ドラゴンメイド・ラドリーとは、遊戯王OCGに登場するモンスターである。
概要
キャラクターについて
デッキビルドパック ミスティック・ファイターズにて、【ドラゴンメイド】の1枚として登場。
ドラゴンメイドはケルト神話と使用人であるメイド(maid)をモチーフとしたカード群であり、人間の形態と竜の形態を持ち合わせる(詳細はドラゴンメイドの記事を参照)。
ラドリーは「洗濯係」として屋敷に仕えているが、他のドラゴンメイドに比べて幼く、洗濯物を落とすなどまだまだ未熟である。他のドラゴンメイドが洋服なのに対し和服のインナーを纏っているのも特徴。
竜の形態として《ドラゴンメイド・フルス》に変身することも。
このカードは他のドラゴンメイドと一線を画す人気を持ち合わせているが、その理由は前述のポンコツさに加え、ラドリー固有の効果にある。
カードテキスト(遊戯王OCG)
ドラゴンメイド・ラドリー/Laundry Dragonmaid
効果モンスター
星2/水属性/ドラゴン族/攻 500/守1600
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。
このカードを持ち主の手札に戻し、
自分の手札・墓地からレベル7の「ドラゴンメイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2)の効果は下級モンスターのテーマ共通効果で、バトルフェイズ開始時に上級のドラゴンメイドを呼び出す。
上級モンスターにはエンドフェイズ時に自身を手札に戻し、手札から下級のドラゴンメイドを呼び出す効果があるため、バトルフェイズが終わればラドリーが帰って来る。
注目は(1)の固有効果で召喚・特殊召喚時にデッキの上からカードを3枚墓地に送る効果を持つ。
いわゆる「墓地肥やし」が可能なモンスターの1枚だが、他のドラゴンメイドの下級モンスターを見てみると、《ドラゴンメイド・ティルル》や《ドラゴンメイド・パルラ》はピンポイントでドラゴンメイドのモンスターを墓地送りにすることが可能。ランダムで3枚墓地に送るラドリーよりも、確実に欲しいカードを1枚墓地に送れるパルラやティルルの方が【ドラゴンメイド】では重宝されていた。
結果、【ドラゴンメイド】で使われることは少なかったが、そんなラドリーに手を差し伸べたのは墓地のカードを有効活用するカード達であった。
相性の良いテーマ・カード
ラドリーの3枚墓地肥やしは当時の環境であれば十分強力なのだが、《カード・ガンナー》など競合は存在していた。しかし、ラドリーが注目されたのはレベル2のドラゴン族という点である。
登場初期から使われていたデッキは【バージェストマ】。
バージェストマは罠カード主体のデッキであるが、罠カードの共通効果として、墓地から通常モンスターとしてフィールドに特殊召喚可能する効果を持つ。そして、通常モンスターのレベル2はラドリーと同じであり、《バージェストマ・オパビニア》のX素材として有効。オパビニアが存在する限り、手札からバージェストマの罠カードを発動することが可能なので、墓地肥やしとしても展開補助としても有効なカードである。
ドラゴンメイドの登場から1年が経過し、バージェストマとは別の罠カードを主体としたカード《黄金卿エルドリッチ》が登場。奇遇にもポーズが一致している。
エルドリッチは自身の蘇生効果を持ち合わせており、関連カードも墓地から除外することで更なる展開や妨害が可能だったため、「ラドリーの新たな職場」とネタにされることもあった。
セットした永続罠カードは発動後に通常モンスターとして特殊召喚する効果を持ち、通常モンスターを素材にL召喚した《星杯竜イムドゥーク》とラドリーで《天球の聖刻印》という手札バウンス効果持ちの妨害モンスターをL召喚することが可能。
また、2022年春に登場した【スプライト】はフィールドにレベル2のモンスターが存在すれば特殊召喚が可能で、《スプライト・エルフ》は自分・相手メインフェイズに墓地からレベル2のモンスターを蘇生する効果を持つ。これによってラドリーの墓地肥やしを使い回すことが可能なのだが……
ティアラメンツ・メイルゥの登場
実は、スプライトと同じパックに《ティアラメンツ・メイルゥ》というモンスターが収録されていた。
問題はレベルと効果。
ティアラメンツ・メイルゥ/Tearlaments Merrli
効果モンスター(制限カード)
星2/闇属性/水族/攻 800/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、
墓地のこのカードを含む融合素材モンスターを自分の手札・フィールド・墓地から好きな順番で持ち主のデッキの下に戻し、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
何と、レベルと(1)の効果がラドリーと完全に一致していたのだ。
【ティアラメンツ】は墓地融合を得意としており、対応する融合素材が手札・フィールド・墓地に存在すれば融合召喚して、更なる展開が可能。しかも、メイルゥ以外の闇属性下級モンスターにも3枚墓地送りの固有効果を持ち、融合モンスター《ティアラメンツ・キトカロス》にも自身が破壊された時に5枚墓地送り……等々、全盛期のティアラメンツ(とイシズモンスター)は異次元の墓地肥やしが可能だった。
これに対して、ラドリーは固有効果が戦闘時向けで攻守ステータスもメイルゥより低い。結果として召喚時の墓地肥やしはメイルゥにお株を奪われてしまい、墓地肥やし単体で見ても《古尖兵ケルベク》などの5枚墓地送りの方が優れているという始末。
しかし、テーマとして強すぎたティアラメンツとイシズモンスターは徹底的に規制されてしまった。
ティアラメンツはキトカロスの禁止、メイルゥの制限などテーマのモンスター全てが禁止・制限カードに指定。イシズモンスターは5枚墓地送りを担う2体が禁止カードに指定された。
これら墓地肥やしのカードが規制される度、無制限のラドリーが(主にネタ方面で)注目された。
マスターデュエルにおいては、墓地肥やし出来るイシズモンスターやメイルゥが禁止になった事に加え、OCGで禁止だったスプライト・エルフが無制限で残っているため、スプライト・エルフとのコンボで墓地を能動的に肥やせる数少ないカードとしての立ち位置を維持している。
デカラドリー
一方、11期のシンクロモンスターとして《混沌魔龍 カオス・ルーラー》が存在していた。
混沌魔龍 カオス・ルーラー/Chaos Ruler, the Chaotic Magical Dragon
シンクロ・効果モンスター(禁止カード)
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを5枚めくる。
その中から光・闇属性モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。
残りのカードは墓地へ送る。
(2):このカード以外の光・闇属性モンスターを1体ずつ、自分の手札・墓地から除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
レベル8の汎用Sモンスターで、S召喚成功時にデッキからカードを最大5枚墓地に肥やす効果を持つ。
この効果からカオスルーラーを『大きなラドリー』『でかいラドリー』『デカラドリー』と評するプレイヤーも存在した。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/takenoko_Duel/status/1596135379224399872
なお、カオスルーラーは2023年10月に禁止カードに指定。イシズモンスター含めティアラメンツに関連する墓地肥やしや起点となるカードも徹底的に規制された。
それでもラドリーが無制限なあたり、ティアラメンツとのシナジーの低さに救われたのかもしれない。
派生カード
このように墓地肥やしの効果で(ドラゴンメイド以外の)様々なデッキの使用者から支持を得ていたラドリーだが、ラドリーの名を冠した罠カードも存在する。
ラドリートラップ/Laundry Trap
永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
(2):このカードが効果でデッキから墓地へ送られた場合、
「ラドリートラップ」以外の、このターンに自分の墓地へ送られたカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
この効果の発動後、次の自分ターンの終了時まで、
自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの効果の発動をできない。
(1)の効果は自分フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚される度に墓地肥やしする効果。
永続罠全般に言えることだが、セットした次の自分ターンに使えるとは限らないため、相手ターンでも展開可能なデッキか長期戦向きのデッキで使うと良いだろう。
(2)の効果は名称ターン1効果であるが、自身が墓地に送られたときに同じターンで墓地に送られたカード1枚を回収する効果を持つ。
但し、加えたカードや同名カードの効果は次の自分ターンの終了まで発動出来ない。逆に言えば、「発動しない効果」を持つモンスターを召喚してもその効果は適用されるので、「結界像」モンスターなどをサーチするのが良いのかもしれない。
このカードのイラストでもラドリーは家事に失敗しているようだ。
デラックスメイト化
マスターデュエルでは、対戦中に3Dモデルとして登場するデラックスメイトとしてラドリーが実装された。
通常時はラドリーの姿だが、バトルフェイズに入ると《ドラゴンメイド・フルス》に変身するということで従来のメイトとは一線を画している。ラドリーにタッチすると掃き掃除をしたり、こちらに向かって手を振ってくれるのもご愛嬌。
MD検定ではこのデラックスメイトに関するクイズが出されるが……
(以下、ネタバレ防止のため反転)
【問題】
メイト「ドラゴンメイド・ラドリー」がバトルフェイズ中に変身するモンスターは?
【選択肢】
《ドラゴンメイド・フルス》、《ドラゴンメイド・シュトラール》、《洗濯機塊ランドリードラゴン》、《混沌魔龍 カオス・ルーラー》
同じカテゴリのシュトラールはわかる。ランドリードラゴンも洗濯がモチーフのモンスターなのでわかる。カオスルーラーに至っては墓地肥やし以外に連想するポイントは無く、公式の確信犯と言えよう。
ちなみに、自身か相手がこのデラックスメイトを使用した状態で、バトルフェイズ中にデュエルが決着した際に「OK」ボタンが表示された直後にボタンを押すとフリーズまたは強制終了するラドリートラップ不具合があった。一応、この不具合が発生しても対戦結果は正常に処理されており、2023年11月7日に修正のアナウンスが入っている。
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