ディステニィストーン(以下DS)とは、ゲーム「ロマンシング サ・ガ」および「ロマンシングサガ ミンストレルソング」に登場するアイテムである。
概要
ロマサガ(ミンサガ)におけるキーアイテム。マルディアスに満ちる術の力を具現化した10個の宝石で、神々の父であるエロールがサルーイン封印用の結界を展開するために作り出した。後の戦神である銀の戦士ミルザへと託され、その力によってサルーインを封じ込めることに成功した。
「火のルビー」「土のトパーズ」と言ったように術法の系統を1つずつ司っており、装備していると対にあたる系統の術法を無効化出来る。また、宝石であり大抵はアクセサリーの形に仕立てられているが、そうでないものもある。中には武器になっているものもある。
ストーリーの根幹に関わるアイテムではあるが、ゲームをクリアするために必ず10個全てを入手するのかと言うとそうではなく、中にはゲームを3周以上やり込んで初めて入手が可能になるものもある。ロマサガではエメラルド、ダイアモンド、ブラックダイア(前者二つはワンダースワン版では入手可能)が入手できないが、製作総指揮の河津秋敏氏が自身のTwitterおよびミンサガのアルティマニアにてその真相を語っており、入手不能なDSがあるのは容量不足やバグの類ではなくあくまでも当初からの予定通りの仕様である。
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https://twitter.com/saga30kawazu/status/485333748125143040
しかしミンサガでは「ゲームとしては全部取れた方がいいのではないか?」という意見を汲み、全種類が入手可能になった。同作ではDSを巡ってのミニオンとの攻防が明確に描かれており、破壊神に対抗するためのアイテムとしての側面が強調されている。
ラストダンジョン深部にはDSを捧げる事が出来る「運命の石の間」という場所が追加されており、所持しているDSを捧げるとその数だけサルーインが強化され、10個全てを捧げて最強状態になったサルーインは一般的に「真」を付けて呼ばれる(後述するがDSの中には最低3周を要するイベントで入手する物が有る為、真のラスボスを拝めるのも3周目以降)。条件次第では強制的に捧げられる場合もある(ミニオンに奪われた場合など)。
リマスター版では2周目でコンプリート可能になった為この時点で真サルと戦う事が可能になっている。なおNEWGAME+によるDS引継は出来ない為、周回の旅に集め直す必要がある点はPS2版と変わらない。
ディステニィストーン一覧
火のルビー
「では、この『火のルビー』を受け取りなさい。
火のディステニィストーンよ。」
騎士団領の相談役を務める魔術師フラーマが保管している。「破壊と闘争」を司り、水術を無効化する。
ミルザはルビーの力を用いて剣に炎を纏わせたという。
イベント「テオドール乱心」(ロマサガ1では「テオドールを追って」)をクリアすることでフラーマから貰える。イベントの最後にはバイゼルハイムでイフリートと戦う事になるのだが、ミンサガでは到着後強制的に戦闘に突入するのに対し、ロマサガ1では選択肢が発生。ここで引き返すとテオドールとフラーマが戦死してミニオン・ヘイトにルビーを奪い取られてしまう。ミンサガ、ロマサガ1共にここで戦う事になるイフリートは火の鳥やセルフバーニングが猛威を振るうかなりの強敵なので準備を怠らないように。ミンサガリマスター版では入手後にフラーマを仲間にする事が可能になる。
水のアクアマリン
「『水のアクアマリン』は『風のオパール』と共にバファル帝国の最高の宝だった。
メルビルはその力で初代皇帝になったとも言う。」
元々はバファル帝国が所有していたもので、後にローザ・ライマンの手に渡りローザリアの国宝として受け継がれていたが、現在はクリスタルレイクの中に存在する「アクアマリンの洞窟」に眠っている。水の流れのみならず、時の流れすらも操る「万物の流転」を司り、火術を無効化する。
ロマサガ1ではアルベルトを通じてナイトハルトからの依頼を受けることが必須となっているが、ミンサガでは依頼を受けずともアクアマリンの洞窟に行けば入手出来る。入手後に殿下に謁見すると自動的に渡してしまうのでうっかり渡さないように注意。PS2版では譲渡した場合アクアマリンが手元にもなく、且つサルーインにも献上されていない状態になるので真サルーインと戦う事が出来なくなる。ただしリマスター版では同行時に限り殿下がアクアマリンを献上するようになったので、PS2版では不可能だった殿下VS真サルのカードがようやく実現した。
イベント「伝説の竜騎士」では殿下が主人公と面識があり且つパーティに加入していない場合、龍陣習得後に乱入して「リュウキシ、ドノォ?」と武神の鎧を殺してでもうばいとるイベントが発生。しかもこの時殿下を操作して竜騎士と戦う事になり、負けると普通にゲームオーバーなので倒すしかない。この場合鎧を入手するにはアクアマリンを献上して殿下を同行させる必要がある。ゲーム開始時点で知己となっているアルベルト編では必然的にアクアマリン(+真サルーイン戦)と武神の鎧は二者択一となるが、リマスター版では武神の鎧をNEWGAME+で引継可能になった為、これを利用すればアルベルト編でも両立が可能。
風のオパール
アクアマリン同様元はバファル帝国に保管されていたが、伝説の大海賊・シルバーが奪取しワロン島の洞窟に隠したという逸話がある。
「奔放さ」を象徴し、土術を無効化する。風雪を意のままに操り、天候すらも変えてしまう力を秘めている。
争奪戦の詳細は海賊シルバーの記事を参照。
土のトパーズ
- 分類:ネックレス
古代神ニーサの象徴とも言うべきDSで、カクラム砂漠地下の地底人居住区にあるニーサ神殿の祭壇に保管されている。「万物を支える大地」を象徴し、風術を無効化する。ミンサガではアイスソードを殺してでもうばいとる場合、生意気にも抵抗してくるガラハドの吹雪対策として有用。
ミルザはこの石の力により自身の鎧に大地の加護を与えていたという。いただく前にとりあえずニーサに祈っておこう。
幻のアメジスト
「いやー、素晴らしい。
私の感動をあなたに伝えたいのですが、今、持ち合わせが無くて…
おお、そうだ。代わりに、このアメジストの首飾りを。」
現実の理を歪め、不可能を可能にする力を持つといわれている。何故か吟遊詩人が所有していたが、踊りを見せてもらったお礼にと主人公の一人であるバーバラに譲渡した。「隠された心理」を象徴し、魔術を無効化する。
主人公がバーバラか否かで入手方法が異なり、前者の場合はスタート地点であるウエストエンドのパブで上述の通り詩人に踊りを披露することで貰える。仮に放置したまま後述のジュエルビーストにウエストエンドを破壊されると入手できなくなるので、バーバラ編が始まり次第すぐにパブに入って入手しよう。一方、後者はバーバラの初期装備となっており、彼女を仲間にするだけで簡単にアメジストを回収できる。
バーバラを仲間にすると行動可能範囲も大幅に広まる上、妖精の森を出現させるためにはアメジストの入手が必須条件なので早期入手が推奨される。
魔のエメラルド
- 所有者:ウェイ=クビン
- 分類:頭防具
人の精神の働きを現実の力に変換する力を持つ。イナーシーに存在する魔の島にすむ邪悪な魔導師ウェイ=クビンが不老不死の研究のために所持している。「人間の英知」を象徴し、幻術を無効化する。
SFC版では入手不可能なDSの一つ。WSC版ではブラックダイアを除く他のDS8種をすべて入手済みの場合選択肢次第で、ミンサガではウェイと戦って勝利することで入手できる。ただし後者の場合イベントランクが19以上だと警戒したウェイに逃げられ手に入らなくなるので、魔の島に行けるようになったら早めに訪れるのが吉。
光のダイアモンド
あらゆる闇を払う光の力を秘めたDS。三柱神の末妹である闇の女王シェラハにエロールが譲渡した。ダイアモンドを身に着けたシェラハはその光の力により自身の闇の力を相殺され神としての記憶を封じ、シェリルの名でマルディアス各地を転々としている。「万物の根源」を象徴し、闇術を無効化する。
エメラルドと同様WSC版から入手可能になったDS。ミンサガではイベント「不幸を呼ぶ女」の過程で入手できるが、最速でも3周目以降でないと入手することができない。ダイヤモンド入手前に戦うミニオン・ワイルは普段より強化されており正攻法で倒すのは難しいが、ストーリー上は主人公の敗北を前提に進行する負けイベント扱いなので無理に倒す必要はない。リマスター版では2周目の段階でも入手可能になった為、真サルと戦うのに3周する必要はなくなった。
闇のブラックダイア
イナーシーに存在するウコムの海底神殿に保管されているDS。その波動で周囲の海を黒に染め上げた。その海域は「黒海」と呼ばれており、船乗りたちの間ではその水に触れたが最後、化け物になってしまうという迷信が広まっている。「万物の終焉」を象徴し、光術を無効化する。
エロールはミルザに闇の力を行使することを禁じていた為、与えたのはあくまでも闇の本質を伝えるためだったという。ロマサガ1ではミニオンによって破壊されてしまっているので入手不能。ミンサガで新たに訪問可能になったウコムの海底神殿で入手できる。
気のムーンストーン
ソフィア「あなたには感謝の言葉も無いわ。
ところで、どうやって『ムーンストーン』を手に入れたの?」
主人公「まず、二つの月の神殿に関する古文書を(ry」
あらゆる邪悪を消化するとされるDS。肉体に宿るエネルギーを操り、その者の潜在能力を引き出す力を持つ。「生物の生命力」を象徴し、邪術を無効化する。ワロン島にある二つの月の神殿に眠っており、神殿に入るためにはアムトとエリスのシンボルが必要だが、入る直前に出現するワイルに負けるとシンボルを奪われてしまう。神殿のボス・ゾディアックは冷気属性の攻撃が強力なので、対策にペギーハートを入手しておくとよいだろう。
イベント「皇帝の奇病」をクリアするために必要なアイテムだが、イベントランクを上げ過ぎてしまうとメルビルに着いた途端「俺たちゃ海賊」の洗礼を受けるハメになりエスパーダ・ロペラが手に入らなくなってしまう。イベント解決後にエロール神殿にいるソフィアに話しかけると、主人公が入手までの経緯を律義に解説するシュールな光景が見られる。
邪のオブシダンソード
人や神に対する魔物たちの憎悪と羨望が具現化したものとされる。DSの中では唯一武器に該当し、邪気を伝導する特殊金属で生成された刀身を持つ。「歪んだ生命=魔物」を象徴し、気術を無効化する。
ミルザはオブシダンの性質を逆利用し、邪念を制するほどの爆発的な気力を身に着けたという。イベント「凍結湖の妖精」をクリアするか、デスに誰かを生き返らせることで入れるようになる凍り付いた城に眠っている。
ミンサガではモードによって形状が変化する癖の強い武器で、アタックモードでは両手大剣、ディフェンスモードでは細剣、トリックモードでは曲刀になる。使える技はそれぞれのモードに対応した技のみ(例えばアタックモードの際、ディフェンス・トリックモードの両手大剣技は使えない)という制限があるのでかなり癖の強い武器である。このDSのみ属性防御の上昇値が異なり、他9種が全属性防御+1なのに対し、こちらは対象が斬撃・打撃・射突のみだがそれぞれ+20となっている。運命の石の間に捧げるか城を出た後に出現するヘイトに渡した場合、サルーインの武器がサルーインソードからこちらに変わり強化される。
また、オブシダン入手時にパーティに空きがあると守護者の任を解かれたフリーレを仲間にする事が出来る。満員か断った場合PS2版では二度と会えないが、リマスターではバイゼルハイムに滞在するので任意のタイミングで加入させることが可能になった。
ロマサガ1では唯一の習得技である「邪剣波」が消費WPが最大値のほぼ2/3にあたる63という劣悪にも程がある燃費とそれに見合わぬ低威力。全体攻撃であることを差し引いてもサガシリーズ史上稀に見る産廃性能なので15という屈指の高さを誇る武器攻撃力を完全に持て余しており、武器としての実用性は無きに等しい。ヘイトに渡した場合、サルーインを嵌め殺せるバグ技がある為、手元に置くよりも寧ろ譲渡する方が遥かにメリットが大きい。プレイヤーであろうがサルーインであろうが使い手が得をしないという意味では存在自体がエロールの仕組んだ卑劣な罠とも言える。
実はサルーインもディステニィストーンを作ったのだ。
神々の戦いの時代、サルーインもエロールに対抗すべく同種のDSを10個作っていた(ロマサガでは11個目のDS「サファイア」)。サルーインはこのDSをある魔物に与えることで未曽有の力を持つ怪獣「ジュエルビースト」を生み出し、強大な戦力として使役するはずだった。しかしただ破壊の為の力のみを求めて作られたサルーイン製DSは一つ一つが所有者の精神を汚染する代物であり、それを10個も同時に取り込んだ副作用でビーストは正気を失い破壊衝動の塊と化して暴走してしまう。創造主のサルーインですら制御出来なかった為に彼の手によってフロンディアの奥地に封印されたが、現代においてサルーインの僕であるミニオン・ストライフが復活を画策している。
ビーストはイベント「モンスターを増やせ!(水棲)」クリア後に水竜のもとを訪れるか「暗殺者ギルド」をクリアすることで行けるようになるダンジョンの奥地にて眠りについている。イベントランクが14以上になると覚醒し、以降はイベントランク上昇に応じてフロンティアの街を次々と襲撃する。襲撃された町は破壊されて二度と元には戻らず、それに応じてイベントを開始・完了できなくなるケースが生じ得るので注意。
救済措置としてフロンティアの各ダンジョンに配置された固定敵を倒すことで覚醒を遅延させることが出来るので、こちらも有効活用したい。ただし「暗殺者ギルド」クリア時に固定敵の撃破数が「イベントランク-4」以下の場合、即座に覚醒してしまうので解決のタイミングには気を払いたい。また2周目以降は「暗殺者ギルド」クリア前にダークの記憶を完全に取り戻し、かつ濁竜の発生条件を満たした場合はダンジョンに行けなくなり覚醒前にビーストを止める手段が無くなるので、ビーストに真っ先に狙われるヤシ開拓村の壊滅を防ぐ事は出来なくなる。
特にミンサガのビーストは作中屈指の強敵であり、全体攻撃の「ジュエルブラスター」「押しつぶし」が強力なうえ全てのDSを身に着けている性質上術法が一切通じない(この性質はロマサガ1・ミンサガともに共通)。よって戦うにあたっては強力な技の事前習得がダメージソースとして必要不可欠である。特にフロンティアの侵攻開始前だとキャラクターの成長にも限界がある上ダンジョンの固定敵である腐竜×4&ラミアとの戦いもきつい為、ステータス不足を補うアイテムや戦略も問われる。しもべ狩り、オーヴァドライブ、聖杯などあらゆる手段を惜しみなく投入していこう。特にマルチプレックスアイのマヒを無効化する邪眼の魔除けやジュエルブラスターを確実に耐えられるリヴァイヴァは優先的に確保しておきたい。リマスター版ならNEW GAME+があるので幾分かハードルは下がるだろう。尚、倒しても取り込んでいたDSはビーストと一緒に消し飛んでしまう為残念ながら入手できない。
リマスター版ではアルドラを加入させている場合、「宝石獣の盾」というアイテムをドロップする。回避値24・前属性回避・精神+3、エネルギー防御+20という強力な盾で、人数分回収する為のマラソンの対象としてよく名前が挙がるアイテムである。
余談として倒さずに放置したままラストダンジョンに進んだ場合、ストライフが制御に成功したのか攻略中に発生するイベントシーンでニューロードを進攻する魔物の軍勢の最後列にビーストが混じっている。また、ジュエルブラスターでこちらが全滅した場合「Over Kill」の文字が表示されるという演出がある。
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