パトロールカーとは、
- 警察の防犯パトロール、事件・事故への出動に用いられる自動車。一般的には「パトカー」と略される。英語圏ではポリスカーと呼ばれる。
- 日本においてガス会社、電力会社、電話会社、水道局、鉄道会社がライフラインのパトロールを行う自動車。
- 日本において国土交通省、高速道路会社、道路公社等が道路のパトロールを行う自動車。道路パトロールカー。
旧道路公団が保有していたパトロールカーは、「公団パト」と呼ばれていた。 - 日本において国土交通省、河川管理事務所等が河川のパトロールを行う自動車。河川パトロールカー。
- 日本において警察の許可を得て青色警光灯を装着した自主防犯活動自動車。青色パトロールカー。
本項では、1.について記載する。
日本のパトカー
道路運送車両法で定められている特殊用途自動車にあたり、道路交通法で定められている緊急自動車にあたる(覆面パトカーの一部を除く)。
日本では、白と黒の塗色に所属都道府県警察本部名が書かれた白黒パトカーと、一般の自動車に擬装した覆面パトカーに分けられる。
分類 | 正式名称 | 用途 |
---|---|---|
白黒パトカー | 交通取締用無線自動車 | 交通取締 |
警ら用無線自動車 | パトロール、事件での出動等 | |
覆面パトカー | 私用擬態警ら車 | 交通取締 |
警護車 | 要人警護 | |
捜査車両 | 犯罪捜査 |
警ら用無線自動車のうち、排気量が1,500cc以下の車両は「小型警ら車(ミニパトカー)」と呼ばれる。
白黒パトカー
トヨタ・クラウン (大阪府警) |
日産・ティアナ(和歌山県警) |
交通取締りや事件・事故での出動、パトロールなど警察活動で幅広く使用されており、日本で最もよく見かけるパトカー。白色と黒色の塗色から「パンダ」とも呼ばれている。
側面には所属する都道府県本部名(東京都は警視庁)が黒字で表記されており、警視庁・愛知県警察・広島県警察・福岡県警察・鹿児島県警察などでは側面と後部に白字で「POLICE」と書かれている。警視庁を除く各道府県警察本部名は、大阪府や千葉県、愛知県などでは「○○県警(府警)」、埼玉県や神奈川県などでは「○○県警察」、北海道では「北海道警察」と各道府県によって分かれている。
パトカーの製造販売はトヨタ・ホンダなどの自動車メーカーが行っているが、専用装備が多数が備えられているため、市販車をベースにしつつもパトカー専用のモデルがある。
警ら用パトカーの赤色警光灯は、視認性を向上させるために警光灯を昇降させる昇降機がついている車両もある。また、皇族警衛で使用されるパトカーでは、一部または全部が青色の警光灯を一時的に装着することがある。
覆面パトカー
スバル・レガシィB4 (大阪府警) |
スバル・レガシィツーリングワゴン (大阪府警) |
緊急走行時以外は一般の自動車に擬装しているパトカー。「覆面」や「覆面パト」と略される。
一般自動車に擬装しているため、緊急走行時には赤色警光灯を別途取り付ける必要がある。私用擬態警ら車や警護車ではルーフから警光灯が自動で迫り出す「反転式」が多いが、捜査車両では窓やドアを開けて手動でルーフに取り付ける「着脱式」が多い。
私用擬態警ら車
主に交通取締を行い、乗車する警察官は制服を着ている場合が多いため、パトカーであることが見分けることもできる。また、高速道路交通警察隊の私用擬態警ら車のリアにはLED表示板を設置し、違反車両に対して「パトカーに続け」などの表示を行う車両もある。
警護車
内閣総理大臣や閣僚、都道府県知事、海外要人などの警護を行う。取締りやパトロールが目的ではないため、厳密にはパトカーではない。
捜査車両
名前の通り犯罪捜査等に用いられる。私用擬態警ら車や警護車ではセダンが多いが、捜査車両ではステーションワゴンやミニバンなども多い。刑事ドラマでよく登場するタイプ。なお、緊急自動車の指定を受けていない捜査車両も存在するため、必ずしも「捜査車両=覆面パトカー」というわけではない。
主な装備
- 散光式赤色警光灯
- 前面警光灯(フロントグリルの内部に設置。覆面パトカーではサンバイザーに取り付けるタイプもある。)
- スピード測定器
- サイレンアンプ
- カーロケーター
- 助手席用ミラー
- バグガード(主に高速隊の白黒パトカーに装備)
- データ通信端末
アメリカのパトカー
アメリカでは各警察機関によってパトカーの塗色が異なっている。
MarkedとUnmarked(またはUndercover)に区分され、Markedは警察機関名など車体に書かれ一目で警察だと分かるパトカー(日本で言う白黒パトカー)、Unmarkedは一見一般車両の様に見えるパトカー(日本で言う覆面パトカー)のことを言う。
ただし日本と違い、Unmarkedでも車体側面に「POLICE」と書かれていることがある。また、過去にUnmarkedに交通違反で捕まった違反者が、裁判で無罪になったケースが多数あるため、交通取締りを行うUnmarkedは存在しない。
アメリカでパトカーに採用されている車種は、ゼネラルモーターズ、フォード・モーター、クライスラーのいわゆるビッグ3製のパトカーが圧倒的に多い。
なお、アメリカ連邦捜査局(FBI)のパトカーはUnmarkedに分類される。
ニューヨーク市警察(NYPD) |
ロサンゼルス市警察(LAPD) |
ロサンゼルス郡保安官事務所 (LASD) |
ホノルル市警察(HPD) |
Carbon Motors社製の 特注パトカー |
主な装備
- ワーニングライト(散光式よりもストロボ式やLED式が普及しており、色も赤色の他に白色や青色などもある。近年では車体に内蔵されているパトカーもある。)
- プッシュバンパー(逃走車にパトカーをぶつけて強制停止させる際に、車体を保護するためのもの。)
- サイレンアンプ
- ガン・ロック(火器固定用器具)
- ビデオカメラ
- トラフィック・シグナルライト・チェンジャー(緊急走行中に信号機を青色に変える装置。)
- データ通信端末
その他の国のパトカー
イギリス(スバル社製) |
ドイツ(ポルシェ社製) |
イタリア(ランボルギーニ社製) |
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関連タグ
関連項目
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