テナガコガネとは、
ここでは2.について解説する。
概要
東南アジアの照葉樹林を中心に分布する大型のコガネムシの仲間。テナガコガネ属ヒメテナガ属クモテナガ属の三つの属に分けられる。
オスの前足が非常に長くなるという特徴からこの名がついた。
成虫は夜行性でカブトムシのように樹液を食物とする。幼虫は大木の洞の中に溜まった腐植質を食べて育ち大型の種では成虫になるまでに2年近くの時間を要する。また、蛹になる際には洞の内壁を削り蛹室を作る。
飼育について
現在日本ではテナガコガネを飼育する事はできない、唯一の国産種であるヤンバルテナガコガネは国の天然記念物に指定されており採集飼育が禁止されている、外国産の種も外来生物法により国内への持ち込み、運搬、売買が禁止されている。ちなみに外来生物法以前にも植物防疫法という法律により国内への持ち込みが規制されていたが、この法律では飼育や売買を明確に禁止していなかった為、多くの個体が密輸され日本国内で飼育されていた。ちなみに現在の植物防疫法においてはテナガコガネ亜科の昆虫たちは輸入可能種となっている。(もちろん外来生物法があるため輸入できない。)
以下に記述する飼育方法は外来生物法により規制される以前、テナガコガネ愛好家たちが確立させたテナガコガネの飼育方法である。
産卵
大型のケースに昆虫マットを大量に入れ、転倒防止の止まり木を入れる。そこにオスメスのつがいを入れれば交尾、産卵をしてくれる。成虫のエサは市販の昆虫ゼリーを使う。
しかし、孵化率が悪く半分近くの卵が死んでしまうこともある。また孵化した幼虫も消化器官の能力がカブトムシなどと比べて低いため、栄養価の高すぎるマットでは死亡しやすい。
こうした死亡を抑えるために添加剤の使われていないマットを使用するという対策を行う飼育者もいたようだ。
幼虫期間
幼虫はカブトムシの幼虫によく似た形態をしており、エサは成長段階に合わせた物を食べさせる。
卵から生まれた初令幼虫には無添加の発酵マット、順調に育ち2回の脱皮を済ませて三令幼虫になった個体の飼育容器には、クワガタの産卵などで使う産卵木を埋め込むようにする、こうする事で自然界に於いては洞の内壁に作られる蛹室を作る場所を用意するのだ、産卵木を入れない場合、蛹室は容器の壁面に作られる事が多く観察しやすくなるが、羽化不全になるリスクが高まるようだ。
羽化
蛹の期間を経て羽化した個体はしばらく蛹室の中で過ごした後、自力で蛹室を脱出し活動を開始する。こうなると繁殖活動を行えるようになる。人の手で蛹室から出した場合はエサの食べる量などが繁殖の目安となる。
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関連項目
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