スーパー耐久単語

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スーパー耐久とは、日本自動車レースの一カテゴリである。略称はS耐。

概要

前身は1990年に発足した「N1耐久シリーズ」。その後1995年車両規定の正があり、車両規格がN1ではなくなった事からシリーズの名称を「スーパーN1耐久」と称。
さらに1998年車両規定がN1からN2に近づいたため、シリーズの名称から「N1」が外れて「スーパー耐久」となった。
2018年からワンメイクタイヤの供給元をピレリタイヤに変更し、シリーズ名も「ピレリスーパー耐久シリーズ」となった。
2021年シーズンからはワンメイクタイヤの供給元を韓国ハンコックタイヤに変更し、シリーズ名を「スーパー耐久シリーズ Powered by Hankook」に変更した。
2022年シーズンENEOSが冠スポンサーとなり、シリーズ名を「ENEOS スーパー耐久シリーズ Powered by Hankook」に変更したが、2023年3月群馬県ハンコック工場と倉庫が全焼する大規模火災が発生し、タイヤ供給の処が立たなくなった為、5月富士24時レースから当初2024年からの契約だったブリヂストンが前倒しで供給されることになり、シリーズ名称も「「ENEOS スーパー耐久シリーズ Powered by BRIDGESTONE」へと変更された。

スーパー耐久は改造して行われるレースのため中で見かける身近なが見ることができる。
サーキットを転戦して行われる同シリーズの中でもっとも有名なのが2008年まで十勝インターナショナルスピードウェイで行われていた十勝24時レースであり、お祭り色も高くシリーズに参戦していない内有名ドライバーがスポット参戦することも多かった。
現在では十勝に代わりSUPER TEC 富士24時レースがそのポジションに入り、富士のみスポット参戦するチームや、他ラウンドにべ2名多くドライバーを登録できるため、意外な人が出場したりする。
2010年シーズン海外マレーシア)での開催も予定されている。
なお2011年シーズンより「FIA GT3規定」に基づいた新クラスST-X」を導入した。また2017年シーズンから「グループGT4規定」に基づいた「ST-Z」クラスと「TCR規定」に基づいた「SC-TCR」クラスを新設した。

レギュレーション(車両規定)

もともとレギレーションJAF-N1規定を用いていた。

JAF-N1規定=FIAグループN規定を元にJAFが制定したレース競技用の区分の1つ
ラリーダートトライアルジムカーナ、レーシングカートはまた違う規定がある
非常に改造範囲が狭い。(エンジンはほぼノーマル、サスの取り付け位置や形状変更は不可、など)
ほかの区分はベースならN2、NR-A(ナンバー付きの競技)、GT500GT300
フォーミュラカーならFJ1600、F4、F3F3000とある。
区分別の有名な競技としては、GT500GT300区分がSUPERGTF3区分が全日F3選手権、
F3000区分がスーパーフォーミュラがある

しかし、現在はN1規定を元に一部改造範囲を広げた独自のレギレーションになっている。
そのためJAFのどのレース区分にも当てはまらず「その他の車両」というJAF-NEという区分になっている。

レギレーション範囲
の弱点を補う改造オイルクーラーの増設等)などを認めるレギレーション変更(1995年
付加パーツエアロパーツ)の使用などを認めるレギレーション変更(1998年

それでも拡したレギレーション以外の改造範囲は非常に狭い。
エアロパーツにしても常識的な価格で買える販品のみが認可されている。(レース用のワンオフ品や、非常に高価なものは禁止)
タイヤ定のものを使用(メーカー2017年までヨコハマタイヤ2018年からピレリタイヤ2021年からハンコックタイヤワンメイク

なお2012年シーズンシリーズ初の死亡事故が起きたため、2013年シーズンよりHANSの着用が義務づけられた。

2018年シーズンから「フルコースイエロー」(FCY)を導入した。

車両ゼッケン番号カーナンバー)は原則として「2~999」とし、翌2年間に限り使用権が留保される。「1」はST-Xクラスの前年チャンピオンに優先使用権がある。「0」は欠番扱い。

参加車両のクラス分け

基本的にはエンジンの排気量(ターボ付の場合、ターボ係数として排気量に1.7をかける)と、タイヤの駆動形式によってST-1からST-5まで、そして「FIA-GT3」規定に則ったST-X、「SRO-GT4規定」に基づいたST-Z、「WSC-TCR規定」に基づいたST-TCR、そして上記8クラスのいずれにも該当しない車両またはS耐機構が参加を認めたメーカー開発車両が参戦できるST-Qの合計9クラスに分かれる。
ただし催者側が認めた場合を除き、クラスの参加台数が7台未満だった場合、賞典外となる。
なお参加台数7台未満だった場合でもシリーズポイントはもらえる。
ST-1~5では、SUPER GTのようなリストリクター(エンジン空気を取り入れる吸気口に取り付ける装置)によるの制限は特にない。
元々リストリクターでBoP調整を行っているST-X、ST-Z、ST-TCRは当然取付義務がある。
2023年度からGR86/BRZST-4クラスに収めるため、ST-3とST-4の排気量区分が2,000ccから2,400ccへと定された。

クラス区分の一覧
クラス 排気量 駆動方式 備考
ST-X グループGT3車両
ST-Z グループGT4車両
ST-TCR TCR規格車両
ST-Q S耐機構が参加を認めた開発車両
クラスに該当しない車両
賞典外
ST-1 2~5クラスに該当しない車両
ST-2 2,401~3,500cc 四輪・前輪
ST-3 後輪駆動
ST-4 1,501~2,400 不問
ST-5 ~1,500cc

ドライバー規定

ST-X

クラス区分のステッカーの色はイエロー
「FIA-GT3」規定準拠のクラス
総合優勝を争うS耐の

ST-Z

クラス区分のステッカーの色は水色
SRO-GT4」規定車両
初期こそ不人気だったが、日本GT4規定のが使えるレース、かつST-1とは違い車両を自分で制作する必要もいことから参戦台数が多い。

ST-TCR

クラス区分のステッカーの色はピンク
WSC-TCR」規格車両
内に存在する「TCRジャパンシリーズ」と重複することや、耐久向けでないというのもあり、ST-Zの盛とは逆に2023年は参戦台数2台と下火気味。

ST-Q

2021年より導入。クラス区分のステッカーの色はグレー。賞典対外。
スーパー耐久機構が参加を認めたメーカー開発車両、または他8クラスのいずれにも該当しない車両
地味にというかそういうクラスなのでメーカーワークスチーム開発車両耐久テストされる。

ST-1

クラス区分のステッカーの色はオレンジ
ST-Q及びST-2~ST-5に当てはまらない一般車改造車両
もしくはST-X/Z/TCRに当てはまらないレーシングカー
または「インタープロトシリーズ」参加車両

ST-2

クラス区分のステッカーの色はパープル
排気量2,401cc~3,500cc、4輪駆動または前輪駆動

ST-3

クラス区分のステッカーの色はブルー
排気量2,401cc~3,500cc後輪駆動

ST-4

クラス区分のステッカーの色はレッド
排気量2,400cc以下、駆動形式は不問

ST-5

クラス区分のステッカーの色はグリーン
排気量1,500cc以下の車両
ただし11年前までに日本国内で新販売されていた車両が最古の形式になる(2021年シーズンであれば2010年末時点での発売車両)。

※かつて存在していたクラス

ST-5
排気量2,000cc以下、駆動形式は不問
ヨーロッパなどとの際交流を的に「グループNプラス」という車両規定で行われていた。
レギレーションは「FIAスーパー2000規定」がベースとなっている
※通常のS耐の規定より改造範囲が広い(エンジンのカム交換やクロスミッションへの変更など)
な参加車両 トヨタ アルテッツァホンダ アコードインテグラ
2005年を持って終了

ST-S
2006年に誕生
排気量2,000cc以下、駆動形式は不問、2座の車両
な参加車両 ホンダ S2000
もともと特認のルールST-3クラスでの参加で苦戦していたS20002005年にスポット参戦していたロータス エキシージ、ほかにもマツダ ロードスターなどの参戦を想定していた。
しかし、シリーズが開幕してみれば参加車両S2000のみ。それも1回のレースにエントリーが2~3台という状況だった。
2007年度には排気量2,000cc以下から2,200cc以下へと規定を変更したものの、この年クラスのエントリーが一台もなく2007年を持って終了した。
2009年よりST-4クラスへ参戦しているホンダ S2000は、特認扱いでの参戦になる(2,000ccモデルのみ)

参加車両基準

2座席以上ので、FIAGr.NもしくはA認、JAF-N1の認を取れている車両が対。以前は2座席のに関しては、同一種に4座席のければ特任が必要という事になっていたが、そもそも参戦車両自体が少なくなったからか2座席も特任しでOKとなった。
現在特任参戦車両としては911カップカー(車両でない)やST-5のNDロードスター(N1非認)、DJデミオ(ディーゼルエンジンなのでターボ係数不算入)等。

競技について

レース

レースは全クラス混走で行われ、各クラスの順位を競う。
1台につきドライバーは2名または3名(一部レースは4名)以内登録しなければならない。
登録はA,BおよびC(D)という形式になる

公式予選

 1グループST-X,1,2,3)、2グループST-4,5)に別れ、Aドライバー1グループ→Aドライバー2グループ(それぞれ20分、計40分)→10~15分のインターバル→Bドライバー1グループ→Bドライバー2グループ(それぞれ20分、計40分)の順に行われる。

Aドライバー(40分間) インターバル Bドライバー(40分間)
1グループ
ST-X,1,2,3
2グループ
ST-4,5)
1グループ
ST-X,1,2,3
2グループ
ST-4,5)
20分間 20分間 10~15分間 20分間 20分間

AまたはBドライバーの「公式予選通過基準ラップタイム」はそれぞれの40分で達成されたクラスの総合順位上位3台のタイム110になる。
この条件をAまたはBのどちらか、または双方が満たせなかった場合は、予選落ちとなる。
予選落ちチームの決勝出走に関しては運営の裁定しだいとなる。

CおよびDドライバーも上記のようなタイムアタックを行い、A,Bドライバー同様、各クラスの上位三台のタイム110クリアしなければならない。

決勝グリッドはポールからST-X,1,2,3を第一グループST-4,5を第二グループに分けグリッドが配置される。
順番は2人のラップタイムを合算しタイムの速い順になる。
グリッドの優先順位は
1.A,B両ドライバーが「公式予選通過基準ラップタイム」を達成したチーム
2.AまたはBドライバーラップタイム達成できなかったチーム
3.A,B両ドライバーラップタイム達成できなかったチーム
の順となる。
ただしC,Dドライバーの予選のラップタイムは決勝グリッドの順番にはを与えない。

決勝

決勝走行は第一、第二グループ分かれてのローリングスタート形式で行われ、原則1周のフォーメーションラップ後にスタートとなる。
最低2回のピットストップドライバー交代を伴う)が義務付けられる。

距離レースの場合は定められた距離(に応じた周回数)を周回する。
トップ車両がその周回数をクリアし、チェッカーフラッグを受けた時点でレースが成立する(ゴール)。
時間レースの場合は大会特別規定がある場合以外は、所定の時間終了後トップ車両チェッカーフラッグを受けた時点でレース成立。
その後ゴールラインを通過した車両に、トップ車両とのタイム差・周回差に応じて各カテゴリの順位が割り当てられる。
クラストップ車両の周回数の70%以上の周回数でゴールラインを通過すれば、完走扱いとなる。

ピット作業

ピット時はエンジンを停止しなければならない。給油作業中は一部を除いて他の作業を行ってはならない。同時に作業に出る人数は4人まで(内2名でタイヤ交換を行う)。
タイヤウォーマー(タイヤを暖める行為)は禁じられている。

2022年シリーズポイント

レース時間・総距離 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 完走 PP
40分または100km以上 10 7.5 6 5 4 3 2 1.5 1 0.5 0 1
3時間または300㎞以上 20 15 12 10 8 6 4 3 2 1 +1 1
5時間または700km以上 30 22.5 18 15 12 9 6 4.5 3 1.5 +1 1
12時間または1400km以上 45 35 27 23 18 13 9 7 5 3 +1 1

レーススケジュール

2021年シーズンスケジュール
Rd 開催日 レース時間 サーキット 備考
- 2/23 (テスト) 富士スピードウェイ 間走行あり
1 3/19-20 5時 鈴鹿サーキット 不参加:ST-4クラス
- 5/10 (テスト) 富士スピードウェイ 間走行あり
2 6/3-5 24時 富士スピードウェイ クラス参加、間走行あり
3 7/9-10 3時間×2レース スポーツランドSUGO 不参加:ST-2クラス
4 7/30-31 5時 オートポリス 不参加:ST-5クラス
5 9/3-4 5時 モビリティリゾートもてぎ 不参加:ST-3クラス
6 10/15-16 3時間×2レース 岡山国際サーキット 不参加:ST-1クラス
7 11/26-27 5時 鈴鹿サーキット クラス参加

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1 ななしのよっしん
2009/05/10(日) 00:30:51 ID: f140DpPL3S
十勝24時間はやはり中止ですか...この不況下ではサーキット支援する企業皆無
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