バル・シリーズ(xbv-819系)とは、SEGAから発売されているゲーム「電脳戦機バーチャロン・オラトリオタングラム」に
登場する機動兵器バーチャロイドの内の一機種である。「難解系多機能型試作機体」
なおこの機体のデザインは後の「電脳戦機バーチャロン・フォース」にも引き継がれる程の影響力があった。それについても本項で記述。
脚なんて本当に飾りなのか?、に対する1つの解答例
本機は戦闘用ではなく本来の目的はVR制御用OS「M・S・B・S」のデバッグ用機体である。
その為ロールアウト時に機体の武装は無かった。あくまでデバッグ用に起動すれば済んだからである。
M・S・B・Sの開発が一段落したところで各種武装が装備されテスト機となった。
この機体が開発された理由はRNAの存在がきっかけである。それまでDNA向けのサービスとしてFR-08が一手にOS開発を手掛けていたが、RNAのVRが各機体専用といえるカスタマイズ化をしたせいで仕様の混在化が進み開発部署はプログラミングで手一杯となってしまった。VRの種類ごとのカスタマイズだけでも面倒なのにRNA所属の代行業者が勝手に部隊ごと・パイロット個人の好みに合わせるなんて事までやらかして起動不能や暴走が多発、やむなくFR-08に
OSの改修を発注という情けない事態に。中にはソースコード自体を改修する発注も含まれていてOS開発部署はまさに殺人的スケジュールで対応していた。その影響でデバッグの手間も増え・・いやデバック専門部署もとばっちりを受けて
毎回Vディスクを作成→マインドフォーマット&リバースコンバート→問題あれば修正・・・
この繰り返しでコスト増大に拍車がかかっていた。この事態を重く見たFR-08の一派が両陣営のVRに使えるデファクトスタンダードとしての新OS「M・S・B・S Ver.5」の開発とデバッグ専用VRの必要性のみを記載したプランをFR-08盟主トリストラム・リフォー(以下リフォー)に提示した。
リフォーがVR事業を採算の合わないビジネスと判断した理由は「人型」なのが原因である。
ビジュアル性はいいが片足が故障すれば使えない、手持ち武装は見た目使い勝手は良さそうだが数十トンもある武装を保持する腕、特にマニピュレータのメンテナンス費用と手間は膨大、さらに限定戦争市場では「VR対通常兵器」という局面が多く、ニーズにそぐわないのではという懸念などの問題があったからだ。
RNAの登場により活気付いたとはいえ現実的な運用としてVRを見るなら「人型」にこだわる必要は無い、とリフォーは判断したのである。
リフォーはプランを見るや即刻了承するが、専用VRについてはバル・バス・バウことXBV-13系を設計母体とする、と鶴の一声で決めてしまった。
コレに関しては旧世代のオーバーテクノロジーに無理矢理直結させるという急ごしらえながらも稼働させるに至ったXBV-13の基本設計の良さに対する配慮と、RNA側や旧0プラント派閥との政治的駆け引きがあったとかなかったとか。
当初、M.S.B.SというOSのテスト用プラットフォームとしてのみの運用とされていたが、主武装ERLや、局所運用を可能にする下半身の交換能力といったものに実践的価値が見出され、『パーツを交換することで特化した運用を可能とする』という通常兵器とバーチャロイドの両面の可能性を拓く機体となった。
シリーズ機 (第二世代型)
本シリーズの主兵装であるERL(イジェクタブル・リモート・ランチャー)はXBV-13が間に合わせで付けた有線制御式ランチャーの改造品のコンセプトだけを引き継ぎ新規製造されたものである。
その結果か、バル・バス・バウよりも安定したビーム形成力を持ち、元となったERLはおろか、在来のバーチャロイドを凌ぐ豊富な攻撃パターンを有しているなど、その自由度と可能性は世代を経ても『バーチャロイドの規格を超越している』と語られる。
(ただし、パイロットがそれを実現できるかは別問題であるが)
なお上半身ユニットは内部にOS開発用端末が「丸ごと」搭載されている。これは開発が急がれていたため
プラント内部でのプログラミングとVRでのデバッグを同時進行する必要があったため。いざとなれば
VR側でプログラミングする事も考慮されている。その特殊性から予備機も含めて数機のみ生産されている。
バル・バドス
当初、非人間型を目指していたプロジェクトであるが、一般的に普及しているバーチャロイドが人型であることからそれに準じることを必要とした。そのため、「バル・シリーズ」の基幹機である本機は、バーチャロイドの典型として人型での動作確認のための脚部パーツ“tr-bds”を装備。
これがオラトリオタングラム劇中に登場する『バル・バドス』と呼称される機体である。
兵器として実戦配備されるにあたってERLは両腕部のみならず、脚部の太腿の部分にも搭載されているのがバル・バス・バウとの大きな差であり、これにより自由度の高いERLの分離攻撃を実現している。
バル・バロス
水中での運用に特化したヒレとスクリューを持った脚部"tm-brs"を装着したモデル。南極に位置するFR-08の改訂プラントを本拠とした防衛網の要として活躍したとされる。
ゲーム内では水中ステージにおいて自動的に装着される。 水中限定であるが、水中では機動力が落ちる他のバーチャロイドを尻目に通常時と同じ機動力を発揮する事が出来るのだが、いかんせん尾びれが長く、当たり判定がその分大きいことから被弾し易くなっているというデメリットもある。
バル・ケロス
CIS(電脳虚数空間)を探索するために開発され、ブースターを満載した"ts-krs"を脚部にしたモデル。
物理的法則が通用しないいわば“次元の異なる”CISで本来90秒間しか留まれないはずのバーチャロイドであるが、本機は15分もの滞在が可能となっている。FR-08の開発部でも特に機密性の高い機体であり、実戦配備された報告は僅かしか無い。
ゲーム中ではラスボス、タングラムとのCIS内での戦闘時に自動的に装着される。 一部のERL攻撃が改変されており、現実世界で運用されるものよりも高火力を簡単に発揮する事が可能。
ゲーム内のバル・シリーズ
ゲーム内の本機は上級者向け。防御力・機動力は平均的だがテムジンよりは下回る。
ERLを空間に設置する事が出来るため、設置位置から回り込めば敵機をERLと本体で囲む包囲網を作る事が出来るのが最大の特徴。
しかし、その攻撃力を発揮するプロセスが難解で、基本的な欠点だけを挙げても...
- 非分離攻撃時のRWのリングレーザーとLWのフローティングマインの火力に乏しい
- ERLを切り離すとその部位の攻撃、特に腕部だと近接攻撃の判定が出ない
- 設置後の特殊攻撃時の硬直が大きく狙い撃ちされやすい
- 対戦だと分離パーツの位置を把握され連携を崩される
など非常に強いクセがありプレイヤーがその中で利点を使いこなせないと勝つことが出来ない。
ちょっとオールレンジ攻撃がカッコいいからって生半可な気持ちで乗ると、そのオールレンジ攻撃を使いこなしている他のロボ作品のパイロットが如何に天才的であるかを体で分からされるほど。難解系の称号は伊達じゃない。
あまりにも強いクセと自ら攻めるのに向かない武装ラインナップから状況対応型の戦闘スタイルを要求され、バル・バス・バウとは違う意味で「扱いづらい機体」である。
しかし、敵の基本的な牽制攻撃であるRWのほとんどを消滅させるRWのリングによる盾と、長時間ステージに残り、残っている間中ずっと敵機を追尾するLWのマインによる制圧力はかなりのもの。
そこにCWで発動する各種ERLによる攻撃は敵機をロックオン(視認)せずとも自動追尾するという独自性を持つため、ERLによるセットプレーのテンポはかなり早い。
更に各種配置位置による特殊攻撃や、バグか仕様かというレベルの特殊な入力によって作り出される弾幕は、不注意一瞬、怪我一生を体現するバーチャロンというゲームにおいて『無傷での回避がほぼ不可能』という圧倒的なアドバンテージを有する。
戦闘用にあるまじきコミカルな動きのみならず、使用者の練度・技術・立ち回りの判断力といった魅せの要素が豊富な機体であり、「芸人」と比喩される存在である。
第三世代型 (xbv-821系列)
マーズクリスタルやジュピタークリスタル等、新たに生まれたプラットフォームに対応すべく開発されたM.S.B.Sver7.Xも本シリーズによってテストされている。
また、上半身フレームに「雄、雌」の差が存在しているのも本シリーズ特有ともいえる。雌型のほうが装甲を犠牲に機動力が向上し、より援護に向いた性能の武装を有している。
バル・デ・メオラ / バル・メ・リーノ (無脚浮遊型)
リングレーザー、マインという伝統の装備をしている。
脚部が無く、浮遊するユニットを装備しているのはバル・バス・バウへの原点回帰。設定上最初の第三世代型。
プレイヤーの使用率は低め。理由はERLを設置していない状態での攻撃力に最も乏しい事。CWで自動追尾する技も僅か。
援護に向いた四脚型や誘導攻撃による攻めができる二脚型に対して迎撃に特化できるかが評価の分かれ目。
バル・バ・チスタ / バル・ミ・ランダ (二脚型)
アームショット(誘導ビーム弾)、リングレーザーを装備。
CWは敵機を自動追尾するハウスやバルカンと言われるもので、バル・バドス時代の弾幕を一部であるが再現することができる。
また、初登場であるアームショットは燃費は悪いものの火力が高いため、バルの貴重なタイマン武装として機能する。
バル・バ・ティグラ / バル・セ・リムゾ (四脚型)
アームショット、マインを装備。
4つの脚を持つ、虫を彷彿とさせるシルエットの機体群。最も堅牢で火星へでの実戦配備が最も早かったシリーズとされる。
CWがレーザーとなり、さながらライデン(HBV-05)的な火力支援を主体とした機体となった。迎撃力も高い。
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関連項目
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