「なに?」
「なんだ? あれは? まさか? 手? 手なのか?」
は は は は は は は は は は は は
「ユーリスディス・シニストラ・ディキトゥス」「リーベルダス・デクストラ・ディキトゥス」
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ディキトゥスとは、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム鋼鉄の7人』に登場する変態可変MSである。
概要
木星帝国が開発した、新総統「カリスト兄弟」用MSである。
クロスボーンX2からのデータで作られた、木星ファーストガンダムこと「アマクサ」はクロスボーンガンダムの性能を木星の技術で再現すべく作られたが、こちらは更に踏み込んで木星技術でアレンジする事で性能向上を捗る次世代MSとして開発された。地球侵攻に使用していたMS「コルニグス」とは兄弟機のような関係だが、こちらはカリスト兄弟が設計から深く携わっている。ディキトゥスが機体の正式名だが、2機存在し、兄「光のカリスト」が駆るユーリスディス・シニストラ・ディキトゥス(正義さす左指)と弟「影のカリスト」が駆るリーベルダス・デクストラ・ディキトゥス(自由なる右指)という総統用の称号を持つ。
強力なスラスターを用いた高機動・Iフィールドを駆使した防御力・出力の高いビームによる攻撃力と「木星版クロスボーンガンダム」の完成系と言える性能を持ち、その性能は本時代に於ける地球製MSを遥かに凌駕するが、複数の顔が付いたような左右非対称な見た目、変形すると「手」その物になる可変構造と、その見た目はクロスボーンは愚か既存のMSから大きく離れた異形な物となっている。
MAに変形すると四指から形成された前面に強力なIフィールドを張る事が可能となり、ミノフスキードライブの光の翼を無効化し、ヴェスバーを完全に防ぐ程の強固さを誇る。旋回能力は量産型F91の最大稼働モードに追いつけるほどであり、重装甲MSにしがみついて握り砕く程の手としての握力まで持つ。その圧倒的戦闘能力で、「神の雷作戦」を防ごうと木星に強襲を仕掛ける「鋼鉄の7人」をたった2機で半壊に追い込み、木星兵士は総統の戦いに介入出来ないと静観した。
弱点は「前面にIフィールドを集約しているため、背後からのビーム攻撃に弱い」という点だが、現時点でディキトゥスの背後を取れる機動力を持つMSは存在しないとされていた為設計上問題無いとされていた。
このような高性能な性能を持ちながらも、それだけの機能を持たせられるならば別に「手」に変形する意味合いは全く無いのだが、そこに設計に深く関わったカリスト兄弟の歪んだ精神性が垣間見れる。
劇中の活躍
「鋼鉄の7人」の切り札であったイカロスが装備する「光の翼」特攻に合わせて出撃。MS大の手が両手で襲い掛かり、ミノフスキードライブで加速したイカロスを正面から受け止め握り砕くという登場でメンバーや読者の度肝を抜いた。木星兵までドン引き。
その勢いのままAチーム元・死の旋風隊を襲う。ローズマリーの「アラナ・アビジョ」の足を撃ち抜き、バーンズの「バーラ・トトゥガ」を握り砕き半壊に追い込む。その後2人掛かりでギリの搭乗する「ビギナ・ギナⅡ」の四肢をあっという間に奪い去った。
生還は不可能と察したバーンズとギリのコンビネーションによりコロニー発射ギリギリで射軸をズラされ狙撃を阻止されるも2機を破壊、続いてF90/F91/F97のBチームを襲う。クロスボーンX1フルクロスに搭乗するトビアが戦士として完全に覚醒、防御を捨て1人で2機相手に立ち回るが、どんどん消耗し影のカリスト「リーベルダス」を取り逃してしまう。コロニーを破壊しようとするミノルの搭乗した「ガンダムF90I」の脚を破壊し、撃墜に追い込む寸前、遠距離支援だった「量産型ガンダムF91」のドレックが特攻。F91の最大稼働モードを発動させ、「Iフィールドは背部にまで貼れない」というMAモード唯一の弱点を看破、後ろから射撃を行い損傷させるも、限界を迎えたところで反撃を喰らいF91は破壊される。その後F90の攻撃によりリーベルダスは完全に破壊された。
影のカリストを殺害された光のカリストは錯乱、トビアのX1フルクロスから片腕と片脚を奪うが、シザーアンカーを駆使したトリッキーな反撃により「ユーリスディス」は半身を奪われ、そのまま逃亡する。
コロニー内部に来て破壊活動を行うトビアのX1とエウロペの「アンヘル・ディオナ」の前に、専用のビームアックスを装備し再び強襲。作戦としては既に失敗に終わっていたが、邪魔された恨みと弟殺された恨みでトビアと「私闘」を繰り広げる。X1の残された大型武器ムラマサ・ブラスターを破壊するも、スカルヘッド・Iフィールドを装備したX1に殴られ相殺、その隙にスカルヘッドの下に隠し持っていたブランド・マーカーによってコクピットを貫かれ撃破された。
本機の「圧倒的な攻撃力と機動力と防御力で敵を破壊し尽くす」というコンセプトは17年後、「ゴースト」の時代において一騎当千機「サウザンド・カスタム(サーカス)」に多数引き継がれた。中でもゴーストの主人公機であるサーカス「ファントム」は「ファントムライトやMAモードを駆使した高機動・加速性」「Iフィールドの嵐によるビームに対する防御力」「敵Iフィールドを無効化する攻撃力」を両立しており、系譜として繋がってないにも関わらず、誕生した経緯は複雑かつ偶然ながらも後継機のような存在となっている。
武装
- ビームクロー
特に設定上の名前は存在しない、四肢から生えるビームサーベル。両手両足からビームが出現し近接戦闘における戦闘能力は計り知れない。名前はGジェネレーションに登場した際に付けられたもの。 - 頭部メガ粒子砲
2つに見える頭部の、目のような部分から放たれる強力なビーム砲。MSを1発で破壊するには十分な火力を持つ。 - フェザーファンネル
総統機が所持しているお馴染みのファンネル。ギリ相手に使用するがこの時代においては絶対的な有利には成り辛いようで、スネークハンドによって全て薙ぎ払われた。 - ビームアックス
トビアとの戦闘後、コロニー内で再び勝負する時に所持していた近接武器。4基のビーム発生器が同方向に付いているからか非常に火力が高く、ムラマサ・ブラスターをつばぜり合いで正面から破壊した。
その他
デザインしたのは作者の長谷川裕一本人。
クロスボーンシリーズにはメカニックデザイナーのカトキハジメやアシスタントも務める宮崎真一等がデザイン面で協力しているが、本機は純度100%長谷川デザインである。あまりの異形な見た目は本シリーズの中でもトップクラスに異質であり、上記のような活躍をした結果、読んでいれば絶対忘れられない印象的なラスボスである。これを読んだ読者はドンドン長谷川氏のデザインに染まり、続編「ゴースト」「DUST」の読者投稿MSではディキトゥスに負けず劣らずな奇天烈デザインが多数採用された。
後のシリーズと比較してもこれだけのネームドキャラを殺害したMSは存在せず、パイロットの強さも相まってギリギリまでトビアを追いつめたクロスボーン最強の敵ではないかと称される。
フルクロスが1人歩きして様々なゲームに出ている半面、ラスボスであるディキトゥスのゲームにおける活躍は殆どない。これはフルクロスの人気も起因の1つだが、鋼鉄の7人はシナリオ再現するのが難しいという点もある。クロスボーン初期からの読者でもあるスパロボの寺田貴信Pは、是非鋼鉄の7人をシナリオに組み込みたいのに再現が難しく断念、と毎回頭を悩ませている。
唯一「SDガンダムGジェネレーションオーバーワールド」に参戦しており、本ゲームでは簡易ながらも鋼鉄の7人最終決戦のシナリオ再現が行われている。リーベルダスは攻撃する際全て手に変形し、ユーリスディスは全てMSでの戦闘となる。これは原作でも殆どその状態に分かれ戦闘を行っていた細かい再現でもある。その後同素材を利用したソーシャルゲームにも登場した。
ガンプラ化など到底夢のまた夢だったのだが、2020年5月13日に突如HGUCディキトゥス(光のカリスト専用機)が発表されファンの度肝を抜いた。木星MSでは初のガンプラ化である(商品化ではガシャポンフィギュアでアマクサが先に商品化している)。
一番驚いたのは他でもない長谷川裕一氏本人であり、「最初はバタラかクァバーゼあたりかなと」「世界で一番驚いてるのはこの私なので聞かないで(笑)」とコメントを自身のブログに残している。
同日にはファン待望のHGUC X-1フルクロスも受注開始したのだが、ディキトゥスのインパクトのせいで霞んでしまった感がある。
2021年2月1日にはやはり唐突にHGUCディキトゥス(影のカリスト専用機)が受注開始。ついでにHGUCディキトゥス(光のカリスト専用機)も再販された。
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