警 告 本項はその猟奇的な内容によって気分を害する恐れがあります。それでもなお読みたいという方のみ、以下の記事をお読みください。 |
スナッフフィルム(Snuff film)とは、殺人を記録した映像である。
スナッフビデオ、スナッフムービーとも。
主として残酷趣味を満たす快楽、および営利目的で撮影/編集された殺人の記録映像のみ称し、自殺・事故・その他の「偶発的に人が死ぬ所を撮影した映像」は、厳密にはスナッフフィルムとは言わない。
概要
「スナッフ」とは蝋燭を吹き消す時の擬音語で、「殺す」を意味するスラングに由来する。
これが初めて単語として認知されたのは、1971年に出版された「The Family: The Story of Charles Manson's Dune Buggy Attack Battalion」である。
1969年、女優のシャロン・テートが、カルトの指導者チャールズ・マンソンの信奉者らによってロサンゼルスの自宅で偶然居合わせた友人達ともども殺害されるという無差別殺人事件が起きる。
これによりマンソン・ファミリーは「殺人カルト」と呼ばれ、実行犯のみならずマンソンも共謀罪と殺人罪によって逮捕、死刑(後に終身刑に減刑)された。
この事件について書かれた本書において、著者のエド・サンダーソンは「マンソン・ファミリーがカリフォルニアで殺人の様子を撮影したらしい」と述べ、初めて「スナッフフィルム」と表現している。
こうした事から「裏の世界では娯楽の為に殺人の様子を収めたフィルムが撮影され、闇ルートで取引が行われている」という風説が生まれ、映画や小説など様々なメディアで取り上げられるようになった。
1975年に公開された映画『スナッフ/SNUFF』は、「南米で撮影された本物のスナッフフィルム」という触れ込みで宣伝され、各地で上映禁止運動が相次いだ。
しかし実際には、マンソン・ファミリーを題材とした低レベルのポルノに後付けで殺人シーンを継ぎ合わせたものだった。殺人シーン自体も82分中わずかラスト4分、作り物であるのはバレバレだった。
だが映画会社の社長がわざわざ上映反対運動を扇動し、これによって映画は大ヒット。当時の日本でもワイドショーが「本物か偽物か」を大真面目に検証し、雑誌でも特集が組まれるほどだったという。
こうして「スナッフフィルム」はその知名度を上げたのである。
実際問題として「スナッフフィルムは実在するのか」という疑問は、当然起こる。
これを確かめる為、アメリカのタブロイド「スクリュー」の創刊者、アル・ゴールドスタインが一つの広告を打った。
「本物のスナッフフィルムを送ってくれた人に10万ドルポンッと差し上げます」
が、結局応募はゼロだったという。
勿論これだけで「スナッフフィルムは都市伝説」と考えるのは無理があるが、疑問に対する答えの一つとも言える。
ただし、スナッフフィルムと認知され、かつネットを通じて一般に流布した映像は実在する。
ここでは詳細は伏せる。決して興味本位で検索しないこと。
スナッフフィルムと誤認された映画
- 食人族
- 1981年の映画。いわゆる「モンド映画」のひとつ。
アマゾン奥地で消息を絶った探検隊の遺留品からフィルムが発見される。そこには、彼らが軽んじた未開の部族に返り討ちにされて殺され、食われるさまが記録されていた……という設定なのだが、配給会社が客集めの為に「本物」と銘打った宣伝を打ち、ショッキングな描写も手伝って、本物と勘違いした観客が続出した。
ただし作中の動物虐待(生きた亀の甲羅を剥いで食べる)は本物である。当然動物虐待だと非難されたが、監督は「確かに殺したけど後でちゃんと食べました」と切り返したという。
2013年に『グリーン・インフェルノ』のタイトルでリブートされている。 - ギニーピッグシリーズ
- 1985年から続いたビデオ作品シリーズ。第一作『ギニーピッグ 悪魔の実験』および第二作『ギニーピッグ2 血肉の華』が、スナッフフィルムの再現を目指したモキュメンタリーとなっている。
2については、漫画家の日野日出志が参加。特殊撮影を駆使した人体破壊描写は真に迫っており、これをCATVで視聴した俳優のチャーリー・シーンが本物だと勘違いしてFBIに通報、配給会社の社長が尋問される事態となった。なお日野氏によると、自宅にもFBI関係者が訪問して調査が入ったという。
1989年の連続幼女誘拐殺人事件の加害者、宮崎勤の部屋から『ギニーピッグ4』が押収。悪影響をもたらすとして非難の的となり、ワイドショーでも「1」「2」を取り上げて(実際の映像にはモザイクがかかった)問題視した。でも4ってコメディホラーなんだよね
スナッフフィルムを題材とした映画
- 8mm
- 1999年の映画。ニコラス・ケイジが主演。
私立探偵が富豪の未亡人から依頼を受ける。それは亡くなった夫の金庫から、少女が惨殺される様子を撮影したスナッフフィルムが発見されたのがきっかけだった。これが本物かどうかを調査するという依頼を受け、苦しみながらも調査を進めるうち、主人公はフィルムを撮影した犯罪組織に目をつけられてしまい…… - レッド・サイレン
- 2002年の映画。
12歳の少女・アリスが警察を訪問し、保護を求める。彼女が持参したのは、働いていたメイドが母親によって惨殺される映像を収めたDVDだった。だがアリスの母・エバは武器商人で、政界・財界にも太いパイプを持ち、警察と言えども迂闊に手は出せない。
やがて娘を取り戻そうと手下に命じた母の手から、アリスは命がけの逃避行を始める。 - グリズリーマン
- 2005年の映画。
「死の瞬間を記録した」という一点においてスナッフフィルムと共通するが、似て非なるものである。
グリズリーの保護活動をしていたティモシー・トレッドウェルのドキュメンタリー。ティモシーは2003年、恋人と共にグリズリーに襲われ殺害される。所持していたハンディカメラには襲撃当時の音声、すなわち生きたまま熊に食われていくさまが克明に記録されていた。
しかし音声を確認した監督は「これは消した方がいい、絶対に聞かない方がいい」と遺族に告げ、音声を公開しなかった。 - セルビアン・フィルム
- 2012年の映画。ガチで閲覧注意の問題作。
救いは一切ありません。
トラウマになります。
決して興味本位で知ろうとしないでください。
創作におけるスナッフフィルム
- BLACK LAGOON
- 双子の殺し屋・ヘンゼルとグレーテルが、チャイルドポルノ出演を経てスナッフフィルム撮影の片棒を担がせられ、快楽殺人者となった背景を持つ。
- GUNSLINGER GIRL
- 主要人物の一人・トリエラが、カモッラ(イタリアマフィア)によるスナッフフィルムの撮影用に拉致されたという背景を持つ。その後「公社」に保護されるが……
- ハンニバル
- トマス・ハリスの小説。登場人物であるメイスン・ヴァージャーが復讐の為、レクター博士を捕らえ、人を襲うよう訓練された豚に生きたまま食われる様子を撮影しようとしていた。
余談
対象は人間に限らず、動物を虐待して殺害する様子を記録した「アニマル・スナッフ」も存在する。
重ねて述べるが、興味本位で探してはいけない。
最も有名な「アニマル・スナッフ」は、1903年に撮影された、アジアゾウの「トプシー」である。サーカスに売られて虐待まがいの扱いを受けたトプシーは、1900年に観客や関係者を襲って死に至らしめた。
その後トプシーを持て余したサーカスは「安楽死」と称した公開処刑を実施、大勢の見物人や報道陣の前でトプシーは6000ボルトの電流と青酸カリによって殺された。この時の模様を記録した映像が残されている。
なお「トーマス・エジソンとニコラ・テスラの間に起きた『電流戦争』において、テスラの支持する交流説の危険性を訴える為、トプシーを電流で殺して記録した」という風説がある。が、本件に関して実のところエジソンは全くの無関係である。
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関連項目
現状は空白とします。
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