テキストサイトとは、インターネット黎明期に流行したウェブサイトの形式(ひな形)である。
テキストサイトとバーチャルネットアイドルの成り立ち
企業ではない個人が立ち上げるサイトとして、イラストサイト、midiサイト、フリーウェア配布サイトなどはパソコン通信時代からの流れで存在したが、絵も描けない、プログラムの知識もない一個人がプロバイダ付属のウェブスペースや無料レンタルスペースを使ってウェブサイトを何の目的もなく立ち上げると、例えば「我が家の天使です!」の一文とともにペットや赤ちゃんの写真を公開するという「Webリソースのムダ」にしかならないサイトになりがちであった。が、その中でも「がんばれ!ゲイツ君」などのエッセイ、コラムや日記を主要なコンテンツとするウェブサイトが90年代中期から自然発生的に現れはじめた。
同じく90年代中期、クソゲーやバカゲーをおもしろおかしくレビューした「"FUNNY" GAMER'S HEAVEN」が開設され「フォントいじり」という流行を生み出した。(とは言っても要所でフォントを拡大する程度であった。色変えや極端なフォント拡大は後発の同じくクソゲーレビューサイト「A_Prompt.」に影響を受けた人が多いと思われる。)同サイトがテキストサイト界に与えた影響は大きく、個人サイトでもここまで面白いものが作れることを最初に証明し、影響を受けたサイトとしてFGHを上げるテキストサイト管理人も多かった。
99年1月20日に開設された「ろじっくぱらだいす」は非モテ、自虐ネタで人気を博し、現在のイラストサイトでよく見られる「Web拍手」の元ネタである「Web投げ銭」を提唱した。現在もコンスタントに更新されているテキストサイトの一つである。
時代は飛び、テキストサイトのカンブリア紀とも呼べるのは2000年代初頭の「侍魂」による先行者の紹介で、そのgifアニメ(悠さんという身元不明の人が作成)とツボをついた文章は多大な人気を呼び、多くの人々の腹筋を崩壊させ、多大なアクセス数を叩き出し、「侍魂」のフォロワーを多く生み出すこととなった。
また2001年2月14日には「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」が開設され、百獣戦隊ガオレンジャーレビュー、カルト宗教ネタ、カルト漫画の紹介、アニメのツッコミ、政治ネタなどの高レベルな面白オタクネタをコンスタントに更新し「侍魂」に比肩する人気を得た。その影響で「バーチャルネットアイドル」(以下VNI)という一つのフォーマットを生み出すこととなった。02年以降もVNIの勢いは右肩上がりに増していったが「侍魂」は02年頃から不定期更新となってしまった。豆知識としてちゆの開設日である2月14日を「ちゆデー」としてWebデザインをちゆと同じフォーマットにするという風習がVNIの間ではかつて存在した。
また侍魂フォロワーやVNIとは違った系譜でWebデザインに凝った「コジャレ系」という流れも存在したが、たいてい中身は普通の日記でWebデザインに凝ったあまりユーザインターフェースは著しく悪いサイトが多かった。ここからは何故かプロの物書きになる人間が誕生した。「コジャレ系」の代表は「神様家族」「グリーングリーン」のライトノベル作家、ノベルゲームのシナリオライターである桑島由一の「クリアラバーソウル」が上げられる。 また「ゼロの使い魔」や「ストライクウィッチーズ」の小説版などを執筆したライトノベル作家のヤマグチノボルは「Hexagon」というテキストサイトを運営し、サイト内コンテンツ「片桐彩子日記」や「ハイスクールはダンステリア」でバイク便ネタやときめきメモリアルのキャラ、片桐彩子のSSや萌え感情を綴っていた。
2chネットウォッチ板では「テキストサイトはここで語れ」というスレッドで日夜活発な議論がなされ、揉め事が起こると逐次スレッドが立てられウォッチされていた。そこから派生し「ダークマター」というサイトが開設されテキストサイト界隈の事件をまとめていた。現在よくあるスレッドコピペサイトとは違い、自分の言葉できちんと文章を書いていたことは特筆すべきであろう。
またテキストサイトの形態を取ってはいたが、ニフティのパティオ(フォーラムに当たる物)にその源流を持つ「真ザ・バトルウォッチャー」というサイトがかつて存在した。管理人の「哭きの竜」はインターネットが普及する前からニフティのネットバトルを観察してきた偉人(?)である。また1ch.tv騒動のバトルウォッチ関連の記事やチャンピオン粘着荒らし事件では精力的に活動した人物である。その活動は12年にも渡った。
「暇だ…2ちゃんねるでも潰れねえかな」とは書いたものの仮に2chが潰れるとして、すでに自分には2ch閉鎖騒動の記事は書けないと判断したバトルウォッチャーは、ニフティのパティオも、サイトも、2005年1月16日、完全閉鎖することを決めた。2chニュー速+には「ネットウォッチの先駆的存在「ザ・バトルウォッチャー」が閉鎖へ」というスレッドが立ったが、
- こんなサイトはじめて知った
- 初めて知った。ほんとどうでもいい
ネットユーザーは既にその存在を忘れられていた・そもそも知らなかったという人が多かった。
バトルウォッチャーの功績を称えるという意味でも「ちゆ12歳」が特別に記事を立てて紹介している。
ブロードバンドの普及とテキストサイトの衰退
03年以降、ADSLやCATVなどのブロードバンドが安価に家庭に提供されるようになると、ネットユーザーは一昔前では通信費がかかって手が出せなかったFLASH動画などの大きなファイルサイズを持つコンテンツも手軽に観られるようになれ、テキストサイト自体も飽きられはじめた。またブログブームが起き、ブログツールが無料で提供されるようになるとネットユーザーはブログで日記やエッセイを書き始めるようになった。テキストサイトのように「侍魂やちゆのように面白いことを書いてアクセスを稼がねば」という呪縛から解き放たれ、現在に至る。(一部のアフィリエイトサイトやスレッドコピペブログを除く)2011年現在、ネットユーザーの間ではTwitterが流行し、140文字制限という短文でコミュニケーションを取り、企業まで参入しているといった10年前のテキストサイトブームからは考えられない状況でネットを楽しんでいる。
更に深く知りたい人は
WebsiteMAP βVersion テキストサイトの歴史
関連項目
関連書籍
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88


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読み:テキストサイト
初版作成日: 10/08/29 14:19 ◆ 最終更新日: 11/10/07 05:58
編集内容についての説明/コメント: バトルウォッチャーについて記述/少し修正
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