラスに近い武装を持つが本級はさらにそれを上回る武装、光子榴弾砲と同じく衝撃波を発生させる「光子魚雷」、重力砲と同じく着弾すると疑似重量場を発生させる「量子魚雷」を搭載している。潜航型超兵器としてはシリーズ最強の火力を持つ。
超火力ではあるが、第二形態は回避もしくは迎撃可能な武装で構成されているため、初見殺しな部分と後記する改良型を除けばあまり強敵では無い。
- 超ストレインジ・デルタ
エクストラキットで追加された救済措置システム用のユニット、βエリアの登場ステージで作戦失敗した場合に下記のⅡから入れ替わる(特別作戦でも登場する)。ステータスが低く、ガスダイナミックレーザーが無いため電磁防壁無しの艦でも攻略可能、潜航状態では量子魚雷を使用しない(HARD以上では装備される)。
攻略本に記載されているのはこのユニットであるが、掲載されている写真にガスダイナミックレーザー(Ⅱ以降が装備)が思いっきり写っており、記載内容と矛盾が生じている。
- 超ストレインジ・デルタⅡ
超ストレインジ・デルタ本来の設定のスペックで第一形態ではガスダイナミックレーザー、第二形態では光子魚雷と量子魚雷の両方を装備している。
基準ステータス(難易度Normal)第一形態はHP13000/装甲51/速力37、第二形態はHP6000/装甲41/速力39。βエリアの登場ステージで失敗した場合、次の出撃では前記したストレインジ・デルタに入れ替わる。
基準となるスペックではあるが攻略本にこのステータスは記載されていない。
- 超ストレインジ・デルタ改
クリア後の特別作戦や摩天楼サバイバルに登場する強化型で、上記「Ⅱ」の難易度SHスペックよりさらにもう一段階強化されたステータスを持つ。第一形態は単純な強化型だが、潜航形態が非常に強く、鋼鉄の咆哮シリーズの潜航型ユニットの中では最大の耐久力、ノーチラスにも劣らない最大速力55kt、光子魚雷と量子魚雷の射数3、さらに巡行ミサイル(射数4)まで撃ってくるため非常に強い。
余談ではあるが、エクストラキットでは新規ボイスの収録が無かったためキャラクター名は流用するしかなく、三角要素が薄いデザインにも関わらずストレインジ・デルタになっていると思われる。
(上記の理由でヴリルオーディンには出現ボイスが無く、その影響か名前も作中では出てこない)
鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー
引き続き登場するが、キャラクターの特性が大きく変更され「超巨大要塞艦」として登場する。
Gエリアの中ボスポジションであり、ステージ名は「海上の戦闘国家」。
ブリーフィングの時点で前作とは別物となっていることがわかり、名前がデルタではあるが5角形の形状をした船体を持つ。船体サイズはヴォルケンクラッツァーやハボクックよりも巨大、水上艦としては全シリーズ最大である。広大な甲板はほぼすべてが飛行甲板となっており、4つのアングルドデッキ、多数のカタパルト、大量のVLSが装備されている。
中破すると艦尾に装備された3つのハッチが開き、中から通常戦艦で最強クラスの性能を持つ、50.8cm砲を装備した「ミシガン級」を3隻出してくる上、大型の戦略爆撃機B-36やその他の艦載機を大量に発艦させてくる。
武装は45.7cm砲やAGS砲、ミサイル発射機などであるため、火力に関してはミシガン級3隻を除けばエリア相応。名前こそ要塞だが防御面は脆く、耐久値は9000と高いが装甲が対43cm砲防御のため意外とあっさり沈む。
他の超兵器同様に強化型である「改」のユニットがゲームクリア後の特別作戦に登場する。
こちらはアーセナルが3隻、スプルーアンス級が3隻の計6隻の艦船を搭載している。
修正パッチ後の変更
修正パッチの使用後、もしくはソースネクスト版では中破後の挙動が変化している。
- 艦載機の発艦が1回だけではなく中破後に一定耐久力が減るごとに変更、複数回に分けられる
(パッチ前は中破時に全て発艦する) - 搭載ユニットの出現ポイントが船体中央に共通化、それにより艦載機はV字で発艦しなくなり、ミシガン級は船体の横や前などを突き抜けて出現するようになる
(パッチ前はデザインを意識してか艦載機はV字に発艦、ミシガン級はハッチから綺麗に並んで出現)
パッチ後は演出が強化される超兵器がほとんどだが、ストレインジ・デルタに関してはユニットの出現方法を調整した影響なのか悪化している。
ミシガン級
ミシガン級に搭載されているアメリカの戦艦、初代鋼鉄の咆哮から登場する最高ランクの敵戦艦である。
鋼鉄の咆哮シリーズの前身である「紺碧の艦隊2」にも登場しており、この時代はミサイル戦艦であった。
50.8cm砲8門、速力39kt、甲56cm砲防御装甲という驚異的なスペックを持つ。このステータスは日本の超大和型、ドイツのH44級、イギリスのセント・アンドリュー級よりさらに1ランク高く、紛れもなく最強である(アーセナルやH51の方がステータスは高いが武装特性が異なる)。
さらに鋼鉄の咆哮3で登場した量産型超兵器である「超大和」も耐久値は高いものの装甲が対51cm砲防御であるため、総合的な耐久ステータスではミシガン級より劣る(ただし高難易度では超大和の強化がかなり激しく、火力防御共にミシガン級よりも強くなる)。
主にゲーム終盤に登場するが、鋼鉄の咆哮3では中盤のエリアにも少数だが出現し、ストレインジ・デルタから3隻出現する。
ストレインジ・デルタに搭載されている戦艦がルイジアナ級と勘違いしているプレイヤーが多いが、これは当時存在していた攻略サイトの影響だと思われる。この2隻(モンタナ級とイリノイ級を含めると4隻)はグラフィックも同じなため判別するのはやや難しい。
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー
登場はしないが、内部のユニットデータに名前が存在しており、ある程度の開発段階までは企画に組み込まれていたようである。他の没になったボスキャラクターである駿河やランフォリンクスとは違い、スペックまでは設定されていない。
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