ダックテイルズ(Duck Tales)とは、ディズニーが制作したTVアニメーションシリーズである。
日本ではわんぱくダック夢冒険、ダックテイルというタイトルで放送・輸入されていた。
概要
ディズニーの大出世キャラクター、スクルージ・マクダックを主人公とするTVアニメ。
1987年から1988年にかけて制作・放送、日本への上陸はその後1988年から89年にかけてのことである。
スクルージが甥のドナルドダックからヒューイ・デューイ・ルーイを預けられたところから物語がスタートする。
ケチなスクルージは、自分に預けられた大甥の面倒など真剣に見る気もなかったが、一緒に暮らしていくうちに家族愛を芽生えさせていく。こうしてやがて、彼が大儲けよりも家族を優先するようになるという、人情味ある姿を描いていく。
スクルージ自体が一獲千金を夢見て冒険する趣味があるという性質から、普通の生活の中で起こるエピソードよりも、旅先での大冒険や大騒動というパターンのエピソードが多数を占める。
ディズニーのTVアニメーションでは恒例だが、本シリーズ独自のキャラクターも多数出てくる。
アヒル達が主人公という性質から、基本的にメインキャラクターは鳥類モチーフが多い。
老人が主人公という、今の日本ではまずウケそうにない内容だが、実はこの作品、80年代のディズニーTVシリーズでは最も成功した作品と言われるくらい、大人気を博した名作TVアニメである。
既存のディズニーキャラを用いたTVシリーズはすごいウケる、という法則を作り出したことで、その後チップとデールの大作戦などのアニメが生まれたり、他社も本作のコンセプトをパクって影響を受けたものを作ったほど。
総話数は100話と、人気に比して長大である。アニメーション制作は東京ムービー(日本のアニメ会社、ルパンのアニメなどでお馴染み)に外注され、彼等は前半を65話を担当した。
これがすごい人気を受けたため続編制作を考えたものの、既に業務提携が切れていたことから、残りの35話は韓国や台湾に移行している。そのため前半と後半とでは絵の雰囲気はやや異なる。
後に制作された数年ぶりの新作にして映画作品「ダックテイル・ザ・ムービー」では、また違う会社が担当しているようである。
ファミコン版
ニコニコ動画では、アニメ本編よりもファミコンのゲームソフトとしてかつて発売されたわんぱくダック夢冒険とダックテイルズ2のほうがお馴染みだろうか。
タイトルが違うのは、第1作目がテレビ東京で放映されていた時の邦題に合わせていたため。しかし続編はその後2、3年後に発売されることとなったため、タイトルが海外版に合わせられた。
ゲームの内容はディズニーゲーらしく完成度が高いが、ストーリーは結構適当であることでも有名。
2013年には「わんぱくダック夢冒険」のHDリマスター版「Duck Tales Remastered」がまさかの製作・発売決定。
HDリマスターと銘打ってはいるが、ゲームの中身はほとんど完全に作り直されている。
絵はドット絵ではなくアニメーションになっていたり、時間制が廃止されていたり、ライフに余裕が持てるようになったり、そもそもステージ構成も少し変わっているなどなど、これはリマスターというより完全にリメイクである。
最大の変更点はフルボイスの会話シーンが挿入されるようになったこと。声優はそのほとんどが、アニメ放映当時にそれぞれのキャラクターを担当した人物になっている。
ちなみに日本版の発売予定はない。しかしエピックミッキーも時間を置いて日本に上陸したため、本作もまったくその可能性がないわけではない。
その場合にローカライズされて吹き替え版となるかどうかは怪しいところ。
登場キャラ
日本語版には声優が2パターンある。
以下に示すものは主に前者がバンダイ版のわんぱくダック夢冒険、後者が現在お馴染のダックテイルだが、稀に新旧で変わらない人もいるので、その場合は一人だけ記す。
- スクルージ・マクダック(声・英:アラン・ヤング、日:内海賢二、北村弘一)
年老いていても主人公。本作品ではダッグバーグに住んでいる世界一の金持ちという設定になっている。スコットランド出身。ケチでがめつく、お金のプールで泳ぐのが趣味という典型的な守銭奴。しかし家族の危機には資材を投げ売る心意気も持つ。本作では自分の会社も経営しているが、よく遠出をする。金持ちであるため、家は豪邸で、執事やお抱えのパイロットなどがいる。一獲千金を夢見て古代の秘宝を探し回るという遺跡発掘家のようなこともやっている。 - ヒューイ・デューイ・ルーイ(声・英:ルシー・テラー、日:羽村京子・折笠愛・千原江理子、坂本千夏)
ドナルドが海軍入りを突然決めたため、スクルージの元に預けられたお馴染の甥っ子達で、彼等もまた主人公である。スクルージは彼等にとって大伯父にあたるが、ややこしいせいかスクルージおじさんと呼んでいる。最初はケチで、自分達の養育すらケチり気味なスクルージに反感を覚えていたが、次第に打ち解け、大伯父として慕うように。短編作品だと、いつもドナルドを酷い目に合わせてばかりだが、本作の冒頭ではドナルドとの別れを悲しむシーンがある。 - ダックワース(声・英:チャック・マッキャン、日:藤本譲)
本作品のオリキャラで、執事の犬。いつもツンとした表情をしている。執事としては優秀で、スクルージへの忠誠心はかなり厚い。甥っ子に対して始めのうちはちょっと冷たい態度だったが、少しずつ軟化していく。 - ウェビー・ヴァンダークワック(声・英:ルシー・テラー、日:天野由梨、遠藤勝代)
ビークリーの孫で、ヒューイ達にとってのヒロイン的な立ち位置。…なのだがヒューイ達とは遊びの趣味が合わないためか、いささかハブられ気味。女の子らしく、三つ子よりは賢明な性格。冒険少年クラブのメンバー。 - ベンティナ・ビークリー(声・英:ジョン・ガーバー、日:巴菁子)
ヒューイ達の世話役を務める高性能おばちゃん。世話役の使用人を尽く追い返していたヒューイ達をも黙らせる肝っ玉母ちゃん系キャラ。ウェビーがマクダック邸に住んでいるのは交換条件として自分の孫の同行を望んだため。 - ランチパッド・マクワック(声・英:テリー・マクガヴァーン、日:石丸博也、大塚明夫)
本作の癒しキャラで、モチーフはたぶんペリカン。スクルージに雇われているガタイのいいパイロット。しかしかなり間の抜けた性格をしており、雇い主のスクルージにはかなり煙たがられている。航空学校を出たと自称しているが、操縦の腕前はちょっと怪しく、乗り物なら何でも問わず危なっかしくなる。人気があったためか他作品にもゲスト出演した。 - ジャイロ・ギアルース(声・英:ハル・スミス、日:沢りつお)
おとぼけ科学者。彼の作る発明品はすごい効果を発揮するものの、どこかしら詰めが甘いという、アメリカのアニメにはよく出てくるタイプの博士キャラ。何かとその後の他作品でも重宝されている。 - ドナルドダック(声・英:トニー・アンセルモ、日:富山敬、山寺宏一)
世界中の人が知っている大スターアヒルだが、本作ではゲストキャラに収まってる脇役。自分に預けられた甥っ子をさらに他の人に預けるなんて、なかなか良い根性をしている気がする。海軍入りを果たすも、映像上ではいつも通りのドジばかりな毎日のようだ。…が、手紙では虚勢を張ってか「将来有望と言われた」的なことを書き記している様子。
関連動画
関連項目
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