パンデミック(ボードゲーム)とは、Matt Leacock作の協力型ボードゲームである。英語版はZ-MANgames、日本語版はHobbyJapan社より発売中。
概要とルール
「病原菌が勝つか、それとも人類が勝つか?」
プレイヤーは協力して4つの伝染病の特効薬を作成することを目的とする。協力型ゲームであるため、プレイヤー間の競争は存在せず(拡張版では異なる場合がある)、「全員が勝利」もしくは「全員が敗北」という結果となる。プレイヤー間の協力が勝利への重要なカギとなる。
敗北条件
伝染病の蔓延を表すキューブが不足し、配置できない
アウトブレイク(後述)が8回発生する
プレイヤーカードの山札が足りず、手札を規定分だけ補充できない
勝利するためだけを考えるならば、各都市の感染を治療する必要はないように見える。しかし実際には敗北条件が存在するため、都市において感染者の治療は必要になる。しかし、感染者を治療するだけでは勝利条件を満たすことはできず、結果山札切れによる敗北条件を満たしてしまう……ここにジレンマが存在する。
開始準備
- ゲームボードを広げます。
- 各プレイヤーは役割(ROLE)カードをランダムに1枚受け取り、
自分のプレイヤーコマをボード上のアトランタ(Atlanta - 青)へ配置します。
(セット内に、各々の役割に対応した色コマが含まれており、通常はそれを使用します。) - 研究拠点コマをアトランタへ配置します。残りの研究拠点コマはボード外にストックします。
- アウトブレイク(OUTBRAKES - 爆発的感染拡大)マーカーを0に配置します。
バイオハザードマークの書かれた感染率(INFECTION RATE)マーカーを"2"の初期位置に配置します。
(② - 2 - 2 - 3 - 3 - 4 - 4)
↑ここ - プレイヤーカードの中から6枚のエピデミック(EPIDEMIC - 予期しない局地的な流行)カードを抜きます。
- エピデミックカードを除いた残りのプレイヤーカードをシャッフルし、その中からプレイヤーの手札を配ります。
初期手札の枚数はプレイヤーの人数によって異なります。
(4人プレイ:2枚 3人プレイ:3枚 2人プレイ:4枚) - 残ったプレイヤーカードを裏返したまま、できるだけ均等な枚数の山に分けます。
山の数はゲームの難易度に応じて決定します。
(初級:4つ 中級:5つ 上級:6つ) - それぞれの山に一枚ずつエピデミックカードを加え、シャッフルした後、全ての山を重ね、
プレイヤーカードの山札とします。 - 感染(Infection)カードをシャッフルし、裏向きのまま置き、感染カードの山札とします。
- 開始時の疾病キューブを以下の手順で配置します。
・感染カードの山札から3枚をめくり、カードの指す地域に対応する疾病キューブを3つ配置します。
・さらに感染カードの山札から3枚をめくり、カードの指す地域に対応する疾病キューブを2つ配置します。
・さらにさらに感染カードの山札から3枚をめくり、カードの指す地域に対応する疾病キューブを1つ配置します。
めくられた感染カードは全て捨て札として表向きに捨て山に置きます。 - プレイヤーの中で1番最近病気に罹った人からゲームを始めます。
ゲーム進行
各プレイヤーの手番を繰り返すことにより進行する。
手番は時計回りにプレイヤー間を廻る。手番のプレイヤーは以下の順序で行動する。
1.で行うアクションは以下の通りである。同じアクションを複数回行ってもよい。
アクション | 必要なカード | 概要 | 関連する役割 |
車や船による移動 | 不要 | 自分のプレイヤーコマを隣接する都市に移動する | 通信司令官 |
直行便による移動 | 目的地のカード | 使用したカードの示す都市に自分のプレイヤーコマを移動させる | 通信司令官 |
チャーター便移動 | 現在地のカード | 任意の都市に自分のプレイヤーコマを移動させる | 通信司令官 |
シャトル便移動 | 不要 | 自分のプレイヤーコマが研究拠点にいる場合、別の研究拠点に移動させる | 通信司令官 |
拠点の建設 | 現在地のカード | 現在地に研究拠点を建設する | 作戦エキスパート |
ワクチン開発 | 同色5枚 | 自分のプレイヤーコマが研究拠点にいるときに可能。使用した色の伝染病のワクチンを完成させる | 科学者 |
疾病の治療 | 不要 | その都市の疾病キューブを一つ取り除く | 衛生兵 |
知識の共有 | 右参照 | 同じ都市にいる相手に現在地のカードを渡す、もしくは同じ都市にいる相手から現在地のカードをもらう | 研究員 |
また、プレイヤーの役割(ROLE)ごとに有利なアクションがあり、効果が変化する。
役割(ROLE) | 特殊能力 |
通信司令官 (Dispatcher) |
自分のアクションを消費して、他のプレイヤーを移動させることができる (この時移動にカードを用いる場合、通信司令官のカードを使う) また、自分のアクションで自分を含む任意のプレイヤーを他のプレイヤーがいる都市へ移動できる |
作戦エキスパート (Operation Expert) |
プレイヤーカードを消費することなく拠点の建設ができる |
科学者 (Scientist) |
治療法発見にかかるプレイヤーカードが4枚ですむ |
衛生兵 (Medic) |
疾病の治療により、その都市のキューブをすべて取り除く また、ワクチンが完成している場合はアクションを消費せずすべてのキューブが自動的に取り除かれる |
研究員 (Researcher) |
同じ都市にいるプレイヤーに任意のプレイヤーカードを渡すことができる。 (カードをもらう場合はこの例外は適用されない) |
アウトブレイク (OUTBRAKES - 爆発的感染拡大)
各都市には同色のキューブの上限は3個である。4個目のキューブが置かれる場合、アウトブレイクが発生する。
アウトブレイクが発生した際、以下のように処理する。
- アウトブレイクマーカーを+1します。(マーカーが8になったらプレイヤーの敗北です。)
- アウトブレイクが発生した都市に隣接する(=赤ラインで結ばれた)都市全てに一つずつ
アウトブレイクを引き起こした色の疾病キューブを1つ配置します。
(結果、都市によってはその都市の色以外の疾病キューブが置かれることもあります。)
アウトブレイクにより疾病キューブが置かれる都市にすでに3個のキューブが置かれている場合、
その都市でもアウトブレイクが発生します。(連鎖反応)
一回の連鎖反応において、一つの都市が二度アウトブレイクを起こすことはありません。
エピデミック (EPIDEMIC - 予期しない局地的な流行)
プレイヤーカードの山札には難易度に応じて4~6枚のエピデミックカードが存在する。
エピデミックカードが引かれたとき、即座にそれを捨て札とした上で以下のように処理する。
(なお、エピデミックカードを引いたからといって追加でプレイヤーカードを引くことはできない。)
- 感染率を一段階上昇させます。
(感染率は2 - 2 - 2 - 3 - 3 - 4 - 4の7段階。手番ごとの感染処理の回数に影響) - 感染カードの山札の1番下から感染カードを1枚めくり、その都市に対応する色の疾病キューブを三つ置きます。
- 2で引いたカードを含めた感染カードの捨て札を裏向きにしてよく切り、感染カードの山札の上に置きます。
エピデミックが発生すると、すでに疾病キューブの置かれている都市にさらにキューブが置かれる可能性が高まり、
アウトブレイクの可能性がさらに上昇します。
スペシャルイベントカード
プレイヤーカードに含まれているスペシャルイベントカードは、他のプレイヤーカードと同様、手札にします。
このカードは手番ごとの感染処理に割り込むタイミング以外ならばいつでも使うことができ、
自分の手番で使用した場合でもアクションとしてカウントしません。以下の5枚があります。
カード名 | 効果 |
Airlift(空輸) | プレイヤーのコマ(自分または他のプレイヤーコマ)1個を任意の都市へ移動する。 移動するコマの所有者の許可を得なければならない |
Forecast(予測) | 感染カードの山札の上から6枚のカードを見て、好きな順番に並び替え、山札の上に戻す。 |
Government Grant (政府の補助) |
調査基地1つを、いずれかの都市に、無償で配置する。 |
One Quiet Night (静かな夜) |
次に行われる手番における感染処理は、そのフェイズ全体をスキップできる。 |
Resilient Population (人口回復) |
感染カードの捨て札からカード1枚を取り、そのカードをゲームから取り除く。 |
手札上限について
手札は7枚まで持つことができます。補充や知識の共有によって8枚以上となる場合、
即座に手札を捨てることで7枚以下にしなくてはいけません。
なお、このタイミングでスペシャルイベントカードを使うことで7枚以下に調整してもかまいません。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
パンデミック(ボードゲーム)に関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
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