テンジョンニュースとは、1981年から1987年までに起こった韓国の偏向報道である。
概要
1980年、韓国政府は言論統廃合によって、報道機関は統合、廃止、公営化されてしまい、放送業界は政府や軍部に監視されることになった。
そんな状況を迎えた1981年に軍部の指示によって、韓国放送公社(以下KBS)と韓国文化放送(MBC)のニュースも変わり始めることとなる。
内容
KBSのメイン番組である「KBSニュース9」は時報とともに最初は「全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領は」と続く、全斗煥大統領に関するニュースを流していた。ニュース内容は大統領の外交、政治からネタが無い時は視察やどうでもいいささいな内容まで様々であった。テンジョンという言葉は時報音の「テン」と「全(チョン)」を掛け合わせた言葉である。あれ?これだと北の将軍様の報道体制と同じじゃね?
MBCも1980年の言論統廃合によって、事実上の公営化になってしまったので軍部の指示を守らないといけなくなり、全斗煥に関するニュースを流していった。
次第にKBSとMBCの大統領賛辞のニュースは激しくなる。KBSが大統領専用の編集室を作るとMBCも真似て編集室を作るほどであった。ある時は大統領に関するニュース映像が来ないのでやむなく2番目のニュースを流し、大統領に関するニュースを2番目に流したら、重大な放送事故扱いとなり、担当記者が減給と左遷になった。また選挙の時期になると与党有利、野党不利の報道体制を敷くこともあった。
こうなってくると国民も黙ってはいない。KBSはCM料と同時に受信料を払うシステムであったので国民は受信料納付拒否運動を開始し、1984年が1148億ウォンだったのが1988年は785億ウォンになってしまい、民主化した1987年以降もKBSに大きく影響を残す結果となった。
1987年の民主化宣言でこの報道体制は終焉となるが、韓国史にとっては重大な汚点を残す結果となった。
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関連項目
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