バジリスクは、TRPG『ソード・ワールド2.0』に登場する架空種族である。
概要
バジリスクはソード・ワールド2.0の舞台となるラクシアに住む種族で、主にPCが属する「人族」の敵対者である「蛮族(バルバロス)」の中でも、ドレイクと並び称される貴種にあたる。
魔物データの初出は基本ルールブックⅡだが、基本ルールブックⅠのサンプルシナリオの時点で「蛮族のバジリスクを倒して財宝を手に入れた」という設定のNPCが登場しており、当初から蛮族として登場することが決定していたようである。
肉体面でも知能面でも優れた能力を持つだけでなく、睨みつけた相手を石化させる魔力を持った邪眼と、猛毒の血を持つことで恐れられている。
また、八本足の巨大なトカゲの怪物に変身する能力を持ち、この姿では肉体的な戦闘能力が更に強力なものとなる。
「力こそ全て」という価値観を持つ蛮族の中にあって、貴族として扱われるだけあり、その戦闘能力は強大である。
フォーセリアにおけるバジリスクと大きく異なる点は、分類が幻獣ではなく、あくまで人間形態がベースの蛮族である点。
一般的なファンタジーでよく描かれる巨大なトカゲの姿は、ドレイクと同様の変身能力によるものである。
ただし、バジリスクは元々幻獣で、何らかの原因で穢れを得ることで蛮族になったとする説もある。
人間形態では普通の人間と見分けがつかないが、石化の邪眼を制御するために目隠しをしており、原則としてこれで見分けがつく。
同じく蛮族における貴族階級にあるドレイクとはライバル関係であり、性格的にもそりが合わない部分が多いが、利害が一致すれば協力することもある。
一般的にバジリスクは享楽的で気まぐれであり、石化させた犠牲者の像をコレクションするといった趣味人がしばしば見られる。
ドレイクと比して野心には乏しいものの、その性格は残忍・狡猾・好戦的とされ、快楽のために侵略活動を行うことも多く、やはり人族にとっては大きな脅威である。
このような性格の種族とされるが、バジリスク系の蛮族は魔物データ上における反応欄が何故か「中立」になっているものが多い。
前述の通り変わり者が多く、往々にして気まぐれであるため、バジリスクという種族全体の平均をとることが困難であり、便宜上中立扱いになっていると解釈するしかない。
実際、公式のリプレイ等では中立ないし友好的な態度のバジリスクが何名か登場している。
生態は卵生で、産卵は魔物形態で行う等、ドレイクとは共通する部分も多い。
人間を含む他の種族に子供を産ませることも可能で、この場合は胎生で生まれてくる。
ドレイクと異なり、胎生で生まれても完全なバジリスクは生まれうるが、ウィークリングとして生まれる可能性が高くなるようである。
バジリスクの弱点は水・冷気属性であり、寒冷な環境は苦手なのか、熱帯の砂漠の遺跡を根城とすることが多い。
外観は成人後は変化しない不老種族なものの、寿命自体が不定とされるナイトメア・ノスフェラトゥ(寿命無し)やドレイク(1000年以上)と異なり、エルフと同様に500年程度と言われる。種族特徴として年数を重ねるごとに邪眼能力が増えていくのだが、この邪眼が穢れに大きく影響を与え、種としての寿命を大幅に削っているのではとの説が有力である。とはいえ長命種族であることには変わりはない。
敵としてのバジリスクは、補助動作で使用可能な石化の邪眼や、近接攻撃でダメージを受けた際に毒の血液で反撃する能力を持ち、ドレイクと比べると1ラウンドのうちに行うべき処理が多く、GM側の立場から見てもやや癖が強い。
また、真語魔法を操る魔法戦士でもあり、魔力撃や練技は使わないものの、代わりにマルチアクションを得意としており、近接戦を挑んだ相手に前述の毒の血のダメージを与えるため、やはり一筋縄ではいかない強敵である。
ドレイクと同様に魔物形態への変身能力を持つが、バジリスクの場合は知能が著しく低下するリスクがあり、また魔物形態の姿を醜いものとして嫌っているため、命の危機に晒されない限りは変身を控える傾向にある。
基本的にバジリスクの反応は「中立」とされるが、正体を見られることを嫌うこともあって、魔物化した後のバジリスクの反応は全て「敵対的」に変化する。こうなると交渉はほぼ不可能だろう。
上位種は石化の邪眼が犠牲者を宝石に変える能力に変化し、更に蘇生などのユニークな能力を持つ邪眼を追加で獲得している。
このような「宝石バジリスク」の中でも最も有名な例は、シナリオ型サプリメントである「ミストキャッスル」のボスキャラクターを務めた“翠将”ヤーハッカゼッシュ(ジェイドバジリスク)であろう。
ヤーハッカゼッシュは典型的な上位蛮族のロールプレイの指針を体現する名悪役であり、ヤハ様などの愛称で呼ばれる。
(PCとしての)種族の特性
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
B | B- | A- | A- | A- | A- |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
蛮族PCを集中的に取り扱ったサプリメントである『バルバロスブック』にて、晴れてPC種族として解禁された。
初期の穢れが4点と高いだけあって、ライバルであるドレイクと同様、殆ど全ての能力が高い魔法戦士向きの種族だが、敏捷度だけは生まれとダイス目によっては能力値ボーナス+2を確保できないこともあるため注意。
種族特性は[邪視と瞳石]、[猛毒の血液]、[魔物化]。
邪眼(瞳石)が発動体の代わりにもなり、石化の邪眼をノーコストで使用できるほか、猛毒の血液はウィークリング(バジリスク)の毒の血液よりもダメージ値が高く強力になっている。
敵で登場したときと同様に[魔物化]も可能で、多部位のPCとして暴れまわることも可能だが、魔物化後のデータを強化するためには、同サプリで実装された「フィジカルマスター」技能を成長させる必要があり、これが経験点を圧迫するため、若干癖が強い。
魔物化は狭い場所や金属鎧の装備によって制限がかかるため、変身に関するルールをよく理解しておく必要がある。
設定どおり、魔物化すると知能が下がることにも注意。魔法使い型のビルドでは「バジリスクは魔物化後の姿を嫌う」という設定以前に、この知能低下が魔物化を敬遠する材料になりうる。
また、魔物化後のコア部位の防護点がドレイクと比べて低く、調子に乗って前に出るとあっさり沈む危険もある。
種族としての弱点は、魔物データのバジリスク同様の「水・氷属性ダメージ+3点」。ドレイクやダークトロールと違い、属性がピンポイントである分だけ弱点を突かれにくいが、その分ヒットすると痛い。
高レベルになれば、フィジカルマスター技能の「邪眼追加」を習得することで、上位種である宝石バジリスクになることも可能である。ヤハ様にだってなれる。
また、バジリスクは初期習得言語の数が群を抜いて多く、全種族トップクラスのマルチリンガルである。
セージ技能なしで交易共通語、汎用蛮族語、ドレイク語、バジリスク語の会話と読文に加え、必要性が疑問視される妖魔語の会話まで可能。
ただし、上位蛮族のPCながら暗視を持たない(敵データも無印バジリスクは持っていない)点には留意しておく必要がある。
外見上は人間と差異がなく、特徴的な目隠しさえどうにかできれば、正体を隠すことは比較的容易であると考えられる。
特に上位種は石化の邪眼だけ隠している個体が多いようで、これらは何度かイラスト化されているが、いずれも眼帯を付けただけの普通の人間と見分けはつかない。
ミストキャッスル表紙のヤハ様が石化じゃないほうの眼に眼帯をしているのは秘密
しかし、穢れ4点のせいで守りの剣のある町に入ることができず、やはりプレイアビリティ面では問題を抱える種族である。
また、蛮族勢力のリーダー格として有名な種族であり、剣のないドレイクと違って完全体であるため、正体がバレた時の反応の厳しさは、これまた同時に実装された完全体のドレイクと同じく厳しいものとなるだろう。
とはいえ、そもそもPC種族としてのバジリスクの初出であるバルバロスブック自体、蛮族勢力でのPCのプレイガイドという側面も備えており、バジリスクそのものが人族勢力での運用を想定していないとも言える。
蛮族社会が舞台の卓であれば、貴種であるバジリスクが迫害の憂き目に遭うことは皆無だろう。
むしろゴブリンやボガード等の木っ端妖魔どもを相手に偉くなった気分になれるかもしれない。
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関連項目
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