ダリオ・ブランドーとは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の登場人物である。
CV:矢田耕司【PS2ゲーム版】/小沢一敬(スピードワゴン)【劇場版】/宮澤正【TVアニメ版】
本記事では、同作第7部「スティール・ボール・ラン」に登場する同名のキャラクター「ダリオ」についても解説する。
名のるほどの者じゃありやせんがブランドーといいやす
第1部「ファントムブラッド」に登場。記念すべき第1話で登場しその第1話で死亡する。1827年誕生、1880年死亡の享年52~53歳。本編中で最大の悪役へと成長する「ディオ・ブランドー」の実父で、ジョースター家とディオの因縁を生み出した原因と言える人物。
イギリス・ロンドンに住む貧民層で、アルコール依存症のひげを蓄えた男。頭頂部は髪が禿げ上がり、右目側のおでこに傷の縫い跡がある。酒飲みゆえか歯が数本抜け落ちている。息子のディオは、醜くてずる賢い最低の父親だったと評する。
作中のナレーションでは19世紀の産業と貿易の発展により未だ貧富の差が激しいにもかかわらず「いつか金持ちと同じような暮らしができる」と嵐のような凄まじい渇きだったと解説されていたが、ダリオの場合は自分が金持ちでないことを理由に金持ちを恨み、かといって自分自身は金持ちになろうと努力はせず酒浸り。そのくせこすずるい性格で、行き倒れた貴族から歯医者に差し歯用として高く売るために前歯を引っこ抜こうとすらする。
ディオに言わせれば、「あいつの血がこの体に流れていると思うだけで気が変になりそうになる!」「あんなクズに名誉などあるものかァーッ!!」と非常に嫌悪されている。
作中の顛末
1868年、ジョースター卿が妻と生まれたばかりの息子ジョナサンを連れたロンドン旅行からの帰り道、雨による馬車の滑落事故にあう。ダリオはその現場に酒場の女を連れて偶然居合わせ、これ幸いと財布や結婚指輪などの金目の物を盗んでいく所だったが、意識を取り戻したジョースター卿は事故にあった自分を介抱してくれた命の恩人だと勘違いされる。
命を救った礼をするためにジョースター卿はダリオの名前を聞き、その後多額の礼金をダリオはもらい受ける。さらに、馬車の事故の際に盗んだ結婚指輪を質屋に流そうとしたが、有名な宝石商に作らせた物だった事で足がつき、警察によって逮捕される。
檻の中でジョースター卿と対面し、盗人であることがバレたダリオだったが、ジョースター卿はダリオの言った「貰った」というウソを本当の事だと言って庇い立てる。ジョースター卿は命を救ってくれた恩義と善の人になって欲しいという願いを込めて庇ったのだが、その気持ちはダリオには通じてはいないようだった。
その後、ジョースター卿の多額の礼金で酒場を始める(改心したか、警察の監視があるから盗みが易々とできない為商売を始めざるを得なかったか)ものの、商才はなかったようで店は早々とつぶれてしまう。女房にも苦労を掛けて先立たれてしまう。しかしダリオはこの状況も自分のツキに見離されたとしか思っていない。
1880年頃、ダリオは病に臥せる。息子のディオは賭けチェスの賞金などで生活費を稼ぎ、ダリオの為の薬を買うなどして面倒を見ていたが、薬を買う金で酒を買うようにDVを働き、さらに女房の形見のドレスを売って酒代に変えた事でとうとうディオの逆鱗に触れてしまい、食屍鬼街のワンチェンから病死のように見せる東洋の毒薬を買い、ダリオに服毒させる。
ディオに毒を飲まされいるにも気づかず、己の死期を悟ったダリオはジョースター卿に向けた手紙をしたため、自分の死後にディオの面倒を見てもらうようにした。頭のいいディオに「誰にも負けねえ一番の金持ちになれよッ」という遺言を残して死去。それは最期に父親らしい事をする為に起こした行動か、それとも金持ちになれなかった自分の復讐を託したのか、その真意は明らかではない。
ディオはひとりでも生きられるが、嫌悪する父親の「遺産」をあえて受け取り、利用できるものは何でも利用して誰にも負けない男になる事を目指すようになる。
1888年にディオは、ジョースター家の財産を全て乗っ取るために、病に臥したジョースター卿に飲ませる薬をダリオに飲ませた毒薬にすり替えて飲ませていたのだが、義兄弟として生活していたジョナサン・ジョースターが偶然ダリオの書いた手紙を見つけ、文面に書かれていた自分の症状がジョースター卿の症状と一致していることから、ダリオ、ジョースター卿と共に毒を飲ませている事に感づかれてしまう。ダリオは死後も息子ディオの人生を大きく妨害しているのだ。
「ジョジョ」最初の誤植?
「ジョジョの奇妙な冒険」は何かと誤植に縁があり、特に第1話の最終ページで出て来た「何をするだァーッ」は「、ジョジョ」を手に取って読んでみようと単行本第1巻を手にした読者が最初に出会う、誤植から生まれた迷言としてファンコミュニティを超えて語り継がれるほどの知名度を持つ(現在の版では修正済みとなっている)。
この誤植は週刊少年ジャンプ掲載時には「なにをするんだァーッ」と(「なに」が「何」になっている差異はあるが)文脈的におかしくない台詞となっている。これは、該当場面が赤と黒のインクで彩色されたパートカラーと呼ばれるページで、吹き出しの中が赤く彩色されており、白黒の単行本掲載時にこれを白色の吹き出しに修正し、その際に台詞の写植を張りなおす必要があったため、その過程上でミスが起こり、単行本の方でなぜか誤植が生まれるという事態が起きた(という説が有力である)。
その誤植が有名な第1話の中で、雑誌掲載時から単行本掲載時にひっそりと修正が加えられた台詞がある。それがこのダリオ・ブランドーの台詞だ。
修正前「どうせ歯を買えるのは貴族だしこいつも貴族だ!何が悪いだぜ!」
↓
「悪いだぜ!」から「悪いんだ!」に修正が加えられている。確かに「だぜ」だと文脈的におかしいのだが、この台詞の前にダリオは2~3回「だぜ」口調を使っているので、そういう口ぐせとしても捉えようはあるのだが、こちらの吹き出しもパートカラーで赤く塗られているので、写植の張り直し時に修正されたという事なのだろう。
Part7「スティール・ボール・ラン」に登場する「ダリオ」
Part1「ファントムブラッド」の世界とはパラレルワールドにあるPart7「スティール・ボール・ラン」に登場する、ダリオ・ブランドーと同名のキャラクター。「石仮面のない世界でのディオ・ブランドー」とも呼ばれるディエゴ・ブランドー(通称:Dio)の実の父親。ディエゴのブランドー姓は母親が名のったもので、ダリオのものではない。
頭頂部は髪を逆立てた金髪で、もみあげと顎髭は黒い。イギリスのとても貧しい農村の男で貧しい生活を続けているが、こちらのダリオも酒飲みで生活費を酒代に変えている為貧しいようだ。
19歳の女性と結婚しており一人息子(ディエゴ)を儲けたが、その貧困生活に疲れ果ててその赤ん坊を山の中に埋めて生まれなかったことにしようとした。だが、埋めた後で雨による川の増水で赤ん坊が流れ出し、母親は自分のやったことが間違いだという事に気づき、自分が名づけたディエゴを助けようとする。
一方のダリオは赤ん坊を助けないように妻を説得するが、酒をやめさえすれば多少生活に余裕ができる旨を妻が話した途端暴力をふるい、それでも川の中へディエゴを助けに行った事で「やっかい払いが出来てスッキリしたぜェェェ~ッ」と言い捨てて去るなど、こちらのダリオも性格は最悪。
その後、母親の働く農場の男の嫌がらせが原因(と信じて)で母親を亡くした後の成長したディエゴは、その嫌がらせをした男や、同じ農場で働く傍観していた同僚や農場の領主と一緒にダリオに対して復讐してやると誓いを立てるが、この時のディエゴは自分の実の父親の名前が「ダリオ」である事は知らなかった。
物語終盤、ファニー・ヴァレンタイン大統領が集めきった「聖人の遺体」を奪い返そうとするが見失ってしまったディエゴは、同じく遺体を目的にするホット・パンツが協定を結ぶ取り引きとして、スタンド「クリーム・スターター」が記憶している大統領と一緒にいるルーシー・スティールの臭いを使って、ディエゴの恐竜の嗅覚で追跡する代わりに、「聖人の遺体」をホット・パンツのものとし、それ以外の大統領の命や財産、権力などをディエゴの取り分とする事を持ちかける。さらにホット・パンツの取り引き材料として、ディエゴの父親の所在についての情報を提供する約束の際に、初めて「ダリオ」の名前が登場した。
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ディオ!てめ~ッ関連項目なんかどーーーやってつくったァ~~~ッ!!
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