ニシノフラワー単語

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ニシノフラワー

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だって私は

まわりを見れば
おや、女の子たちしか
いないじゃないか
ここではさすがに
負けないよ

だって男の子たちに
混じったとしても
駆けて弾けて
やっつけてしまう
私なのだから

―名馬の肖像　ニシノフラワー

ニシノフラワー(Nis hino Flower)とはセイウンスカイの嫁1989年生まれの日本の元競走馬、元繁殖牝馬である。

優れたスピードをもってGI競走3勝を挙げた、黒鹿毛の韋駄天少女。
名前は冠名「ニシノ」＋花(Flower)
栗東・松田正弘厩舎所属、生産は鵡川の西山牧場、主戦騎手は佐藤正雄から河内洋。

この記事では実在の競走馬について記述しています。
この馬を元にした『ウマ娘プリティーダービー』に登場するキャラクターについては
「ニシノフラワー(ウマ娘)」を参照してください。

主な勝ち鞍
 1991年:阪神3歳牝馬ステークス(GI)、デイリー杯3歳ステークス(GII)、札幌3歳ステークス(GIII)
1992年:桜花賞(GI)、スプリンターズステークス(GI)
1993年:マイラーズカップ(GII)

※レース名や表彰名を除き、年齢表記は基本的に現表記に統一

生い立ち

父Maj estic Light、母デュプリシト、母父 Danzigという血統。米国からの持込馬である。

父はダート10F以上のGIを4勝し、種牡馬として仏オークス馬などを輩出しそこそこ活躍している。母親は未出走であるが、曾祖母がセクレタリアトの全姉であり、近親に大種牡馬サーゲイロードがいる。結構な良血馬である。

ニシノフラワーは「ニシノ」や「セイウン」の冠名でしられる西山正行が所有する西山牧場で生を受けた。西山牧場は1970年代は社台ファームに匹敵する大牧場であったが、本馬が産まれる頃には導入種牡馬の失敗を要因として成績が低迷しており、改革の手段として少数精鋭主義に切り替えた。そのときに導入された繁殖牝馬が本馬の母デュプリシトである。

韋駄天少女の快速日記

２歳

デビューは2歳7月の札幌開催。骨膜炎の影響もあり負担の少ないダートを初戦に選んだが、ここを後続に4馬身つける快勝を収めた。続く札幌3歳S、更に京都に戻りデイリー杯3歳Sと瞬く間に重賞を連勝。

こうなれば2歳女王の座は貰ったも同然である。阪神3歳牝馬ステークスでは、4コーナー3番手から力強く伸び、サンエイサンキューやシンコウラブリイを抑えて押し切り勝ちを収める。文句なく最優秀3歳牝馬に選ばれ、来年のクラシック戦線の主役を張ることは疑いようもない。鞍上の佐藤正雄騎手も初めてのGI タイトル獲得となった。

３歳

冬休みの後、当時オープン特別だったチューリップ賞を始動戦に選び、1.2倍という圧倒的一番人気に推されたものの、仕掛けが遅れた結果馬群から抜け出すのが遅れ、アドラーブルから3馬身離された2着に敗北。この結果を受けてデイリー杯を除き全て騎乗してきた佐藤正雄騎手が自ら降板を打診。新たに関西のトップジョッキー河内洋を迎え桜花賞へと向かう。

桜花賞本番でも2.3倍と高い人気を維持したまま向い、4コーナー先頭から阪神の坂を全く意に介する事なく駆け上がり、3馬身半差をつけて押し切り、チューリップ賞の敗北に熨斗を付けて返した。

続くオークスは距離が長かったか直線で伸びを欠き7着、しかし着差は3馬身程度ではあった。

秋はローズSから始動するが、ここでは4着。続くエリザベス女王杯(当時は牝馬三冠路線の三冠目で、距離も2400m)では距離不適と思われたせいか6番人気まで人気を落としたが、思い切って中段後方につける策が奏功し、内から鋭く伸び3着を確保。

シーズンの締めくくりに古馬との混合戦であるスプリンターズステークスを選択。この時は2番人気で、ダイタクヘリオスが1番人気だった。レースでは後方グループで競馬を進め、最終コーナーで大外に持ち出すと、ヤマニンゼファーが逃げ切り体勢を図っていた所をゴール手前で一気に強襲。クビ差で差しきりGI競走3勝目を挙げた。

この年6戦2勝、桜花賞とスプリンターズステークス優勝という成績から最優秀4歳牝馬と最優秀スプリンターを受賞した。

４歳

1993年も現役続行。初戦のマイラーズカップで後続を3馬身突き放す快勝を収め、安田記念を1番人気に迎えたが10着に大敗。宝塚記念に出走したが8着と特に言うことなく終わる。

秋シーズンはスワンS3着の後、マイルチャンピオンシップ13着と大敗を喫した。しかし続くスプリンターズステークスでは本格化したサクラバクシンオーとヤマニンゼファーには敗れるも3着を確保し、韋駄天少女としての才気を遺憾なく見せつけた。

この年を最後に引退した。通算成績は16戦7勝、重賞はGI競走3勝を含む6勝で、古馬になっても一線級の牡馬と戦えており、どこに出しても恥ずかしくない、それどころか隠す必要すら感じさせない立派な成績である。

その後

1994年から繁殖入りし、96年に初子が誕生。産駒は全部で11頭おり、その内9頭がデビューにこぎ着け、7頭が中央勝ち上がりを収めた。代表産駒は若駒Sを制したニシノセイリュウや、重賞で2度の2着があるニシノマナムスメ。重賞に届く産駒は出なかったものの、勝ち上がった馬が全頭複数勝を挙げてるから、アベレージは非常に優れている。

孫、曾孫世代も中央で勝ち上がる馬を複数おり、フラワーの勝った札幌2歳ステークス(フラワーが勝ったときは札幌3歳Sだったが)を制し、2022年の中山大障害で子孫初のGI 馬になったニシノデイジーはフラワーの曾孫であり、セイウンスカイとの間に生まれた子の孫という西山牧場謹製の血統である。

繁殖を引退後、故郷の西山牧場(牧場の敷地はダーレージャパンに売却されたが、育成牧場としての機能は保有している)にて功労馬として生活していた。長らく息災であったものの、2020年 2月5日に西山オーナーのブログにて死亡が発表された。享年31歳。

現役時代は最大でも430kgそこそこの小さな馬体だったが、短距離では牡馬相手に大立ち回りを演じ、苦手な中長距離でも一定の成績を残した。ヤマニンゼファーを差しきり、56kg背負って牡馬相手に3馬身つけるパワフルな韋駄天娘であった。

血統表

Maj estic Light 1973 鹿毛	Maj estic Prince 1966 栗毛	Raise a Native	Native Dancer
			Raise You
		Gay Hos tess	Royal Chager
			Your Hos tess
	Ir rad iate 1966 芦毛	Ribot	Ten erani
			Romanella
		High Voltage	Ambiorix
			Dynamo
*デュプリシト 1985 鹿毛 FNo.2-s	Danzig 1977 鹿毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Pas de Nom	Admiral's Voyage
			Pet iti oner
	Fab ulous Fr aud 1974 鹿毛	Le Fabuleux	Wild Risk
			Ang uar
		The Bride	Bold Ruler
			Something royal
競走馬の4代血統表