タラコ唇ワニタイム(Big Lipped Alligator Moment)とは、無意味で脈絡のないシーンの事である。
概要
由来はドン・ブルース監督作『天国から来たわんちゃん』の終盤にて唐突に始まるタラコ唇ワニによるミュージカルシーン。何の脈絡もなく、本編と一切関係なく、そのシーンだけ浮いていて終わったあとは誰も触れない。
海外の映画、特にアニメ映画においてはミュージカルシーンを多用するため、場合によっては話の構成と噛み合わず、いきなり登場人物が歌い出す意味不明なシーンに映ってしまうことも少なくない。
ミュージカルシーンはいわゆる見せ場でもあるので、そこだけ切り取れば演出的に高水準である場合も多く、それが余計に意味不明さに拍車を掛け、良くも悪くも視聴者の印象に残りやすい。
タラコ唇ワニタイムの一例
尺稼ぎに便利なので、構成の下手な映画が無理矢理ミュージカルシーンを捻じ込んで、タラコ唇ワニタイムを連発することも多々ある。しかし、タラコ唇ワニタイムがあるからといってクソ映画、クソアニメ等と断定するのは早計である。思わぬ名作の中にもタラコ唇ワニタイムが存在していたりもするのだ。
『ダンボ』のピンクの象
酩酊したダンボが目覚めると木の上にいた、というシーンは物語上重要ではあるのだが、その際に見た幻覚という設定で始まるミュージカルシーンは、本編とは全く繋がりがないのに非常にハイクオリティかつ狂気的で、ある意味ダンボを象徴するシーンとして語り継がれ、ニコ百でも「ダンボ」の記事を差し置いて「ピンクの象」の記事が作られる有様である。
『子猫になった少年』の覚醒シーン
主人公のエドモントが仲間達と共にトレーラー付きキャデラックで逃走する際の1シーン。
後ろのトレーラー部分に追っ手が張り付いている事に気付き、仲間のピーパーズはエドモントにトレーラーを切り離すように促すが、ヘタレのエドモントにはそれが出来ず、ピーパーズは「この意気地なし」と罵りながら自分でトレーラーを切り離そうとした。
ちょうどその時、追っ手がトレーラーのタイヤをパンクさせたため切り離されたトレーラーが暴走し、ピーパーズを乗せたまま給水塔に激突してしまう。
エドモントの悲痛な叫びと共にエドモントの瞳が拡大、その中をトンネルのように走りぬけるエドモント。
その中に広がる不気味な空間の中で、幽霊のような姿になったピーパーズに改めて「この意気地なし」と罵られ、唐突に現れた悪役達の幻影にも次々と罵られ、嘲笑われたエドモントはブチ切れて覚醒する。
この映画をレビューしたNostalgiaCriticは、この覚醒シーンがかなり唐突で不可解に映ったらしく、唐突なミュージカルシーンが多々あるこの映画の中で、あえてミュージカルではないこのシーンを指してタラコ唇ワニタイムと称している。
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