ハーディガンとは、模型と雑誌の連動企画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場するモビルスーツ(MS)である。
漫画ではケビン・フォレストが搭乗。U.C.0123に試作機「シルエットガンダム」の模擬戦相手を担当した。
概要
HARDYGUN ハーディガン |
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型番 | RGM-111 |
頭頂高 | 15.9m |
重量 | 9.8t / 24.1t |
出力 | 3,540kw |
推力 | 19,920kg×3 9,980kg×4 |
装甲 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
搭乗者 | ケビン・フォレスト |
兵装 | バルカン砲×2 |
メガマシンキャノン×2 | |
3連グレネードラック×2 | |
ビームサーベル | |
ダブルビームガン×2 | |
ビームランチャー | |
シールド |
アナハイム・エレクトロニクス社が開発したGM系の汎用機…とされているMS。
その実態はサナリィのF70「キャノン・ガンダム」を非合法の技術盗用計画「シルエットフォーミュラプロジェクト(SFP)」でリニューアルした盗作機である。系統的にはヘビーガンとG・キャノンの中間機だが、性能的には上位機とも言える間柄。
表向きにはRGM-109Ⅱ「ヘビーガン・カスタム」を経てU.C.0111に開発に着手した新型機と発表されている(ヘビーガン・カスタムは初期名称である)。
キャノン・ガンダムが支援機であるのに対し、ハーディガンは「対MS戦対応の主力戦闘型」として完成。至近距離~遠距離に対応した豊富な武装を装備するオールラウンダーな機体になった。G・キャノンと似た性質だがハーディガンは一回り上のスペックを備えた上位機・指揮官クラスの搭乗機とされ、一定数が量産されている。
55基の各部スラスター、3基のメインスラスターにより運動性も優秀。サナリィから得た小型ジェネレーターの出力は原型機から低く設定されたが、それでもヘビーガンやG・キャノンに勝る。
腰部フロントアーマーを始めヘビーガンのパーツもかなり使われている。頭部形状をわざわざヘビーガン系列に近付けているが、原因が出自(盗作)にあるのは言うまでもないだろう。偽装・横流しはアナハイムの得意分野である。さすがアナハイム汚い。
装備など
- 大口径ビームランチャー
- 独立可動肢を持つメガ粒子砲。パックパックに接続して扱う。可動域に優れ腰部リアアーマー付近に配置して真横に寝かせられる。連射もできる。
- ハードポイント
- この時期の連邦軍のMSはデータリンク機能を持ったハードポイントを介し、オプション火器などを装備する設計となっている。模型作例でヘビーガン重装オプションを装備した「ハーディガン重装攻撃型」も公式に披露。
- メガ・マシンキャノン
- サナリィがU.C.0090年代に開発した兵装。シルエットガンダム同様SFPの成果と思われる。
- ダブルビームガン
- 前腕部のユニットに内装した小型ビームガン。キャノンガンダムの標準兵装だが、よりコンパクト化されている。
- 3連グレネード・ラック
- 両腰部サイドアーマーにマウントした投擲・射出用のグレネード。
- ビーム・サーベル
- バックパックにサーベルホルダーを備える。
型番について
ジェガン以降GM系の型番は「制式採用年」が通例になった。しかしSFP発動はU.C.112年、つまり111年という番号は確実に欺瞞、ヘビーガンの系譜という虚構である。
推測に過ぎないが「アナハイムと連邦の癒着」が採用結果に及んでいる可能性も考えられる。ネオガンダムの採用経緯を見るに、実機すら確認せずに計画始動段階で採用が内定していたとしても不思議ではない(連邦がハーディガンの開発を依頼していたなら別だが…)。
近年漫画『ガンダムF90FF』にてF91外伝回りの設定を統合・整理しようとする動きが見受けられるが、本作においてはU.C.116年の時点ですらハーディガンの存在が「アナハイムの次世代小型機」という扱いになっており、この場面で生前のハウゼリー・ロナの口から「マハもハーディガンに興味を示している事」、後の鉄仮面であるカロッゾ・ロナからマハを指して「特捜第十三課」の言葉が語られているが、これは幻の小説版ガイア・ギアの敵組織、そして映像化された閃光のハサウェイにも姿を見せたマンハンターの後年の扱いになっている。現状では名前を示唆されただけで納入が確定した訳ではないが、シルエットフォーミュラの成り立ちも含めてあまりよろしくない流れになりつつあるだろう。
いずれにせよ「RGM-111」という型番には、オープンに出来ない事情が少なからず絡むのは間違いない。
不確定情報
またU.C.0133の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』にビームシールドを装備した機体も登場するとの事だが、ビームシールド装備は掲示板で検証した結果ヘビーガンという説も強く、ハーディガンではない可能性も浮上している。
該当機の特徴なのだが、総合的な形状はヘビーガンであり、胸部の形状のみハーディガンっぽく描かれている。
詳細は不明だが情報源はwikipedia(該当部分は削除)もしくはふたばと思われ、現在ピクシブ百科事典(該当部分は削除)や個人データサイト等あらゆる情報サイトでハーディガンのビームシールド装備という情報が広まっているようだ。
ハーディガン・ナイトレイド
旧キット「ネオガンダム」の付属ブックに収録された模型作例。のちに設定を整理され『F90FF』にも登場する事になる。型式番号はRGM-111NR。カラーリングは夜間任務を想定したダークグレー。
Gカスタムで得られたデータを基に開発された空挺降下用モビルスーツ。ミノフスキー・フライト・ユニットによって超音速侵攻を行い、そのまま現地で空戦及び陸戦に移行できるようになっており、MS単体での全領域侵攻という命題を達成している、第五世代MSの小型化の系譜に連なる機体。連邦軍の機体としては『ジム・ナイトシーカー』のような夜間強襲用空挺MSの後継でもある。
背部には大型のインテグラルタンクにウイングバインダーを備えたF90Aの影響が色濃いミノフスキー・フライト・ユニットを装備。機体各部にはミノフスキー粒子散布下や夜間戦闘を意識した複合光学センサー類を増設。主武装にはビームの収束率の変更によってフルオート射撃と精密長距離射撃を兼ね、F90Lのように弾道補正機能を備えた実体弾ライフルとしても使用可能なロングビームマシンガン。サイドアームにヘビーガン用ライフルをショートバレルに変更したビームガンや、シールド裏側にビームサーベル、本機が掃討用である事を物語る左腕部の対ソフトスキン用モーターキャノンなど、多岐にわたる。
U.C.0116に先行試作機が開発され、アナハイム社内でのテスト運用が行われた後、連邦軍およびマハへの納入が行われたことが記録されている。その後のU.C.0118には地球のインドで起きた、ネオ・ジオンを支持する反連邦組織の内乱鎮圧に制式型(RGM-111NR2)が投入された。鎮圧部隊を指揮していたのはバズ・ガレムソン中佐。
元々は模型オリジナル機で設定画が存在しなかったため、現時点では大全集にも掲載されていない。設定画自体はF90FFでの登場により、模型作例を元にしたイラストがガンダムエース2024年3月号に掲載された。
ハーディガン・ブリッツクリーク
同上。ハーディガン電撃戦仕様。色はジムコマンドのコロニー内仕様を踏襲しているが若干黄がかっている。
ヘビーガンとハーディガンの中間的な形態とされ、かなりのパーツがヘビーガン寄りの形状になっている。というよりもはやヘビーガン要素の方が強い。存在したかどうかすら分からないヘビーガン・カスタムの実機があるならこんな感じだったのだろうか。
武装はロングビームスピア、ビーム・サーベル、ビーム・ライフル、グレネード弾多数。
サイド1のコロニー24バンチで発生した反連邦組織鎮圧のために、ブリッツクリークが配備された第106守護中隊が駆り出された。第106守護中隊はコロニー内戦闘のために特別訓練を受けた部隊である。
Gカスタム
漫画「機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ」(F90FF)に登場。型式番号RGM-111Y2。頭頂高15.9m、全備重量39.8t。
ハーディガンの先行試作型とされ、U.C.115年シルエットフォーミュラプロジェクトの前段階として、F90テスト部隊を監視・情報収集する連邦部隊「ウジャトアイズ」に2機搬入されている。
外見は後のハーディガンに繋がるものであるが、Ζ系のガンダムタイプに近い(V字アンテナは外されている)頭部となっており、目もツインアイである。現時点では直接戦闘する場面が描かれていないので性能は不明だが、バックパックにかのMSA-120と同じブースターを装備し腰部にユニコーンガンダムでおなじみビームマグナム専用Eパックらしきパーツがあり、ガンダムエース2023年七月号に掲載された月刊モビルマシーンにおいてMSA-120のメガブースト用と解説されている。
同コーナーにて画稿と詳細設定が開示され、素体は後述のプロト・ハーディガンを使用して頭部はΖ系小型機の試作を用いてバイオセンサーを搭載しているとされた。また武装面ではビームスマートガンを携行している。2機の内片方の機体に搭乗するヴェロニカ・ヴァーノン中尉はF90とMSA-120との模擬戦の際にMSA-120側に搭乗していたという。画稿ではティターンズカラーに似た濃紺の塗装であるが、2機共にこの塗装であるかは不明。
ヘビーガンII
Gカスタムと同じく漫画「機動戦士ガンダムF90ファステストフォーミュラ」に名前だけ登場。型式番号はRGM-111XまたはRGM-109改同作におけるヘビーガン・カスタムにあたる存在で、ガンダムエース2022年9月号に掲載された年表にてU.C.111年に正式採用が凍結されたと明記されている。
劇中に登場する「ヘビーガンII」と呼称される機体はU.C.116年に改良が施された後の物で、ジェネレーター出力が原型機から13パーセント向上し一部機体はハードポイントを活かしてF90のミッションパックを混載装備しており、後にこの仕様は「プロト・ハーディガン」(型式番号RGM-111Y)と別機体として再設定されている。
漫画内ではサナリィの「F80」のデータ取得を目的にして新生ファステストフォーミュラ隊の模擬戦に割り込んだとされており、観戦していたジョブ・ジョンからは「キャノンガンダムのデータを流用した事」「さらに改良してハーディガンとして近く売り出す事」が語られていた。模擬戦の際のパイロットはGカスタムに乗っていたヴェロニカ・ヴァーノンに加え、「シルエットフォーミュラ91」で「Gキャノン・マグナ」に搭乗していたカール・シュビッツが姿を見せている。
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