セパン・インターナショナルサーキット単語

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セパンインターナショナルサーキット
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セパン・インターナショナルサーキットexitとは、マレーシアクアラルンプール近郊のセラゴール州セパンにあるサーキットである。

Sepang International Circuit頭文字をとったSICサーキット略称となっている。

MotoGPマレーシアGPが行われる。2017年まではF1マレーシアGPが行われていた。
 

略歴

1981年から2003年まで長期にわたってマレーシア首相の座についていたのはマハティール・ビン・モハマドexitである。マハティール政権は、インフラを整備する公共事業の一環として1997年11月1日に本サーキットの工事を始め、1999年3月9日に本サーキットを開業させた。サーキットデザインをしたのはヘルマン・ティルケexitである。

サーキット2021年現在政府を受けている。サーキット運営する企業は、マレーシア財務省直属の政府企業である。

ナイトレースの開催が可となるような照明設備の設置を計画している、と報じられている(記事exit)。日中にとんでもない暑さになるサーキットなので、ナイトレースになることは選手たちにとって好ましいことだろう。
 

F1

1999年10月に初めてF1マレーシアGPが開催され、2017年まで19年連続で開催を維持していた。

2018年からF1マレーシアGPが開催されなくなった。2016年頃はチケットの売り上げの減少やマレーシア内におけるテレビ視聴率の低下に苦しんでいたという(記事1exit記事2exit)。
 

MotoGP

1999年4月に初めてMotoGPマレーシアGPが開催された。1999年から2019年まで21年連続でMotoGPマレーシアGPが開催されたが、2020年コロナ禍を受けて開催中止となった。

2010年頃からマレーシアライダーの活躍が立つようになり、それに合わせて観客動員数が右肩上がりに上昇している。
 

SUPER GT(旧・全日本GT選手権)

2000年2001年2002年2004年全日本GT選手権と、2005年から2013年までのSUPER GTは、セパン・インターナショナルサーキットでの開催を年間スケジュールの中に組み入れていた。

2014年からSUPER GTマレーシア開催が消滅したが、2018年11月10日に、「2020年から3年間、セパン・インターナショナルサーキットで、ナイトレースの形式にてSUPER GTを行う」との発表があった(記事exit)。ところが2020年コロナ禍を受けて開催が中止となり、2021年の開催予定からも外れてしまった。
 

CEO

アズハン・シャフリマン・ハニフ

サーキットCEOは、2020年4月8日からアズハン・シャフリマン・ハニフ(Azhan Shafriman Hanif)exitという人が務めている。企業ペトロナスexitに務めていた人物である(記事exit)。
 

ラズラン・ラザリ

2008年10月8日から2020年4月8日までCEOを務めていたのは、ラズラン・ラザリRazlan Razali)という人である。詳しくは当該記事を参照のこと。
  

立地

セパン・インターナショナルサーキットはこの場所exitにある。
 

空港に隣接し、ホテルが多い

クアラルンプール地から南に40km、行政機関が集中するプトラジャヤexitから南に20km離れたこの場所exitに位置する。

サーキットのすぐ隣にはクアラルンプール国際空港exitがある(航空写真exit)。マレーシアの玄関口であり、東南アジアを代表する巨大なハブ空港exitである。ヘリコプター空撮で最終15コーナーから1コーナー方角を向くと、空港の滑走路が見える(画像exit)。多いときは10機ほどの飛行機が留まっているのを確認できる。

空港内にはトランジットホテル飛行機を乗り継ぐ客のためのホテル)が十分に確保されている。このため、「セパンサーキットは空港と多くのホテルの隣に位置していて非常に観戦しやすい」と言うことができる。日本北海道九州に住むレースファンにとっては、鈴鹿サーキットツインリンクもてぎに行くよりも遠征しやすいサーキットではないだろうか。

サーキットにおけるマレーシアGP(MotoGP)は、シーズン最終盤に行われることが恒例で、チャンピオンが決まったレースになりやすい。訪問しやすい場所でホテル確保も容易であるので、チャンピオン家族がよくやってくる。2012年サンドロ・コルテセexitそっくりの女性がいたし(画像exit)、2017年にはジョアン・ミル族が来ていた。

MotoGP運営であるドルナは、セパン・インターナショナルサーキットでレースをしたり合同テストをしたりする際、この場所exitにあるサマサホテルを借り切ることが恒例である。
 

アブラヤシの農場

マレーシアアブラヤシから採れるパームの輸出が多いであり、アブラヤシの農場が同徴の1つである。本サーキットの周辺にもアブラヤシの農場があり、サーキットすぐ北のこのあたりexitアブラヤシが等間隔に植されている。
 

最寄りの病院

サーキット事故が起こったら、ドクターヘリで患者を輸し、サーキットから北に37km離れたこの場所exitにあるマレーシア国立大学医療施設exitに搬送する(記事exit)。Pusatが施設、Perubatanが医療、Kebangsaan国立、という意味のマレー語である。

緊急性の低い患者は、サーキットから北に44km離れたこの場所exitにあるクアラルンプールスポーツ医療センターに行き、手術などの手当てをしてもらう(記事exit)。
 

緯度と気候

北緯2度45分のところにあって直下に位置する。全ての均最高気温が30度をすという常(とこなつ)の土地である(資料exit)。

マレーシアに限らず熱帯のに共通することだが、冷房を効かせることが富の徴と考える潮がある。空港などの施設の中は冷房がガンガンに効きまくっていて寒い。旅行の際にはジャケットを持っていきたい。

的な熱帯で、年間を通して降量が多く、植物がよく生い茂る土地である。クアラルンプールの年間の降量は2427mmで、東京の年間降量は1491mmであるから(資料exit)、クアラルンプール東京の1.6倍ほどのが降ると表現できる。MotoGPを開催する11月クアラルンプールにおいて最もの多いで、287.8mmの降量である。

ちょくちょくスコール豪雨)が降り、バケツをひっくり返したような土砂降りになる。このサーキットを多く訪れたジャーナリスト遠藤智さんによると、夕方の午後4時に決まってスコールが降るという。

マレーシア気温が高くも多いので、色んな生物がいる。セパンサーキットから北西に40km離れたこの場所exitに存在したシャー・アラム・サーキットexitに2mほどのトカゲ孔雀が出したという撃談がある。セパンサーキットにも大きめのトカゲが出てきたことがある(動画exit)。

海岸線から17km離れた場所にあり、海風は少ない。地形図exitを見てみると、サーキットの東側に大きい山が連なっていることがわかる。そういう土地は強が吹き荒れる可性がやや低い。

こちらexitこちらexitこちらexitが現地の天気予報となっている。
 

サーキットの施設

屋根

スコール対策のため、大きな屋根exitを設けてある。観衆の大歓がその屋根に反して、よくく。

バックスレート前とメインストレート前のスタンドにはバナナの葉exitを模した屋根がずらっと並んでいる。最終15コーナーにはマレーシアハイビスカスexitを模した丸い屋根がそびえ立っている。

こうした巨大な屋根を映すのがテレビ中継の定番である(動画exit)。車載動画でも屋根がよく見える(動画1exit動画2exit)。

マレーシア名物の凄まじいスコールをさんざん浴びたため、建造されてから12年後の2010年頃には屋根が老朽化していて、いくつかの部分で漏りがしていたという(記事exit)。
 

トンネル2ヶ所

4コーナー付近のこの場所exit地下道があり、それを通ってパドックトラックで進入することができる。その地下道の前には入場門があり(ストリートビューexit)、入ってくるトラックを管理している。

12コーナー付近のこの場所exit地下道があり、転倒したライダーはここを通ってピットに戻る。
 

1コーナーコース脇のペイント

2015年までは1~2コーナーの内側にマレーシア国旗exitの4色()を塗っていた(画像exit)。上からの映像を見ると、かなり広い範囲に塗装していたことが分かる(画像1exit画像2exit)。

このペイントの部分にマシンが転がり込んでもペイントが崩れない(動画exit)。人工芝か何かに塗装していたようである(動画exit)。

2016年exit2017年exitは、1コーナーコースにごく普通のグラベル)が敷かれるようになり、四色ペイントが行われなくなった。
 

3コーナーの外側の丘

3コーナーの外側に丘があり(航空写真exit)、マレーシア国旗exitペイントしている(動画exit画像exit)。丘の斜面のペイントなのでライダー線でも立って見える(動画exit)。
 

その他

バックスレートメインストレートの間は間があり(航空写真exit)、Mall Areaモールエリア)と呼ばれる広場になっている。レースが開催されるときには各メーカーのブースや売店が設置される。

サーキット内にヤシの木を植えて南気分を盛り上げている。2コーナーexit3コーナーexit4コーナーexit7~8コーナーexit10~11コーナーexit13~14コーナーexitの外側に、ヤシの木がずらっと並んでいる。

最終コーナーの外側に「H」と書かれたヘリポートが3ヶ所あり(航空写真exit)、駐機しているヘリコプターが映ることがある(画像exit)。
 

2016年の大改修

2016年2月から5月にかけてサーキット閉鎖され、修工事が行われた。

修を計画したのはヤルノ・ザッフェッリexit率いるドローモ社exitである。同社はアウトドローモ・テルマスデリオオンド修を手がけたことで知られている。

この修で、ドローモ社の提案を受けて実際に路面を敷いたのが日本道路exitである。日本道路1929年創業の道路舗装企業で、セパン・インターナショナルサーキットと契約を結んでいる会社である。
 

路面の全面舗装 排水性が悪くなった

路面が全面的にり直され、長年の使用で発生した轍(わだち)やバンプ起)やギャップ割れ目)がなくなった。また、それまでのセパンサーキットの路面はっぽい路面だったが、灰色の路面になった。

「排性の向上をした」とサーキット側は説明していたが(記事exit)、実際には排性が悪くなっており、路面がすぐにかないサーキットになった(記事1exit記事2exit記事3exit)。
 

最終15コーナーのイン側が1m盛り上がった

最終15コーナーイン側が約1m盛り上げられ、正正銘の逆バンクコーナーになった(動画exit)。これにより、高速コーナーリングが難しくなり、トリッキーコーナーになった。

F1ドライバーたちの評価は「あまり楽しいコーナーとは言えない」「意地悪」「いい感じではない」「不自然」「ヘンな感じ、奇妙な感じ」となっていて(記事exit)、いまいち評判がよくないようである。

この最終15コーナー修は安全のためバックスレートメインストレート速度を下げるためで、その的自体は達成され、2016年以降のラップタイムは下がった。
 

メインストレートに2種類の路面が混在する

先述のように、路面の舗装を行ったのは日本道路である。この日本道路道路に使うコンパウンド(化合物の意味。ここではアスファルトのこと)をうっかり間違えてしまったらしく、メインストレートに2種類のコンパウンドが混在することになった。

間違いに気付いたのは工事終了の直前で、日本道路は「再舗装させてほしい」と言ったが、2016年5月14日と15日に予定されているスーパーバイク世界選手権の開催が迫っていたので、再舗装することができなかった(記事exit)。

このメインストレートの状態が2018年11月もそのままになっていた。メインストレートの左側はに濡れたいウェットパッチがあり、メインストレートの右側は全にいている、という状態である(画像1exit画像2exit)。

いた状態でも、メインストレートにおける路面の違いがはっきりと分かる(画像exit)。
 

コース紹介(MotoGP)

概要

コース全長は5543mで、2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から2番の大サーキットである。コーナー数は15ヶ所で、2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から7番である。

長い直線2本と中低速コーナーで構成される。

まずは、なにはともあれ、長い直線の後にしっかりハードブレーキングできる体を作る。そのあとは9コーナーから14コーナーまでの高速区間をリズム良く走りきるようにマシンセッティングを変えていく。これがセパンにおけるセッティングの流れだという。

色んなところでアップダウンがあるサーキットである。F1のサーキット紹介動画exitでは高低差を視覚表示してくれている。3コーナーが最底辺だと分かる。また、Googleアースexitで路面にカーソルを合わせると右下に標高を表す数字が出るので、そうやって高低差を調べることもできる。

F1の開催を前提にして作られたサーキットであり、コース幅がかなり広い。このためライダーライン選択肢を広くとることができるが、最善のラインを選ぶのがかえって難しい。


2015年までは、路面に轍(わだち)やバンプ起)やギャップ割れ目)があるサーキットだった。F1が開催され、F1ハイパワーマシンによって路面が削られ、うねりや凹凸が多かった。

2016年修の直後は路面の凹凸が解消され、グリップの高いサーキットに生まれ変わっている。ただ、このサーキットは常の場所にあり季のテストに最適で二輪・四輪テストに多用される。四輪の走行によって路面が痛むのは必然であり、路面の凹凸が増えるのは時間の問題であろう。

こちらexitMotoGP公式サイトの使用ギア明示動画である。1速に落とすのは9コーナーのみとなっている。

なパッシングポイントは、メインストレートエンドの1コーナーexit4コーナーexit9コーナーexit14コーナーexitとなっている。

2015年まではバックストレートエンドの最終15コーナーexitもパッシングポイントだったが、2016年修によって最終15コーナーはパッシングしにくくなった。

青山博一が得意としていたサーキットであり、2009年には見事な勝利を収め、250ccクラスチャンピオン争いで大きく前進した。
 

スコール(豪雨)

が降り出すととんでもない量のが降る。ただし高温なので、晴れ間が広がるとテンポいていく。

このサーキットはいくつかの場所でアップダウンがある。先にくのはそういう起のある場所である。起のあるところのほうがが当たりやすく、きやすい。

2015年までのセパンの路面はっぽく、いているときも濡れているときもっぽく、いているのか濡れているのか判断しにくかった。

2016年修の後は灰色の路面になった。いた路面が灰色、濡れた部分がく見えるようになり、判断しやすくなった。

サーキットの路面は、多くのマシンがスリックタイヤで走ることで路面の掃除され、さらにいラバーゴムのこと。ブラックマークとも言う)がベッタリと糊のように路面の上に付着し、グリップがどんどん良くなっていく。

しかしながらが降ると、そうしたいラバーブラックマーク)が流され、空気中のを拾って路面に付着させ、さらには路面のアスファルト部に詰まっていた小さなが表面に浮き上がり、元通りのにまみれた汚い路面になってしまう。スコールが降った直後は路面のグリップが悪くなる。

また、豪雨によってコースの外からや土が流れ込むことがある。スコール後にコーナーアウト側を一杯使うライディングをすると、や土を踏んで滑ってしまう。
 

灼熱のサーキット

ほぼ直下に位置するので、高温多湿で灼熱のサーキットになる。暑さがライダー体力を奪い、タイヤスリップさせ、エンジンを苦しめる。

詳しくは、猛暑(MotoGP)の記事を参照のこと。
 

1コーナー~4コーナー

メインストレートは、最終15コーナー立ち上がりからずっと同じ標高だが、1コーナーの進入部分で1mほどぐいっと上り勾配になっていて、ブレーキングしやすいようになっている。

メインストレートエンドの1コーナー進入部分はMotoGP有数のハードブレーキングポイントになっている。

1コーナー坦である。この1コーナーマルク・マルケス奇跡的な転倒回避をしたことがある(動画exit)。

1~2コーナーは右~左の切り返しであり、スタート直後の位置取りが注される。1コーナーアウト側から進入すると2コーナーではインを突くことができる。1コーナーイン側から進入すると2コーナーではアウト側を回らされることになる。

左にぐるっとまわりこむ2コーナーライダーが沈んでいくようにみえるほどの急な下り勾配になっている(動画exit)。Googleアースで見ても、短い距離で標高が一気に減っていくことが分かる。

2コーナーを立ち上がった後は、下り勾配の中でマシンを左から右へ切り返す(動画exit)。大きく右にカーブしながら下り勾配が続く3コーナーになり、アクセルを開けてパワーを掛けていく。

1コーナーの一番高いところと3コーナーの一番低いところの標高差は16mもあり、5階建てビルと同じぐらいである。

3コーナーの中間地点が本サーキットの最底辺となっている(動画exit)。

3コーナー中間地点を過ぎると急な上り勾配に転じる。3コーナーの一番低いところと4コーナーの中間の標高差は16mもある。5階建てビルと同じぐらいの高さを一気に駆け上がっていく(動画exit)。

4コーナーはパッシングの多い場所である。4コーナーを過ぎた後もしばらく上り勾配が続く。
 

5コーナー~8コーナー

5コーナーの進入まではジリジリと上り勾配だが、5コーナーの進入から一気の下りになっていて、左に旋回しつつ、わずかな距離で4mも駆け下っていく(画像1exit画像2exit)。5コーナーではリアタイヤの荷重が抜けやすい。また、5コーナーアクセルを開けていくことはかなり難しいこととされる。

5コーナーを映すテレビカメラに、サーキット外の公道344番線exitを行き交うの姿が映ることがある(動画exit)。

ライダーたちは左に傾いたマシンを右に切り返して6コーナーに突入していくのだが、今度はグイッと上り勾配になっていて(動画exit)、わずかな距離で2mを駆け上がる。

上り勾配でアクセルを開けるのでリアタイヤの荷重が大きくなり、フロントタイヤの荷重が抜けやすい。走行ラインを少しでも外すと、スリップダウンの転倒やコースアウトの危険性が一気に高まってしまう。6コーナーでは丁寧なマシン操縦が要される。

6コーナーのあたりにショートカットがあり(航空写真exit)、ここからピットに戻ることができる。そのショートカットの横にはヘリポートがある(Hを○で囲んである場所)。

7~8コーナーexit鈴鹿サーキットデグナーカーブexitに似た2連続コーナーになっている。パッシングは滅多に起こらない。また、上下の勾配がない場所である。
 

9コーナー~11コーナー

8コーナーから9コーナーの間は短い直線だが、僅かに左へ曲がっている。そして、長い距離をかけて5mほどを駆け下っていく。

9コーナーは非常にパッシングが多い(動画exit)。進入は下り勾配で、脱出は上り勾配となっている。

9コーナーから14コーナーの高速区間はライダーたちに重要視されているようであり、ここを速く走ってバックスレートの加速につなげることがラップタイム向上のため効果的らしい。

左の9コーナーを脱出して、そこから右に切り返して右の10コーナーに入っていくのだが、9コーナー脱出から一貫して上り勾配である。9コーナー底辺から10コーナーの中間地点の高低差は8mもある。

緩い度の10コーナーを過ぎて、キツイ度の11コーナーへ入っていくが、そこでもまだ上り勾配であり、4mほどの高低差を駆け上がっていく必要がある。

サーキットの設計者はヘルマン・ティルケexitであり、それを思い出させるのが9コーナー以降である。10~11コーナーexit13~14コーナーexitがどちらもティルケお好みの『フの字形コーナー』になっている。

『フの字形コーナー』は、前半は緩やかな度でコーナーリングスピードが高いのだが、後半はきつい度になっておりコーナーリング速度を落とさざるを得ない。

前半は度胸を決めて勢い良くスピードを保ってコーナーに進入する、後半に向けて徐々にブレーキングして上手くマシンコントロールする、この相反する技術をめられる。
 

11コーナー脱出~14コーナー

11コーナーの中間地点まで上り勾配で、11コーナーの脱出地点から下り勾配が始まる。

11コーナーの立ち上がりは、次の高速S字にできるだけ速い速度で進入しようと考えるあまり、焦ってアクセルを開けすぎてリアタイヤが制御不能になってハイサイド転倒することが多い。

12~13コーナーは下りの高速S字で、ここに飛び込んで行くライダーの姿は格好いい(動画exit)。

12~13コーナーはかなり急な下り勾配を高速で飛び込んでさらに切り返す度胸試しのコーナーで、フロントタイヤの荷重が抜けやすく、フロントのチャタリングも出やすい。左の12コーナーの進入部分の標高は38mぐらいで、右の13コーナーの標高は32mぐらいである。


緩やかな度の右13コーナーの次に、キツイ度の右14コーナーが配置されており、『フの字形コーナー』になっている。13コーナー坦だが、14コーナーは短い距離で2mほど上り勾配になっている。


ロングストレートの前のコーナーではパッシングを仕掛けずに綺麗なラインを通りストレートでの加速に備える、という格言があるが、14コーナーはかなりの低速コーナーなので、その格言を破ってパッシングするライダーもいる。

14コーナーは各ライダーが同じようなラインを通るので、ラインを外れた外側はが積もっている。また先述のようにスコールコースの土が流れ込むもあり、コーナー外側にが多い。14コーナーラインを外れた外側は非常にdusty(が多い)でdirty(汚い)である。

14コーナーは左右のカント(傾斜)が付いていないフラットコーナーなので、タイヤへの荷重が抜けやすく、転倒しやすい。

2015年にはこの14コーナーヴァレンティーノ・ロッシマルク・マルケスの接触事件が発生した。いわゆるセパンクラッシュという事件である(動画1exit動画2exit)。コーナーの外側に押し出されたマルク・マルケスが転倒し、ヴァレンティーノ・ロッシレース後にペナルティポイントを課せられた。
 

バックストレート~最終コーナー

14コーナーは上り勾配だが、バックスレートは一貫して坦である。

バックスレートの横にはsupport paddockexitがあり、ピットとして使用できる。ただ、MotoGPでは使用されない。

バックスレートで先行ライダースリップストリームを嫌いマシンを左右に振る姿がたまに見られる。

後続のライダーが背後に付いてスリップストリームを使って加速してくると、先行のライダーは後ろに引っられるような感じになり、速が落ちてしまう。なぜそうなるのか原理は解明し切れてないが、ライダーの感覚でもデータ上でも明らか速が落ちる。

それゆえ先行のライダーは後続のライダースリップストリームを使われないように努する。背後に付かれてスリップストリームを使われるのを防ぐには、を澄まして、後ろのが右か左かどちらから来るか判断する。経験があれば判断することができる。右から来られたら左に、左から来られたら右に体を振るのである。

2015年までは最終15コーナーが最後の勝負所となっていて、ここを理に走るあまり悲劇的な転倒を喫するケースも多かった。

2016年修で最終15コーナーイン側が1m盛り上げられ(動画exit)、正正銘の逆バンクコーナーになった。これにより、攻めたいけれども攻め過ぎるとアウトに膨らんでしまうコーナーとなり、走りづらいコーナーになった。

ライダーの走行ラインもまさしくバラバラで、大回りするライダーもいるしイン側を小回りするライダーもいるという、統一的なラインが存在しないコーナーになっている(動画1exit動画2exit)。

最終15コーナーの立ち上がりはそこだけアウト側に舗装が広がっていて(画像exit)、他の直線部分にコース幅が広い。
 

2月のセパンテスト(MotoGP)

毎年2月の初旬に、セパン・インターナショナルサーキットでMotoGP最大排気量クラスの各チーム合同テストを行う。これをパンテストという。

前年11月初旬にMotoGPが終わってから3ヶぶりに行われるMotoGPの大規模イベントである。MotoGPファンにとっては「新年の始まり」「正月元旦」といった感じの催しとなる。

ライダーは3ヶの休み中にもモトクロスなどのオートバイにまたがってトレーニングを積んでいるのだが、そうしたマシンパワーが弱く、手の皮膚が鍛えられない。久しぶりにMotoGP最大排気量クラス4スト1000ccマシンに乗ったライダーたちは、手にマメを作ってしまうことが多い(記事exit画像exit

「本サーキットは直線が長いのでエンジンパワーを検するのに最適である」と思われがちだが、実際はあまりエンジンパワーの検に向かない。本サーキットは暑く、エンジンが高温になりがちで、エンジンパワーが低くなりがちである。「セパンテストでちょうどいいエンジンパワーだと思ったが、他の涼しサーキットにいくとエンジンパワーが強すぎることが発覚した」ということがありうる。そうなってしまったのが2015年レプソルホンダであり、この年のレプソルホンダは強すぎるエンジンに手こずった。マルク・マルケスも「セパンのコンディションは独特なんだ。本当に暖かい。15年にも、セパン(のオフシャルテスト)ではすごく速く走れたのに、他のサーキットではものすごく苦労したことを覚えている」とっている(記事exit)。

「セパンテストで一番時計になってしまうと、その年のチャンピオンになれない」という嫌なジンクスがある(記事exit)。暑すぎる環境で行われるセパンテストはとても特殊な状況下で行われるテストであるから、シーズンを占うものにはならない、という考えが成立する。

すでに述べたように、セパンサーキットに照明を設置してナイトレースを開催する計画が進んでいる(記事exit)。その計画が実現したときは、セパンテストに行われるようになるものと思われる。セパンテストの特殊性がいくぶん薄らいで、一年を占うことができるようなテストになるのかもしれない。
 

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