概要
ニコニコ大百科:菌類 チチタケ |
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分類? | ハラタケ目ベニタケ科チチタケ属 | |
学名? | Lactarius volemus Lactarius→乳 volemus→掌の |
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ハラタケ目 Agaricales? | ||
このテンプレートについて |
きのこのどの部分を傷つけても、白色で粘性のある乳液が大量に分泌されるのが特徴。学名の"volemus"は、「すくった掌を満たすほど大量の乳が出る」ことを表しているといわれている。そもそもなぜ乳を出すのかはよく分かっていないが、虫に食べられるのを防ぐためともいわれている。
味には多少クセがあり、渋味もある。しかも、干魚のような強い臭いがあり、食感は「劣化したゴム」に喩えられるほどボソボソとしているので、一般的にはメジャーな食用きのことして扱われない。ただ、コクのある非常によい出汁がとれるという長所があり、一部の地域(後述)では他のどのきのこにも負けないほどの人気を誇っている。
栃木県民とチチタケ
栃木県と茨城県西部では「チタケ」の名で重宝されており、蕎麦やうどんのつゆに具として加えられる。特に「チタケそば」が有名。その他、炒め物・けんちん汁・天ぷらなどにも用いられる。
かつて栃木県の平野部には管理された雑木林が一面に広がっていたので、チタケが大量に採れたのだが、その平地林の開発によって収穫量が減少してしまった。そこで、他の県や中国から輸入して県内の需要をまかなっているのが現状であるが、中国産のものはあまりよい出汁がとれないという話もある。
栃木県民は福島県や茨城県、さらには遠く山形県まで遠征してこのきのこを求めるのだという。毎年あまりに大勢が押しかけるんで、「現地住民が栃木ナンバーの車と見るとタイヤをパンクさせて回った」という話もあるほどだが、当然そんな些細なことにめげる人々ではない。
チタケの穴場は家族にも教えないというので、そのためにお年寄りが1人で山に入って命を落とす事故も、栃木県ではよくあることである。
その他・豆知識
- チチタケの乳は天然ゴムと同じポリイソプレンを含んでいるので、この乳からゴムを作る研究がされてきた。分子の鎖が短いので、かつて試みられた時は失敗したというが、現在では放射線を当てることで長い鎖をつくり、弾力性を持たせることができるという。植物由来のゴムと異なり、アレルギーを起こす可能性のあるタンパク質を含んでいない点が長所。[1]
- 「チダケサシ」という草がある。チチタケを採集するときに手が乳で汚れてしまうのを嫌って、この草の細く硬い茎にバーベキューのように刺して持ち帰ったことから、その名がついたといわれている。
- ニコニコ生放送:運営NGワード一覧から「乳」が外れたので、以前よりチチタケを生放送に登場させやすくなったかもしれない(?)
関連動画
関連項目
脚注
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