『トランスフォーマー スーパーリンク』は、トランスフォーマーシリーズに属するテレビアニメ作品。『超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説』の続編である。
略称は「スーパーリンク」「SL」、もしくは「スパリン」。
概要
通称、マイクロン三部作(平成三部作、ユニクロン三部作とも)の第二作。前作(超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説)より10年後の世界を描いている。また、海外版では『トランスフォーマーギャラクシーフォース』の前編となっている。
本作品はシリーズ20周年を記念して制作された。そのためか、『トランスフォーマー ザ・ムービー』のオマージュとも言える演出が見られた前作に引継ぎ、今作では『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』や『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』のオマージュと見える演出が見られ、また『G1』 - ザ・ヘッドマスターズ期のサイバトロン戦士やデストロン兵士をリメイクしたキャラクターが散見できる。
シリアスなストーリーの中に前作と打って変わって声優陣のアドリブが多く、過去に『ビーストウォーズ』シリーズに出演したキャストが多く今作に参加している。
また、アイキャッチでは各キャラクターのコメントが入っている(関連動画参照)。
日本では2004年1月9日から同年12月24日までテレビ東京系列にて毎週金曜日午後6時台に放送された。全52話(本編51話+スペシャル1話)。
BSジャパンでは2004年1月13日から2005年1月4日まで毎週火曜日午後6時55分台に時差ネットで放送されていた。
アメリカ合衆国では2004年1月31日から2005年1月31日まで『TRANSFORMERS ENERGON』というタイトルでカートゥーン ネットワークで放送された。
なお、本作も「マイクロン伝説」同様DVDが高騰しており(かつレンタルDVDもなく)、2015年10月現在一部巻はAmazonでも在庫切れとなっている。
海外では既にDVDBOXが2014年に発売されている(関連商品参照)上、日本でも「ビーストウォーズ」シリーズまではDVDBOXが発売されているため、ファンの間ではDVDBOX発売が望まれている。
テーマ曲
- オープニングテーマ - 「太陽のtransform!!」
作詞 - 桑原永江 / 作曲 - 剱持満 / 編曲 - 中川幸太郎 / 歌 - きただにひろし - エンディングテーマ - 「Calling you」
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 松川秀幸 / 編曲 - 佐藤和豊 / 歌 - 谷本貴義
あらすじ
『マイクロン伝説』の戦いから10年後。サイバトロンと友好関係を結んだ地球では新たなエネルギー・「エネルゴン」が発見された。
そんな中、ユニクロンの中からアルファQ率いるテラーコン軍団が各地に建造されたシティからエネルゴンの強奪を開始した。グランドコンボイ(前作のコンボイ、通称『アルマダコンボイ』)率いるチームコンボイはエネルゴンを守るために地球へ向かう。前作のラストでユニクロンに吸収されたメガトロンの復活を条件にアルファQ側に寝返る旧デストロン。そして、メガトロンはガルバトロンとして復活。アルファQを追い出し、ユニクロンに君臨。
ユニクロンに破壊された自分の惑星を復活させようとするアルファQ、ユニクロンを復活させ未来を掴もうとするガルバトロン、過去の過ちを繰り返させないためにユニクロン復活を阻止させようとするグランドコンボイ。エネルゴンを巡って三つ巴の争奪戦が繰り広げられる。
登場人物
サイバトロン
チームコンボイ
- 総司令官グランドコンボイ(トレーラートラック、CV:小西克幸)
前作のコンボイと同一人物。通常時はその見た目から、ファンからは「ドスコンボイ」「曙コンボイ」と呼ばれる。4機の補助用メカ、グランドフォースを手足に合体することで均整のとれたスタイルにスーパーモードなる。
ウイングセイバーやオメガスプリームとスーパーリンクすることで「ウイングコンボイ」「オメガコンボイ」となるが、 「グランドコンボイ」と呼ばれ続ける。
私の名前を言ってみろォ! - 武闘家ロードバスター(4WD、CV:岩田光央)
ホットショットに憧れる士官候補生。
キッカーの相棒となり、当初こそ犬猿の仲であったが戦いの中で良きコンビとして成長してゆく。
「すげーぜ自分!」が口癖。 - 戦闘指揮官ホットショット(スポーツカー、CV:鳥海浩輔)
前作のホットロッドが成長した姿。それに伴い肩書きも戦士から戦闘指揮官に昇格。
前作での活躍からか、ロードバスターをはじめとした多くのサイバトロン士官候補生たちの憧れの的である。 また、自身もロディマスコンボイを尊敬している。 - 副司令官スカイファイヤー(スペースシャトル、CV:檜山修之)
前作のジェットファイヤーと同一人物。相変わらず下半身要員。
チームコンボイの切り込み隊長だが、冷静な観察眼も持つ。 - 防衛参謀インフェルノ(消防車→クレーン車、CV:神奈延年)
クールな自然を愛する射撃手。 途中デストロンに洗脳されかけるがサイバトロン戦士として散り、後に転生する。 - 航空爆撃官ウィングセイバー(ステルス戦闘機、CV:遊佐浩二)
元はセイバートロン星の看守だったが、脱獄して仲間を殺したレーザーウェーブを追う途中で殉職、その後プライマスの力で転生した。
4つに分裂し、グランドコンボイとスーパーリンクすることで「ウィングコンボイ」となる。だけど「グランドコンボイ」と呼ばれ続ける。 - 賢神オメガスプリーム(戦艦+鉄道車両っぽい何か、CV:三宅健太)
かつてユニクロンと戦った古の賢者。詳しくは当該項目を参照。グランドコンボイとスーパーリンクすることで「オメガコンボイ」となるが、ry
「大きさの概念を取り払うのだ」 - 航空合体戦士スペリオン(5つの戦闘機、CV:千葉一伸)
5体の小型TFが合体して誕生する古代のサイバトロン戦士。同型の兄とともにブルーティカス・ビルドロンと対峙したまま眠りに就いていたが、兄は復活する前にガル様によって破壊されてしまった。
チームロディマス
- 司令官ロディマスコンボイ(セミトラック、CV:置鮎龍太郎)
チームロディマスのリーダー。
前作で描かれた大戦よりはるか昔の8000年前、戦乱のなかにあったセイバートロン星を離れ、仲間と共に新天地を目指した。
しかしユニクロン復活を機に帰還、アルファQの故郷を再生させるため、一時期はユニクロン復活に尽力を尽くした。 - ハイウェイパトロール レッドアラート(パトカー、CV:保村真)
ロディマスと共に旅をしてきた一人。普段は穏やかだがキレると「逮捕だー!」と叫ぶ」。
スカイファイヤー以上の下半身要員。 - トラフィックガード ランドマイン(装甲回収車、CV:三宅健太)
ロディマスと共に旅をしてきた一人。なぜか侍口調であり、任務よりも武士道を重んじる。
その他サイバトロン
- 極地戦士オーバードライブ(オフロードバギー、CV:小西克幸)
チェケラッチョイと語尾の「YO!」が口癖。宇宙船の操船技術にも長けている。 - 特殊技術家ホイルジャック(レースカー、CV:保村真)
キザなナルシスト。 - 空中防衛官スプラング(戦闘ヘリ、CV:飛田展男)
通称ご隠居。オーバードライブ、ホイルジャックの2人を率いている姿はまさに水戸黄門様そのもの(関連動画参照)。
ローターブレードを杖代わりに使う癖がある。
スーパーリンクはできないが、アタックブースターを合体して戦う。
オムニコン
デストロン
- 破壊大帝ガルバトロン(戦闘爆撃機、CV:遠藤純一)
前作のメガトロンがエネルゴンとユニクロン細胞の力でパワーアップして復活した姿。ガル様。
2010同様暴君的な性格で、時に温情を見せる性格。ただし元祖ほどイカレてはいない。
古参の部下に優しくよそ者に厳しい。
コンボイヤァァァァァ! - 提督ショックウェーブ(空母)→総督ショックフリート(ミサイル駆逐艦、CV:山野井仁)
前作に引き続き登場。中盤で転生すると、片言口調から打って変わってハンサム口調になる。
転生後はショックショックショーック!が口癖になる。 - 破壊兵アイアンハイド(対空戦車)→輸送破壊兵アイアントレッド(ダンプカー、CV:遊佐浩二)
前作に引き続き登場。序盤ではサイバトロンや人間への情を捨てきれず苦悩するキャラだったが、主君を庇って戦死する。
スパークは回収され復活を果たすが、口調も行動もゴリラになってしまった。
「ウホウホオホホ」が口癖。 - 空中攻撃兵サンドストーム(攻撃ヘリコプター)→極地攻撃兵スノーストーム(半装軌車、CV:千葉一伸)
前作より登場。中盤で転生すると声のトーンが低くなるが、こいつだけ性格はあまり変わっていない。
転生前は「ラリホー」、転生後は「ヨーロレイヒー」が口癖。
ショックフリート、アイアントレッドとともに三馬鹿とも呼ばれる。 - 航空戦闘兵ナイトスクリーム(F-22ラプター、CV:飛田展男)
前作のスタースクリームのそっくりさん(海外版では同一人物と明言されているが・・・)。
当初は幽霊のごとく半透明であり、アルファQの指令の下で両軍司令官の暗殺を狙っていた。
が、ガル様に洗脳され誰よりも忠実な部下に。前作とは違う意味でスタスクらしくないスタスク。 - 衛星参謀レーザーウェーブ(軍事衛星&戦車、CV:神奈延年)
TFシリーズには欠かせない(?)今作におけるスタスク病患者第1号。前作のイカトンボもといスラスト同様、スタスクらしくないスタスクの穴を埋める存在。シックスショットの兄。
G1のお留守番参謀の面影など微塵もない暴れん坊で、セイバートロン星の地下牢獄に収容されていた凶悪犯。 - シックスショット(軍事衛星&戦車、CV:神奈延年)
スタスク病患者第2号。レーザーウェーブの弟。弟って言うな!
兄貴とは違い陰湿で狡猾な性格。 - 軍事合体兵士ブルーティカス(5つの軍事用車両、CV:保村真)
スペリオン兄弟と対峙したまま眠りに就いていた古代のデストロン兵士。 - 建設合体兵士ビルドロン(5つの建設用車両、CV:飛田展男)
ブルーティカス同様、スペリオンと対峙したまま眠りに就いていた古代のデストロン兵士。
アルファQ軍団
- アルファQ(CV:長島雄一)
ナレーション、次回予告担当。喜怒哀楽、4つの顔とその幾多の仮面の裏に臆病な子供の心を持つ宇宙人。
ユニクロンに滅ぼされた母星を再生するためにユニクロン復活を目論み、旧デストロン残党を利用しするが、ガル様復活後ユニクロン頭部を切り離して逃亡、それ以降第三勢力として活躍する。
次回予告のシメは「またまたすごいことになっちゃうかも?!」 - 破壊指揮官メガザラック(サソリ&戦闘機、CV:増谷康紀)
ユニクロンに滅ぼされたアルファQの星の住人……だったが、アルファQが前大戦で戦死したデストロン兵士のスパークを使って再生した。
「そーりゃっさぁ!」が口癖(変形モチーフである「サソリ」をもじったもの)。 - 星帝ユニクロン(惑星、CV:神奈延年・川口敬一郎)
前作から引き続き登場する諸悪の根源。その正体はTFたちが戦いの中で持つ憎しみそのものである。
人類
- 戦士キッカー(CV:岸尾大輔)
16歳。幼少期のトラウマからTFと宇宙が大嫌いだったが、相棒のロードバスターと時にぶつかり合い、協力し合ううちに克服していく。
エネルゴンの埋蔵場所やデストロンの出現を察知できる能力を持つ。
戦闘時は父・ジョーンズ博士の開発した戦闘スーツを身に纏って戦う。
シリーズで唯一、独立したテックスペックを持つ地球人。
その他
- 創造神プライマス(CV:玄田哲章)
セイバートロン星の奥に眠っていたエネルギー生命体。サイバトロン戦士たちにスーパーリンクに必要なコンビネーションスパークを、幼少期のキッカーにエネルゴン探知能力を与えた。
サイバトロンとデストロンの特徴
今作においてサイバトロン戦士の多くは大型ロボットの上半身と下半身の両方に変形する能力を備えており、2体のトランスフォーマーで上下合体(スーパーリンク)することでパワーアップできる。
対するデストロン兵士は攻撃形態であるハイパーモードに変形できる。
また今作において重要なカギとなる、様々な星の地中に埋蔵されている物質「エネルゴン」は通常のトランスフォーマーには有害な物質であり、代わりにオムニコンとテラーコンという種族がエネルゴン原石をそれぞれサイバトロン用、デストロン用のエネルゴンに精製する能力を持っている。
また、セイバートロン星の地下深くにはスーパーエネルゴンが存在し、通常のものとは違い、青い液状のものとなっている。さらに浸かることで、強大な力を得ることが可能。
サイバトロン用エネルゴンはデストロンとテラーコンに、デストロン用はサイバトロンとオムニコンに有害という特性があり、そのことを利用したエネルゴングリッドという兵器も存在する(アイアンハイドはこの兵器の犠牲となった)。
マイクロン三部作において唯一、ガルバトロン(前作のメガトロン)とリンクアップ可能なデストロン兵士が存在しない(『マイクロン伝説』では今作にも登場し、のちに「ショックフリート」にパワーアップした「ショックウェーブ」が、『ギャラクシーフォース』ではギャラクシーコンボイと合体可能な「ライガージャック」の心の闇が実体化した「ダークライガージャック」が、それぞれメガトロン及びマスターメガトロンと合体可能である)。
ちなみにコンボイ(本作では「グランドコンボイ」)に合体可能なサイバトロン戦士は前後二作(『マイクロン伝説』ではジェットファイヤーとウルトラマグナス、『ギャラクシーフォース』ではライガージャックとソニックボンバーがそれぞれアルマダ(マイクロン伝説)コンボイ、ギャラクシーコンボイと合体可能)同様2人(ウイングセイバーとオメガスプリーム)存在し、うち一人(ウイングセイバー、海外ではソニックボンバーと同一人物。ステルス機に変形)はジェットファイヤー(スペースシャトルに変形)同様航空機に変形する飛行可能な戦士である。
なお、グランドコンボイはウイングセイバーと合体して「ウイングコンボイ」に、またオメガスプリームと合体して「オメガコンボイ」となるが、これはなぜか「リンクアップ」ではなく部下たち同士の合体同様「スーパーリンク」と呼ぶ。
なお、本作において総司令官のグランドコンボイはそのロボットモード時の体型から「ドスコンボイ」「曙コンボイ」などと呼ばれている。これはスーパーモード合体時の体型を重視したのと、海外版玩具においてサウンドギミックを搭載するためである。
シリーズで初めて、(それぞれ首都圏のテレビ東京・関西圏のテレビ大阪・中京圏のテレビ愛知の3局のみではあるが)シリーズ全話を通して地デジで視聴できた作品でもある。
3DCGについて
本作はロボットキャラクターのほとんどが3DCG(トゥーンレンダリング)で描かれている。
しかし、一部の山場シーンにおいては下記のように2DCG(セル画)が使われることもあった。以下、例示する。
- アイアンハイドがガルバトロンやロードバスターたちを庇ってエネルゴングリッドのバリアに巻き込まれ、消滅するシーン(16話)
- メガザラックがガルバトロンに尾を切断される、腕を吹き飛ばされる、剣で貫かれるなどの暴行を受け、悶絶するシーン(26話)
- ビルドロン・ブルーティカス・スペリオンの合体シーン(文化の日スペシャル編)
- 終盤(48話以降)のアイキャッチ
- 巨大化したオメガコンボイ(この時グランドコンボイはオメガスプリームとリンクアップしたのではなく、コピーのボディとグランドフォースによってオメガコンボイの姿となった)とガルバトロンの激闘(50話、関連動画参照)
- 3年前に同枠で放送された番組の最終決戦を彷彿とさせる熱い戦闘シーンであり、今でも評価は高い。
スタッフ
- 企画 - we've
- 原案 - 石川裕人、スティーブ・ドラッカー
- 監督 - 佐藤豊(1 - 5話)、川越淳(1 - 13話)、佐野隆史(6話 - )
- シリーズ構成 - 桶谷顕
- キャラクターデザイン - 高品有桂
- トランスフォーマー&メカデザイン - 福島秀樹、小倉信也、小川浩、村田護郎
- トランスフォーム・アニメーター - 阿部宗孝
- デザインワークス・3Dアクションディレクター - 山田起生、伊藤浩二(14話 - )
- 3D総監督 - 作野賢一郎
- 美術監督 - 坂本信人
- 色彩設計 - 加藤良高
- 編集 - 田熊純(1 - 26話)、中川綾子(27話 - )
- 音楽 - 丸山和範
- 音響監督 - 岩浪美和
- アニメーション・プロデューサー - 南喜長、山東学
- アソシエイトプロデューサー - 服部玲治
- プロデューサー - 東不可止、すぎやまあつお
- アニメーション制作 - アクタス
- 3DCG製作 - スタジオA-CAT
- 製作 - テレビ東京、NAS(日本アドシステムズ)
英語版スタッフ
- 製作総指揮 - スティーブ・ドラッカー
- 音声演出 - テリー・クラッセン
- 翻訳 - キャサリーン・ウェストレーク・ケビン・マキューン、レイチェル・ノーイ
- キャスティング・音声製作・脚色 - ヴォイスボックス・プロダクションズ
- 配給 - パラマウント ホーム エンタテインメント
- 製作著作 - ハズブロ
関連動画
関連項目
- トランスフォーマー
- マイクロン/ユニクロン三部作
- 超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
- トランスフォーマー スーパーリンク
- トランスフォーマー ギャラクシーフォース
- 阿部作画監督回
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