デルタ航空とは、アトランタを本拠地とするアメリカの航空会社である。
概要
主にアメリカ南部を縄張りとする国内メインの大手航空会社だったが、1978年の航空自由化後は長距離国際線にも進出、87年にポートランド~成田線で日本に就航した他、91年には破産したパンアメリカン航空から大西洋路線の多くを引き継いだ。
2005年に原油価格高騰とハリケーンによる被害が重なり破産するも再建を果たし、08年に太平洋線で馴染み深い会社であったノースウエスト航空との合併を発表、10年に統合を完了した。ノースウエストが保持していた成田のハブ機能もそのままデルタが引き継いだが、次第にアジア路線が成田乗り継ぎから直行便重視のスタイルに切り替わっていったことで以遠権路線は廃止されていき、東京の乗り入れ空港も成田から羽田にシフト。2020年をもって成田から撤退した。
大量の中古機
そんなデルタ航空の特徴の一つに、"新造機だけでなく、中古機も大量に購入して使用している"というものがある。
本来航空機というものは新しい機材ほど燃費も整備コストも低減出来るため"新鋭機揃い"をウリにする航空会社は多いが、デルタ航空の場合は
「(従来の保有機と互換性のある)中古機を安く大量に手に入れることで機材導入費を削減し、その分を経営健全化や顧客サービス充実に回す」
という独自の機材戦略をとっており、集めた中古機は元来の高い整備技術で延命工事を行い使用している。この戦略は大きな成果を見せ、経営健全化に成功しサービスの質も向上し、高評価を得る事に繋がった。
- ボーイング757(元TWA→アメリカン)……エンジンの型式がアメリカンの従来機と違った一方デルタの従来機とは同一だったため、アメリカンが放出したものを購入。
- MD-90(世界中から買い集め)……従来保有機の買い増しとして世界中で放出された機を買い集め。中には元JAS→JAL機もある。
- ボーイング717(主に元エアトラン)……エアトランのサウスウエスト合併により放出された機材をサウスウエストからのリースという形で入手。従来保有機はなかったがMD-90と互換性があったため問題はなかった。
- ボーイング747-400(全機、元ノースウエスト航空)……ノースウエスト航空との経営統合により同社機材を継承したもの。中には-400の初号機もあった(納入前にボーイングで1年半飛行試験を行っていた。2002年、デトロイト発成田行きで垂直尾翼の方向舵にトラブルが起きたが、無事着陸)。2017年に完全退役。うち初号機は一足先に2015年に退役した後、2017年にデルタ航空が保有する航空博物館に保存されている。
関連動画
関連項目
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