チベット文字とは、ブータン・インド・中華人民共和国で話されるチベット語、ゾンカ語、ツァンラ語、シッキム語などの表記に使用する表音文字。
概要
ブラーフミー系文字に属する文字である。チベット文字独自の特徴として、母音文字が1種類 () のみである事、そり舌音を表すために既存の文字を裏返して新たな文字 ( → ) が追加されている事、また音節ごとに「ツエグ」と呼ばれる点のような記号 () で区切られる事等がある。
通常の書体では他のブラーフミー系文字と同様横線が書かれるが、横線のない「ウメー」と呼ばれる書体もある。また、他の言語を表記するためにチベット文字を元にして作られた文字としてパスパ文字がある。
文字の一覧
横に示したラテン文字は翻字であり、綴りと実際の発音には大きなずれが存在している。
子音文字 | |||||||||
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ka | kha | ga | ṅa | ||||||
ca | cha | ja | ña | ||||||
ta | tha | da | na | ||||||
pa | pha | ba | ma | ||||||
tsa | tsha | dza | wa | ||||||
zha | za | ’a | ya | ||||||
ra | la | sha | sa | ||||||
ha | a | ||||||||
ṭa | ṭha | ḍa | ṇa | ṣa |
子音文字+母音半体記号 | |||||||||
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a | i | u | e | o | |||||
ai | au |
母音半体記号を他の子音文字と結合する場合は、 を別の文字に置き換えて表記する。
子音の結合文字
子音が複数並ぶ時の文字として、文字の上に付く添頭字と文字の下に付く添足字がある。この中で の添足字は母音の長音化を表す文字として使用される ( kū)。
添頭字 (kaと結合した例) | ||||||||
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rka | lka | ska |
添足字 (gaと結合した例) | |||||||||||
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gwa | gā | gya | gra | ||||||||
gla | gha |
数字
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 |
参考文献
関連商品
関連項目
外部リンク
- Jomolhari (chrisfynn2) - チベット語フォント。上掲の文字画像はこのフォントに基づいて作成。
- Introduction to the Tibetan alphabet - Tibetan Art and Lettering - チベット文字の書き順の解説ページ。
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