ダム穴とは、虚無への入り口である。
概要
ダムとは、河川の水を貯留する治水用の調水施設である。
しかし、貯水量がある一定以上に達するとダムが決壊する恐れがあるため、それ以上水を貯めないように放水する機構が必要となる。ダム穴、すなわち「洪水吐(余水吐)」は、このうち自然に放水するように作られた機構のことである。
ダム穴が設けられたダムには、ダム底から巨大な排水口が想定水位面まで設けられており、その口の高さ以上に水位が達すると水が流入、川の下流へ排出される仕組みである。
排水量を高めるために朝顔(Morning glory)に似た漏斗状の排水口をもつことから、英語では「グローリーホール(Glory hole)」と呼ばれている。
湖面に唐突に開いている巨大な穴に、轟音ともせせらぎともいえない微妙な感じで水が吸い込まれていく光景は、見るものに恐怖感や不安感とともに異世界感を呼び起こす、井戸のような不思議な魅力を持っている。
ウォータースライダーを経験したことがある人なら思わず飛びこんでみたくなるかもしれないが、受水部があるとはいえダム穴はその規模よりも深いことが多く、また壁面に接触すると深刻なダメージを負う可能性があるため、間違ってもその気になってはならない。また滞留物が水質劣化を招く恐れもあるため、物を投げ込んだりしてはならない。
しかし物好きはいるもので、こういったダムの中にはダム穴観賞用に欄干などを設けていたりするダムもある。
ダム穴は非常にコストが安い自動排水方法であるが、調水以外の用途(水力発電等)に転用しにくいため、日本ではお目にかかれることは少ない。しかし、多目的ダムを建設しにくい地域では作られることがある。特に海外ではごく普通に建造されており、こういったダム穴を含む風景を愛する外人も多いようだ(おもにYoutubeで)。
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外部リンク
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