ナイトメアとは、ソード・ワールド2.0に登場する一種族である。
概要
「人族」でありながら生まれながらにして「穢れ」を持つ突然変異種。
全ての人族から生まれるわけではなく、『剣の加護』を持つ人間・エルフ・ドワーフ・リルドラケンからのみ誕生する。原因については一切不明であり、どの種族から生まれた場合でも「小さな角と痣があり、極端に色白な人間」という姿である。
人族社会では基本的に迫害される立場に置かれている。
蛮族の象徴である「穢れ」を持っていることの他、生まれ持った角で産道を傷付けてしまう(胎児の時点で異貌状態)ことが多く、忌み子として捨てられやすい傾向にある。更に、身体能力は非常に高いため奴隷として扱われることも多い。
尤も、多くは両親の心情に左右されるので、大切に育てられるナイトメアも少なからず存在はする。
因みに、リルドラケン生まれのナイトメアは卵生なので産道を傷付ける心配はない(むしろ卵の殻を割るのに適している)。容姿は他のナイトメアと同じなので外見からして明らかに別種族なのだが、「ちょっと変わった子」ぐらいの認識で育てられるらしい。これにはリルドラケンという種族自体が角を持つ種族である事、鱗の色が多彩かつたてがみの有無が存在するなど同種族間の容姿の個体差が激しい事なども関連していると思われる(要するにあまり外見にこだわらないものが多いのだろう)。
これらの事情からリルドラケン生まれのナイトメアは後述の[異貌]への忌避感や問題意識が低い傾向にあり、公式PCにも「街中で異貌化して投獄されたが、何が悪いのかまったくわからない」と述べる者がいる。
冒険者の世界では高い能力から非常に重宝される存在である。「穢れ」に対する忌避感が一般人よりも希薄という点でも救われている。ただし、仕事上無理解な人と接することも多いため基本的にナイトメアであることを対外的には隠しつつ戦うことになる。
無論、冒険者の中でもナイトメアや「穢れ」を嫌う者が存在するのではあるが。この微妙な立場をどう料理していくのかもGMやプレイヤーの腕の見せ所と言えるだろう。
なお、15歳で成人となるが老衰どころか老化したという記録すらなく、不老種族であると云われている。
「親」としてのナイトメア
ナイトメアと言えど、ヒトの子であることに変わりはなく、当然、子を生すこともある。
ラクシアの人族は他種族との「混血」が原則起こらず、両親のどちらかの種族として生まれることが殆どである。
ではナイトメアからはナイトメアが生まれるのかと言えば、そうではない。
ナイトメアが「本来あるべきだった種族(親の種族)」として扱われる。そして、それはリルドラケンも例外ではない。
卵生のリルドラケン。彼らから生まれた女性のナイトメアはリルドラケンと子を生し、なんと卵を産む。
……とはいえ、肉体的には人間と大差ない彼女がリルドラケンの卵を産むとなればかなりの危険を伴うことは想像に難くない。
なお、リルドラケン生まれのナイトメアが他の人族と交わった、という記録は今のところ確認されていないようだ。
ダークナイト
環境が環境なので、「人族に嫌悪し、蛮族に与する」ようになったナイトメアも存在する。
基本的に蛮族社会は実力主義であり、余程の実力がなければ認められず、逆に認められるほどの実力者は人族にとって大きな脅威となっている。
『バルバロスブック』『ディルフラム博物誌』により蛮族サイドでの冒険が可能となり、PCもダークナイトになれるようになった。ただし能力などは変わらず、「人族の敵」「蛮族名誉点の高いナイトメア」というフレーバーに留まる。
なお、データ的には「人族」として扱われる(『ディルフラム博物誌』145頁)。
蛮族ではないため【バニッシュ】【セイクリッド・~】系魔法の効果を受けず、ダルクレムの特殊神聖魔法【ウォークライ】【フレンジィ】【トループ・オブ・イグニス】の効果も受けない。【バーサーク】が使いたいなら、ダルクレム神官になるしかない。
また、求道者にもなれない。
古いデータブック・リプレイなどでの扱い
なぜか、古い書籍(『アルケミスト・ワークス』『フェイダン博物誌』など)では、「蛮族」の項目でダークナイトを紹介している。
これが設定ミスなのか、本当に蛮族なのかは不明。
魔剣やマジックアイテムの影響で蛮族になれる可能性はあり、『ドラゴンレイドビギンズ』にある竜の秘儀【眷属の契り】のような方法で蛮族になれるのかもしれない。どうであれ、可能ならSNEで明言してほしいところである。
種族の特徴
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
B | B | B | B | B+ | B+ |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
全ての能力がかなり高い水準にあり、人間以上に万能である(種族特徴の差は如何ともし難いが)。
後述する種族特徴も相まって「魔法戦士」と呼ばれるビルドに非常に向いているのだが、「できること」と「担うこと」が多くなりがちな分、成長はやや鈍くなりがちである。
種族特徴は[異貌]と[弱点]の2つ。
[異貌]
補助動作で、肌が青白く、角も肥大化した姿に変わることができる。主動作で元に戻る事もできる。穢れ表を総なめしたような姿のため、良くて「この人、何回蘇生したんだろう」と、最悪蛮族と間違えられる。生まれた時はこの姿なので、異貌中こそがナイトメア本来の姿という説がある。
異貌中は、魔法の行使に発声や動作が不要となり、金属鎧などによる魔法行使ペナルティを無効化する。
前者は、水中や隠密行動などにおいて役に立つ場合もある。後者は、前線に立ちつつ魔法を行使していく「魔法戦士」の実力を十全に発揮させてくれる能力である。
ただし、金属鎧などを装備していないときや魔法技能を取っていない場合は無意味である。
種族特徴の強化により、異貌中に与えるダメージが上昇したり、命中・行使判定にボーナスを得たりする。
上述の魔法剣士はもとより、後衛や魔法を使わないビルドでも異貌する意味が生まれるようになる。
ただし、ナイトメアであることが露呈するので、一般人がいるところで使うのは憚れ、またパーティメンバーにナイトメアであることを隠している場合は戦闘後に微妙な空気になってしまう(あくまでキャラクターの心情として)。
そのあたりも考えつつ行使するタイミングを計る必要はある。
[弱点]
特定の属性の攻撃によってより多くのダメージを受けてしまう。マイナス効果だけの種族特徴である。
弱点となる属性は「銀」の他、親の種族が得ている[剣の加護]と同じ属性が弱点となる。具体的にはリルドラケンなら「風」、エルフは「水・氷」でドワーフは「炎」。人間は属性について言及されていないが「土」が弱点となる。
「弱点」という名前であるが、いわゆる魔物の弱点ではなく、厳密には「○炎に弱い」などの魔物の特殊能力と同じ分類である。
蛮族PCの場合は弱点隠蔽判定に成功することで打ち消すことができるが、ナイトメアはできない点に注意が必要である。
ダークナイトなど、エネミーデータとしてナイトメアを扱う場合の注意点。
上記の通り、ナイトメアの[弱点]はあくまで○(常時型)特殊能力であり、他のモンスターたちが持つ弱点とは異なる物である。そのため、魔物知識判定に弱点値は存在しないし、《弱点看破》による弱点効果の倍化も受けないので気を付けよう。
なお、知名度を抜いた時点で親種族も公開する(公式Q&A参照)。
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