『スーパーロボット大戦D』は2003年8月8日にバンプレスト(現バンダイナムコゲームス)から発売されたGBA用SRPGソフトである。略称「スパロボD」。
概要
『スーパーロボット大戦R』に続く、版権GBAスパロボの3作目。『OG1』を含めるとGBAスパロボの4作目となる。前作とのシナリオの繋がりは無い。タイトルのDは「DESTINY」の意。
新規参戦は『未来ロボダルタニアス』、『メガゾーン23』、『マクロス7』、『THEビッグオー』、『真(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日』の5つ。また『新機動戦記ガンダムW』が久しぶりにTV版単独で参戦した。
主人公はジョシュア・ラドクリフ、クリアーナ・リムスカヤの2人から選択。選ばなかった方は副主人公として登場する。更に機体がリアル系かスーパー系で精神コマンドや特殊技能、能力が異なる。
参戦作品
赤字が新規参戦作品。
- メガゾーン23
- 機動戦士Zガンダム
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士Vガンダム
- 新機動戦記ガンダムW
- マクロス7
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- UFOロボ グレンダイザー
- 真(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日
- 六神合体ゴッドマーズ
- 未来ロボ ダルタニアス
- THE ビッグオー
- バンプレストオリジナル
※他、Z-MSV、CCA-MSV、OVA『六神合体ゴッドマーズ 十七歳の伝説』の機体がゲスト出演している。
システム関連
- 『スキルパーツ』が初登場。この時は消費型ではなく、強化パーツのようにパイロットに装備させるものであった。
- マクロス7の一部ユニットが持つ『歌システム』が登場。歌ENを消費し、歌う事によって味方ユニットの能力を上げたり、プロトデビルンにダメージを与える事ができる。後の第3次αと違って重ねがけが可能であり、ターンをかければ歌ENが尽きるまで味方を強化する事ができる。
- 敵同士が隣接していると特定の武器でまとめて攻撃出来る『コンボ』技能が登場。援護防御を無視出来るのが強みだが、一部の敵ユニットも使用する事に注意。後の携帯機シリーズにも登場する。
- ミニゲーム『ツメスパロボ』が初登場。特殊なルールが設定されており、ランダム要素(クリティカルや分身)は全て排除されている。難易度は高めだが、クリアすると資金やレアな強化パーツ、スキルパーツを入手出来る。
- 戦闘アニメーションの中断が実装される。ただし、今作では中断後に戦闘アニメOFF時の処理が改めて行われるため後のスパロボと比べると少々テンポが悪い。
- 主人公機の武装名を変更出来るようになった。その後のGBA・DS版のスパロボでは恒例の仕様となる。
Dのいろいろ
- ストーリー冒頭でいきなり地球消滅。この異常事態を受けて、ネオ・ジオン、OZトレーズ派、リガ・ミリティア、マクロス7船団が同盟を組み、無条件でシャア(CCA)、ギュネイ、クェス、ゼクス(最初はミリアルド)、トレーズが加入する…という歴代スパロボでも異色な展開を見せる。更に選択によっては1話からいきなりサザビー、ガンダムエピオン等の強力な機体を使う事も出来る。
特に逆シャアのシャア総帥が普通に味方になるのはこの作品が初。
原作と異なり、シャアは「アムロとの決着を付けたい」という私情よりも、地球消滅、異星人の軍の襲来という異常事態を契機に、自身や地球圏の状況を見つめ直し、真剣に地球圏を守ろうとする、という大望を優先させている。(プロローグでは原作通り、アクシズ落としを敢行したがアムロらは拘禁しており、ここでも作戦を優先させている。) - 今まではTV版ゲッターロボチームが原作者漫画版の真・ゲッターに乗ったり、ブラックゲッターに乗ったり、量産型ゲッタードラゴンがゲストとして登場はしたもののチェンゲそのものは参戦していなかったが、本作でついに参戦。序盤から加入し、性能も武器も優秀。
- 真ドラゴンとの合体攻撃が2種類、更にEN回復(小)も付いている為、今作のゲッターロボ系は味方機の中でもトップクラスの強さ。グレンダイザーが加入する(10話もしくは11話)時点でファイナルダイナミックスペシャルが撃てるというおまけつき。
- その一方で「悪人顔のゲッターチームや早乙女博士」、「ミチルが死んでいる」、「早乙女博士をじじいと呼び、発言が過激な竜馬」等がTV版ゲッターしか知らないプレイヤーに与えた衝撃も大きかったとか。
- ゲッター1のスパイラルゲッタービーム、ゲッター3の機関砲、真ゲッター1のゲッターサイトなど、OVA版設定の為、これまでの作品には存在しなかった武器も多く実装されている。
- プロローグでの3機の旧ゲッター、隼人がパイロットに復帰するまで一人で運用する旧ゲッターやブラックゲッター、などシステム面でもこれまでと異なっている。
- なぜか旧ゲッター2のドリルが左腕に装着されている。(チェンゲ版は右腕)
- また、こちらも初参戦となるメガゾーン23のガーランドの回避率が凄まじい。特にバイクモードのMC形態。SSサイズで改造費も安く、ゲッターと違う意味で暴れられる。流石にバイクなのでスラスターモジュールで宇宙を爆走出来ないが、ミノフスキークラフトで空を走る事は可能。最強武器トラッシュは空適性が素ではないので注意。
- こちらも初参戦であるマクロス7、歌のMAP兵器で広域範囲に能力上昇と気力UPをばらまける。
これだけでもやばい予感がするが、今回の歌は効果が重ね掛け可能である。(一応上限は+255)
つまり何ターンもバフを盛ってその後で敵を蹂躙することが可能である。
さらに歌の効果は歌うキャラのレベルに応じて強化されるため、バフの量もえげつないことになる。 - 64以来の六神合体ゴッドマーズは原作のギシン星がグレンダイザー、ダルタニアスのキャラクターも内包しており、ギシン星間帝国として立ちはだかる。また反陽子爆弾でのゲームオーバーも健在。(特殊演出はないがBGMが愛の金字塔になる。)ただし反陽子爆弾はガイヤーのHPが50%以下になっても強制的にゴッドマーズに合体する為、実質ゴッドマーズ時のみ作動。また、条件を満たすと反陽子爆弾が除外される。
しかし何より驚かれるのは隠しキャラのマーグがOVA版ガイヤー及びゴッドマーズに搭乗することだろう。合体攻撃まで使用できる。プレイヤーからは通称ゴッドマーグと呼ばれる。(本来はTV版と同一機体でデザインが違うだけ。) - 本作ではこれまでのガンダムシリーズの連邦軍ではなく、マクロス7の統合軍が登場。しかし作中ではOZのクーデターなどで組織としては瓦解してしまい、旧統合軍と呼ばれる場面も。正直、影が薄い・・・。
ちなみにプロローグからわかるがシャアはこのクーデターからアムロとブライト(ブライトに至っては家族も)を保護し、アクシズ落としへの協力を要請していた。 - フル改造ボーナスが導入された。ただしDでは武器の改造段階とフル改造ボーナスを周回時でも両方引き継ぐため、一度決定するとそのデータでは二度と変更出来ない点に注意。各強化パーツと組み合わせることによって一部のユニットが(色んな意味で)とんでもない性能に。
例:戦艦ラー・カイラムに、武器フル改造ボーナスで弾数×2を取得させた上で超大型マガジンを装備させると、弾数が3倍になり核ミサイルの弾数が通常版は9発、MAP兵器版は3発撃てるようになる。更にブライトさんには愛等の便利な精神コマンドが存在する為、非常に使える。ポンポンと核ミサイルを使いまくる絵面はともかくとして、装甲と敵の攻撃力次第では無双も可能。 - 2周目では改造段階が15段階に、3周目以降は20段階まで上昇する。無論、最大まで改造するには莫大な資金が必要。
そして同時に奇数回の周回で全ての敵ユニット・武器が1段階ずつ改造されていく。敵も最大20段階まで改造されるので、下手をするとプロローグで詰む可能性が。
敵の20段階フル改造が終わった後の当作の難度は全スパロボでも随一となる。こちらが改造しようが大体の場合は当たれば死ぬためである。回避できなきゃ漏れなく死ぬ。 - 敵から味方になるキャラで、かつ能力がそのままのキャラはBPでパイロット養成すると周回プレイ時に養成した分が上乗せされる仕様であるため、鍛えすぎると異様な強敵として立ちはだかることになる。グラキエースなど敵と味方でグラフィックが違うキャラは能力も別に設定されているので問題なし。
- 現状スマホゲーであるX-Ωを除けばこれがVガンダムが参戦した最後のスパロボである。2019年時点の最新作であるスパロボTでもその名前は無かった…もう15年以上もご無沙汰である。
声ありだとスパロボαDCが最後の出演である。
そして2021年の「スーパーロボット大戦30」まで実に18年も待たされることになった。
ちなみに今作独特の事情もあって、本作はクロノクルもカテジナさんも味方にできる現状唯一のスパロボである。 - シナリオライターはハードなストーリー展開と『富野節』回しに定評のある鏡俊也。64、Jのシナリオも手がけており、部隊名をマーチ・ウィンドと付けようとするアムロ、五飛がズールに「貴様のような悪は見た事がない」と言い放つ等の小ネタも。
- 前年にGBAで発売されたOG1の技術が生かされたのか、戦闘アニメがよく動く。単純な格闘も動きが曲線化・多様化し、AやRと比べるとその滑らかさは一目瞭然である。ゴッドマーズに至っては一部から「本編より動く」とまで言われたとか。
- 本作でもっとも株を上げた版権キャラクターはギュネイ・ガスと剣鉄也。双方とも男主人公の親友という重要ポジションに。ギュネイは年相応の青年として、ロボゲ板等で何かとネタにされがちな鉄也は文字通り戦闘のプロとして描かれる。
- ちなみにクェスは女主人公と親友になる。そしてきれいなカテジナさんが見られるのはDだけ!
- 味方時のラキの可愛さは異常。
- そして、2012年には遂に「第2次スーパーロボット大戦OG」に参戦。より活き活きと動く機体や声優陣の熱演を楽しみたい人は是非。
関連動画
関連商品
関連項目
- リ・テクノロジー
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- スーパーロボット大戦64
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- ジョシュア・ラドクリフ
- クリアーナ・リムスカヤ
- グラキエース
- ウェントス
- メリオルエッセ
- ペルフェクティオ
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