スーパーロボット大戦Wとは、バンプレスト(現・バンダイナムコゲームス バンプレストレーベル)から2007年3月1日に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフトである。
略称は「スパロボW」。ジャンルはシミュレーションRPG。
概要
本作はニンテンドーDSにおける初のスーパーロボット大戦シリーズの作品となった。また、シリーズ通算40作目でもあり、様々な意味でも区切りとなる作品である。タイトルの『W』は、ニンテンドーDSの2画面液晶(ダブルスクリーン)と、シナリオが2部構成となっている事から命名されている。
新規参戦作は後述の6作品。
「フルメタルパニック」シリーズ、「テッカマンブレード」シリーズ、「機動戦艦ナデシコ」シリーズ、「ガンダムSEED」、「マジンカイザー」など、多くの参戦作品が前作の『スパロボJ』と共通し、戦闘アニメーションが一部使いまわされていることから当初は『J』の続編として企画されたとも言われている(実際にはシナリオ上の繋がりは無い)。しかし一部のアニメーションが使いまわされているとはいえ、演出面はかなり強化されており、新規のアニメーション・カットインも豊富である。グリグリと滑らかに動く戦闘デモは一見の価値があるだろう。
主人公はカズマ・アーディガンとその一家。機体は選択出来ないが、シナリオ上強化が2回行われる事になる。オリジナルの戦艦が参戦するだけでなく、その乗組員と機動兵器のパイロットが家族であるという設定も今までに見られないものである。詳細は「ヴァルストークファミリー」の項を参照。
参戦作品
- フルメタル・パニック!
- フルメタル・パニック?ふもっふ
- フルメタル・パニック! The Second Raid
- 勇者王ガオガイガー
- 勇者王ガオガイガーFINAL
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
- 宇宙の騎士テッカマンブレード
- 宇宙の騎士テッカマンブレードII
- DETONATORオーガン
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 百獣王ゴライオン
- マジンカイザー
- マジンカイザー死闘!暗黒大将軍
- ゲッターロボG
- 真ゲッターロボ【原作漫画版】
- 機動戦艦ナデシコ
- 劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-
システム
基本的なシステム面は前作『スパロボJ』のものを受け継いでいるが、「スキルパーツシステム」が着脱式ではなく使い捨て式になり、「ツメスパロボ」は消滅。また、「お気に入り選択システム」「BPによるパイロットの育成」「BGMの変更」「一枚絵の採用」等は引き続き採用されている。
ダブルスクリーンやタッチパネルといった、ハードの性能を生かした演出・機能等も備えている。
クロスオーバー
本作の最大の特徴はシナリオ面である。シナリオが2部以上で構成されている作品は(IMPACT等)以前にも存在するが、シナリオ中盤にて作中の時間が大幅に経過することにより、キャラクターの様々な変化や参加作品の続編へのダイレクトな推移などが行われている(ただし原作通りの時系列となっていない作品もある)。
また構成面のみならず、シナリオの内容もこれまでの作品とは異なり、複数の作品に設定レベルで関連性を持たせる大胆なクロスオーバーが行われている。これによりゲーム内独自の人間関係が形成され、シナリオに大きなアクセントを与えている。
また、モチーフやテーマとなっている部分以外にも親和性の高い設定は積極的なクロスオーバーが行われ、原作を知らないプレイヤーがクリア後に参戦作品を視聴すると「これって○○(作品名)のキャラクターじゃないの!?」「おい、アレが○○(作中のシステム)のベースじゃなかったのか!?」と混乱を招くほど他作品と馴染んでいるキャラクターや設定も存在している。
その他色々な小ネタ
- 「週間ファミ通 No.1218」に掲載されたアンケート結果では、88票を得て好きなスパロボの作品1位の座を獲得した。(2位は第3次αの60票)
- 発売前から話題をさらったのがDETONATORオーガンの参戦。当時、作品情報はネットで探しても非常に少なかったのだが、オーガンを元にリメイクされた作品であるテッカマンブレード、ブレードⅡ、そしてガオガイガー(!)との文字通りの夢の競演を果たし、ファンを熱狂させた。スパロボでも数少ない原作レベルでの良クロスオーバーと評判も高い。
- 主人公のカズマは、何かと設定過剰になりがちなスパロボオリジナルキャラの中でもかなり珍しい等身大の男の子である。優れた父親にコンプレックスを抱いて無茶をやらかしたり、中二病に罹患して公開処刑されてみたり、彼女が欲しいとアピールしてみたりと、三枚目的な役回りになってしまう事もしばしば。しかしシナリオの進行につれて成長し、認められていく姿が多くのプレイヤーの共感を呼んだ。また、これも珍しい事なのだが、様々な版権作品のキャラクターと友人関係を結んでおり、その関係から第2部で正式参戦するキャラクターが第1話冒頭で顔見せする姿も見られる。
- オリジナルキャラのホリス・ホライアンはとんでもない方向でファンを裏切っていきました。詳しくは項目を参照。
- 決め台詞以外にも、キャラクターの様々な名言や迷言の多い作品でもある。「中の人などいない!」「ビッグボルフォッグだーっ!」「なぜなにナデシコはやらないのか?」etc・・・ ただ、それらもキャラ崩壊とは言われず、概ね受け入れられているのはひとえにシナリオの出来が良いからだろう。
- 上記のようにシナリオはおおむね好評だが、その一方で「ゴライオン」と「オーガン」に関してはだいぶ割りを食った感がある。ゴライオンは原作再現が少なく、敵もネタ要員。オーガンは正式参戦が非常に遅く、ソリッドアーマーが隠し取得など、どちらも初参戦にしては良くない扱いだった。これらの欠点が目立たないのは、どちらもクロスオーバーで設定だけは目立っていたため、そしてファンの絶対数が他作品と比べて少ないためと思われる。
- 今作における真ゲッターロボは参戦作品の表記上では漫画原作版からの登場となっているが、登場人物のデザインは東映アニメ版、機体の見た目は明らかにOVA「真ゲッターロボ 世界最後の日」版のものである。戦闘デモがスパロボ学園で流用された際には「真ゲッターロボ 世界最後の日」として参戦していた。
- 前作『スパロボJ』に引き続き、ボイスがあったとしたらスーパー関智一大戦、スーパー桑島法子大戦であり、さらにテラ子安武人大戦でもある。関は宗介、ガイ、九十九、イザークの4役で、前作の5役よりは減ったものの、ガイや九十九が死なず劇場版の時系列に当たる第2部でも登場するなどむしろ出番としては増えている。子安はゼクス、ムウ、ザイード、テッカマンエビル(相羽シンヤ)で関と同じく4役。こちらは敵役であるエビルの印象が強いかもしれない。桑島は前作と同じ3役で、ガンダムSEEDのフレイは「きれいなフレイ」と呼ばれるなどこちらも重要な役どころを担っている。ちなみに3人とも「ガンダムSEED」で共演している。
- 難易度は前作に続きそれほど高くはない。第二部で加入するユニットの性能が軒並み高いためである。範囲が広く座標指定型で識別タイプのMAP兵器を持つテッカマンイーベル、同じく広い範囲の識別MAP兵器を持ちパイロット能力が高いフリーダムガンダム、ラムダドライバで爆発的な攻撃力を誇るアーバレスト、ガイ機との捏造合体技が追加されたブラックサレナ、分厚い装甲にHP回復を持つマジンカイザーなどは良く本作の中でも強いユニットに挙げられるが、最も強いといわれるのは文句なく主人公機だろう。詳細は「史上最強の家」の項を参照。
- 「 し て い た 」
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関連項目
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