ディアブロスとは、モンスターハンターシリーズに登場する大型モンスターである。
飛竜種に属し、「角竜」の異名をとる。
名前の由来はギリシャ語の「Di(2の意)」+ラテン語で悪魔を意味する「Diabolus」から。
概要
飛竜種 | |
---|---|
ディアブロス | |
別名 | |
通常種 | 角竜 |
亜種 | 黒角竜 |
二つ名 | 鏖魔 |
登場作品 | |
モンスターハンターのモンスターテンプレート |
全長20mを越える堂々たる体躯と、その異名が示すとおりねじれた太い2本の角、ハンマーのように凶悪な突起がついた長い尻尾を持つ飛竜。
翼はついているが滅多に飛ばず、普段は砂漠地帯の柔らかい地面を掘り進んで移動する時に用いられている。
実在した恐竜「角竜類」のような襟状に発達した頭部の装甲、及び背中から尻尾を覆う黄土色の甲殻は頑強。
黒い甲殻を持つ個体は繁殖期に入り気性がより荒くなっているメスである。ギルドでの呼び名は「黒角竜」。
漫画雑誌「電撃マ)王」とのコラボレーションにより、片側の角が最初から折れている突然変異種、通称ディアソルテがMHP2より登場している。こちらから作られる防具は朱色。
ガノトトスと同じく尻尾の当たり判定が異常と称されていたモンスターの一匹。MH3では改善された。
数いる飛竜種モンスターの中でも指折りの実力と危険性を持つ強大なモンスターであるが、こんなナリして草食である。
外敵と戦うのは純粋に縄張り争いおよび防衛のためだけで、自分から捕食のために他の生物を襲う事は無い。ハンターとの戦闘中に疲労した時も、捕食ではなくサボテンを食べに行く。
その重厚な甲殻から作られる防具は生半可な攻撃を通さない強力なものであり、重さ故か飛竜の羽ばたきによる風圧にも耐えうる。
自慢の角は防具の飾りやランスの材料に、尻尾はハンマーの材料になる。
が、図体の割にはドケチなのか、剥ぎ取り回数が本体3、尻尾1と少ない。これはリオレウスなど、中型の飛竜種と同じ数字である。近縁種のモノブロスは本体4回・尻尾2回剥ぎ取れるのだが。
初代からMH3Gまでリオレウスとリオレイアに並んでシリーズ皆勤賞を誇っていたモンスターであったが、MH4での登場はならなかった。しかし、続くモンスターハンター4Gでようやくの復活を果たしている。
MHXではまた未登場に終わったが、その続編であるMHXXにて再登場と相成った。
さらに目玉要素とも言える“二つ名個体”も存在しており、本作においてはMH4G以上にこのディアブロスという種自体が大きな注目を集める機会が与えられている。
戦闘能力
MH~MHP2G
縄張り意識が強く、極めて好戦的で凶暴。炎や毒を吐くことはなく、自慢の尻尾と角を武器に暴れまわる。
巨体のわりに突進速度は速く攻撃力も高く、なおかつ狙いが正確なため中途半端な距離にいるとまず轢かれる。
また地中からの急襲攻撃といった搦め手も用いる。
加えてその咆哮には気絶判定があり、何度も受け続けるとピヨる事がある。
しかし地面にもぐっている時に音爆弾の爆発、狩猟笛の高周波が近くで起こると自分の掘った穴にハマって動けなくなったり、突進している時壁にぶち当たると角が突き刺さって冷や汗を垂らしたり、といった愛嬌もある。
だが音響効果は怒り時には全く効かず、それどころか作品によっては飛び出す位置がリセットされるため面倒なことになってしまう。怒り時に音爆は投げないよう注意したい。
角は圧し折ると壁に刺さらなくなるので、場合によっては角破壊を遅らせるのもいいだろう。
閃光玉で目が眩んでいる状態では尻尾をクネクネさせて威嚇を繰り返し弱点を庇う。
うかつに尻尾の下に入るとガリガリ体力を削られて危険なので注意。
尻尾回転の時の荒削りな当たり判定も、比較的やわらかい足を攻撃しているプレイヤーにとっては非常に厄介。
怒るとただでさえ高い攻撃力がさらに高まり、動作も速くなるので手がつけられない。
しかもダメージが蓄積するとより早いサイクルで怒るようになる。
それでいてHPもとても高くタフなので、初代MH、MHG、MH2のオンラインではリオレウスたち一般飛竜とは比べ物にならない強さを誇った。
更に攻撃力体力が高い亜種は、当時MHで最も凶悪なモンスターとも言われたほどである。
初代MHPでも集会場の緊急クエスト「四本の角」でプレイヤーの前に立ちはだかる。
あまりに高すぎる体力からトラウマになった人も多い。
昔は水でドス以降は氷が弱点。火以外なら他の属性もそれなりに有効。喉と尻尾の付け根が柔らかいが、体高があるので長い得物でないとあまり届かない。脚がさほど堅くないので転倒を狙えるのが幸いである。
ほとんど砂漠の中にもぐっているのでペイントボールは必須。もしペイントをしないまま逃げられたら、運が悪いとあの広大な砂漠を10分くらいさまようことになる。
その暴君ぶりのわりには、主食はサボテンや木の実などである。その食生活のどこからあんなパワーが出せるのか。
MH3~MH3G
以前は突進と地中からの急襲くらいしか攻撃パターンがなかったが、MH3からは攻撃レパートリーが大きく変わった。
突進の早さもMHP2G以上に早くなり、砂煙をあげてハンターを追尾する姿は迫力満点。
MH3に亜種がいたらもう姿が見えなくなるんじゃないかとも言われていた。
地中からの急襲には従来の方法だけでなく、いったん地面を揺らしてから勢いよく飛び出してくる急襲方法が追加された。かなり遠くまでジャンプで飛んでいくので所見で驚くプレイヤー多数。
地中移動時には震動が発生するので、そのまま追撃を喰らってしまうことも。
このように恐ろしく強化されたが、疲労状態では音爆弾の有効時間が延びたり、突進の突き上げ時に大きな隙を見せたりベリオロス並みに弱体化してしまう。
他にもMH3からは落とし穴に引っかかるようになったり、尻尾の当たり判定が削除されたり地味な部分にもテコが入れてある。
MHP3で亜種が復活して、昔のような脅威を見せ付けると思われていたが、MHP3ではモンスターはライトユーザー向けの控えめな攻撃力になっており、多くの古参ユーザーを落胆させた。
あまりに弱すぎたのかMH3Gでは超絶強化。
通常種はホーミング突進の復活。亜種は震動からの突き上げコンボを繰り出してくるようになった。
前者はまだしも後者は意図的なコンボとなっているので、耐震を付けなければよけるのは難しい。
G級の攻撃力補正もあって、防御が高い剣士であっても最大までHPがないと即死のダメージとなっている。
もともとスピードが早いディアブロス亜種にこのコンボは正に鬼に金棒。またもや凶悪モンスターに返り咲いたのだった。
MH4G
MH4では砂漠マップが無いため登場せず、MH4GのG級解禁に伴って砂漠マップが復活したことにより通常種/亜種ともに復活。
OPムービーでは砂漠を暴君の名にふさわしい佇まいでセルレギオスと対峙している。
MH3Gに猛威を振るった震動からのコンボは無くなり、また同時に復活を果たしたモノブロスとの明確な差別化を図るためか突進を多用するようになった。一方で今作では角が壁に刺さると地面に潜って逃れるという動きを獲得している。
相変わらず攻撃力が高く、特に怒り状態になると更に激化、素早さも大きく上がるためこれまで同様苦しめられるモンスター筆頭と言える。
当然ながら乗りシステムにも対応しており、背中に乗る事ができる。背中には硬い背甲があるのでこれを破壊するのにも役立つ他、攻撃チャンスを作る事が重要なディアブロス戦において大きなダウンを奪えるため重要度は高い。
乗ると身体全体を揺すって暴れる事があるが、怒り状態の時に乗るとこの暴れのスピードも上昇する。見てると首がもげるんじゃないかと思えるほどの激しさでぐわんぐわん暴れるのだが、怒り暴れだとしがみつくのが難しくなる等といった事は無いので、ハンター的には暴れ動作の終了が早まってむしろ助かる。
これまでのメインシリーズでは非常にタフで、更に頭の位置が高く角が折りづらいためレア素材である「大地を穿つ剛角」の入手難度が近接武器だとべらぼうに高かったが、今作では頭の肉質が柔化したため角の破壊が容易になった。
またモンスター固有の基本報酬でも出現するようになったのでこれまでよりかは幾分入手難度が低めである。
狂竜化・極限状態
MH4から登場している狂竜症はディアブロスも当然ながら発症し、特にこの通常種においてはその上の極限状態になる個体も存在する。
狂竜化は不安定な緩急や一部の肉質変化に留まるのみで、平常時に通じた足止め手段などは全て通用するので劇的に強くなる訳ではないが、極限状態は話が大幅に異なってくる。
極限個体はモーション自体が通常個体とは大幅に変わり、3Gの頃に苦しめられた超絶ホーミング突進の他、振動でふらつかせて即地中飛び出し突進と言うコンボも復活。
ディアブロス亜種やモノブロス・モノブロス亜種などに見られた特有行動も当然のように全て使いこなし、まさしく暴君と化す。
そして何より辛いのが、極限状態モンスターの特徴として罠・閃光玉・音爆弾の類が一切無効であるという事。
ディアブロスの地中潜行を妨害する手段として音爆弾が古くから用いられてきているが、それが無効にされるため、極限ディアブロスは極限状態を解除しない限り、潜行を妨害する手段が一切ない。
さらにさらに、ディアブロスはギルドクエストにも登場するのだが、未知の樹海フィールドのうちディアブロスが出没するのは細かい段差・傾斜・流砂など戦いにくい要素てんこ盛りの砂洞窟フィールドと崖登りアクションを挟まないと登れない段差が多数ある砂地フィールドの2つのみ。
従ってディアブロスのギルクエは必ず2マップ以上が上記のフィールドのどちらかになり、ディアブロスとは必ずそこで戦う事になる。ダイミョウザザミのように森の中の平地フィールドにも出てくるなんて事は一切無い。
極限ディアブロス自体が相当な難敵であるが、ディアブロスそのものと戦うフィールド自体がもう既にハンデのようなものである。
ディアブロスはギルクエの報酬の質も量もトップクラスに多いのだが、生半可な腕では倒しにくいを通り越して生半可でなくても倒せないので、好んでディアブロスのギルクエをまわす人は少ない。
…のだが、紳士に大人気のキリンシリーズの見た目の発掘防具を探す場合、通常種以外だと報酬の質も量も微妙な上に必ず単体クエになるゴア・マガラしか選択肢が無いので、上級紳士は泣く泣くディアブロスを狩り続けるのであった。
MHXX
4Gの時と同じく上位個体とG級個体が登場。
どちらも細かい部分を除けば以前とほとんど動きは変わらないので、慣れた人ならさほど苦戦はしないと思われる。
しかし、本作におけるディアブロスの真骨頂は後述の二つ名にあり、そちらでは今までとは比較にならないほどの強化が施されている。
二つ名個体
MHXXにて追加されたディアブロスの二つ名個体。
本種は通常種も亜種とも違って頭部から背中にかけての甲殻の一部、そして両翼が青みがかった体色に変化しており、その中でも最大の特徴といえるのが歪に変形した左側の角で、先端部分はまるでトライデントのように三叉に分かれたものになっている。
これは一度何者かに折られた角が再生の際に微妙に変形してしまった結果こうなったものとされており、その時の経験のせいか性質が亜種以上に凶暴化かつ強大化しているらしく、狩猟に向かったハンター達を悉く返り討ちにした事から“皆殺しの悪魔”、すなわち“鏖魔(おうま)”なる恐ろしい異名が付けられている。
龍識船の隣に接舷されている酒場船のマスターおよびバーテンの二人もまたかつてはハンターだったがこの鏖魔との戦いに敗れて引退に追い込まれた人達であるとの事。
発売前のPVでも大々的にその存在がアピールされており、事実上MHXXにおけるメインモンスターであるバルファルクに並ぶ“二つ名モンスター”の代表格として非常に大きく扱われている。
出現条件も少々特殊で、他の二つ名モンスターのように通常種を倒せばすぐに登場というわけではなく、まず本作で追加された新二つ名モンスター全てと一度戦った後でラスボスを倒して初めてこの鏖魔ディアブロスの狩猟が解禁されるという仕組みになっており、しかも戦闘BGMも他の二つ名モンスターと違って専用のものが2つも与えられている。
戦闘パターンは従来のディアブロスのものに加え、何度も角を地面に突き刺すかのような直接刺突攻撃や尻尾をハンマーのごとく地面に叩きつけて大岩を弾き飛ばしてくる攻撃を繰り出してくる。
何より凄まじいのが咆哮直後に行ってくる突進攻撃で、かなり遠くまで響き渡る咆哮でハンターの動きを止めた後、ハンターが動けるようになる前に超高速で突進をぶちかましてハンターを轢き殺そうとする。旧作のそれと違い、咆哮が終わると同時に軸合わせと予備動作を行うため、まともに咆哮を受けるとまず避けられない。このため鏖魔との戦闘では高級耳栓の有無が生死を分ける事も多々ある。
ある程度ダメージを与えていくとまるでティガレックスのように全身に血管が浮かび上がってさらに凶暴化、この時の鏖魔は“暴走状態”と呼ばれ、戦闘能力が格段に向上する。
暴走状態においてはハンターに向かって飛び上がったかと思いきや体をドリルのごとくひねりながら大地に突っ込んでそのまま潜り込んで行くという潜行と攻撃を兼ねた新技を行使するようになる。
そしていよいよ戦いが佳境に入るとさらにその禍々しい体色が広がった“狂暴走状態”に移行し、BGMも変化する。
この形態になると上記の全戦法をより高速かつ変則的に連発するようになる他、咆哮直後の突進攻撃はなんとUターンしてまた追撃をかけてくるようなったり、角にパワーを貯めてからそれを地面に盛大に突き立てて体をひねるように一回転して周りを薙ぎ払った後にもう一度角を突き刺して来るといった新たな派生技も使うようになる。
加えて体温が極限まで上昇しているとされ、ジャンプ攻撃や突進攻撃の直後に体から発生させる大規模な水蒸気爆発によって辺り一面を吹き飛ばしてしまう大技まで追加されている。
反面、狂暴走形態は既に体力が限界を迎えつつある状態である事に加え、身体の一部の肉質が大幅に軟化して防御力が低下し、敵の攻撃が通りやすくなるという問題を抱えている。
各種水蒸気爆発の後は確定で隙が生まれるため、これを凌ぎきればピンチをチャンスに変えられるだろう。
MHF
MH2続投組。
かつてはディアブロスを尻尾ハメできるようになったら一人前の弓使いとされていた。
また、亜種は死神という2頭クエストが狩人祭のボーナス試練ネタになっていた。
原種はMHF-G3(2013/12/4)でG級対応。難易度は★4。
サイドタックル時に砂の波が発生する。
新技は咆哮を行ったあと跳躍と同時にそのまま潜り、ダイミョウザザミ特異個体のように勢い良く飛び出してくるというもの。
跳躍時に砂の波が発生するが、近くに居るとこれにあたっても吹っ飛ぶ。
使用後は確定で威嚇。
亜種はMHF-G8(2015/9/16)にG級対応。難易度は同じく★4。
後方狙いの尻尾薙ぎ払い時にかなり遠くまで届く砂の波ができる(尻尾を切断するとただの尻尾薙ぎ払いとなる)、
砂を撒き散らしつつ潜行し激しい勢いで出現、その勢いで空中に大量の礫を発生させる(パリアプリアなどのものと同様連続ヒットで気絶する)という新技2つを持つ。
また、MHF-G6.1(2015/2/18)にヴァルサブロスという火山地帯に進出したディアブロスの近縁種が登場。
元々は砂漠に住んでいたらしいが過去に起きた大干ばつの際に大好物のサボテンを求めて火山に移住したようだ。
余談だが、MHFではランク違いやHC素材のおかげでディアブロスの角素材のバリエーションがとても多い。
最初のねじれた角から○○なねじれた角となったり、一周して「超・ねじれた角」となったりしている。
特異個体
原種はシーズン8.0(2010/4/21)から、亜種はフォワード2(2011/9/28)から登場。
ちなみにシーズン7.0から原種の最初期特異個体が一部クエストに登場していた。
原種
最初期の特異個体メンバーのうち一体。ドドブランゴ、リオレイア、リオレウスとともに剛種適正試験の討伐対象として実装。
初期実装特異個体のためかG級ではこの四体は全てHC化できない。
この頃の特異個体はモーション間の連携が増えたりエフェクトが追加されていたりだが、
ディアブロスも例にもれず突進から尻尾回転や尻尾振りやタックルに繋げて来たり、
突進後に行う角突きをその場でも行ってきたりする。
また最大の違いはあなをほる攻撃の後に大量のじゃがいもがぽこじゃか沸いてくるというもの。
面白いほどに飛び出してくるのとほかの初期特異個体も岩で強化をしてたため「運営は困ったら岩エフェクトをつける」とネタにされていた上これらの特異個体は軒並み不評であった。おかげで後々の特異個体が良コンテンツになったとも言えるが。
この岩はガード方向も一定しないため初期特異個体の中でも最も嫌がられているのがディアブロスと思われる。
亜種
目が青くなり角も左右非対称になったディアブロス亜種。見た目がさらに悪魔的になっている。
こちらは特異個体の方向性が決まったためか純粋な強化になった。
角と尻尾を振り回す攻撃、遠くまで突進しながら大ジャンプアタック、吹っ飛び判定ありの咆哮、強振動効果を持つ潜行といったオリジナル技だけでなくなんと特異個体モノブロスの技も使ってくる。
MHG系亜種特異個体にしては追加技が非常に多いのが特徴。耐震2、超高級耳栓、龍風圧無効がないと苦戦すること間違いない。
親戚
ディアブロスに似たような行動パターンと生態を持つ飛竜種にモノブロスがいる。
彼の場合鼻先に螺旋を描く一本の角を持ち、尻尾は釘バット状になっている。
能力的にはディアブロスを一回り以上弱くしたようなモンスターだが、若干報酬がディアより高い時期があったり、無印時代から多くの逸話を持っていたり、剥ぎ取り回数が1回多かったり、と微妙に優遇されている一方、登場作品はディアブロスより少なく、更にオフラインクエスト、もしくは一人専用クエストでしかお目にかかることはない。
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