『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック』(Heroes of Might and Magic、略:HoMM)は、ニュー・ワールド・コンピューティング社(NWC)より発売されたコンピュータゲームのシリーズ作品。『マイト・アンド・マジック』シリーズの派生作品で、NWC社が3DO社に買収されたため3DO社に版権が移り、その後3DO社の倒産時にユービーアイソフト社に版権が移っている。シリーズは1995年に第1作がリリースされ、2015年に最新の第7作がリリースされている。
このゲームはターン制のファンタジーシミュレーション(ターン制ストラテジー)であり、プレイヤーはファンタジー世界のクリーチャーを率いたヒーローを操作して戦争を行うことを特色としている。
このシリーズはDOSおよびWindowsをプラットフォームとし、いくつかの作品ではMac OSがサポートされている。ヒーローズ3はLinuxへ移植されている。またリメイク作品が、ゲームボーイカラーとPlayStation 2で作られた。
シリーズ
- King's Bounty(1990年)
- 厳密にはHoMMシリーズに含めることはできないが、後のHoMMシリーズの原型であるため、ここに挙げた。HoMMシリーズのアンソロジーの一部にも収録されている。後にPlayStation 2用のゲームとしてリメイクされ、「Heroes of Might and Magic: Quest for the Dragon Bone Staff」のタイトルで発売された。2008年には続編の「King's Bounty: The Legend(キングズ バウンティ ザ レジェンド)」が発売された。
- Heroes of Might and Magic (1995年)
- ストラテジーゲーム、キングズ・バウンティの成功後、その後継作はマイト・アンド・マジックのグラフィック(World of Xeenの顔グラフィック)や世界観を取り込んでヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジックが作られた。
- Heroes of Might and Magic II the Succession Wars (1996年)
- エンロスの王位継承戦争を描く作品であり、この作品からRPG本編とヒーローズシリーズとは世界観を完全に共有し、協調して作品が作られていった。善のローランドと悪のアーチバルドのどちらに仕えるかを選択でき、2とおりのキャンペーンをプレイできる(ただし、続編のストーリーはローランド側が勝利したものとして展開する)。本編VIはこのHoMM2の後の時代にあたる。
- 拡張パック「The Price of Loyalty」(1997年)が発売された。
- Heroes of Might and Magic III the Restoration of Erathia (1999年)
- HoMM2の続編であり、MM6と時間軸で並行する作品である。ストーリーはリッチとして転生させられたグリフォンハート王に支配されたエラシアを、王の娘であるキャサリン王女が復興させるというもの。本編VIIはこのエラシア復興後の話となる。
- 拡張パック「The Armageddon's Blade」(1999年)と「The Shadow of Death」(2000年)の2本が発売された。「The Armageddon's Blade」は本編VIIの続きで、本編で救出されたローランドも登場し、本編VIより続いたクリーガンとの戦いに決着をつける。
- Heroes of Might and Magic IV (2002年)
- HoMM2,3とMM6,7の世界は、この作品のオープニングで破壊され、人々は新世界に移行した。その新世界をベースとした作品。HoMM3の登場人物が多数引き継がれている。
- 拡張パック「The Gathering Storm」(2002年)と「Winds of War」(2003年)の2本が発売された。
- Heroes of Might and Magic V (2006年)
- ユービーアイソフトに版権が買われてからの新生マイトアンドマジックの第一作目。開発はニーバルで、ジョン・カネガムは関わっていない。従来のシリーズと違い、フル3Dである。また、世界観も新しいものとなっている。
- 拡張パック「Hammers of Fate」(2006年)と「Tribes of the East」(2007年)が発売された。
- Might & Magic Heroes VI (2011年)
- タイトルをわずかに変えて発売されたシリーズ第6作。HoMM5の400年前の話となる。開発はBlack Hole Entertainmentだが、その後倒産したため、拡張パックはVirtuosが開発している。
- アドベンチャーパック「Pirates of the Savage Sea」(2012年)と「Danse Macabre」(2012年)が、拡張パックとして「Shades of Darkness」 (2013年)が発売された。
- Might & Magic Heroes VII (2015年)
- 前作の拡張パック、「Shades of Darkness」の200年後が舞台。開発は「Might & Magic X: Legacy」を開発したLimbic Entertainment。
街の種類
街(種族)はシリーズによって部隊の構成や呼び名が異なるが、大まかな分類はシリーズを通して共通している。
キャッスル(ヘイブン、ナイト)
全シリーズに登場。 歩兵、弓兵、騎兵、騎士など、主に人間で構成された街。人間以外にグリフォンやエンジェルなどが加わっているシリーズもある。 勇者は攻撃力と防御力に長けている。
ストロングホールド(バーバリアン)
全シリーズに登場。Vでは拡張のTribes of the Eastにのみ登場。 ゴブリンやオーク、サイクロプスなど、好戦的な種族で構成された街。 勇者は高い攻撃力を誇るが、魔法は得意ではない。
シルバン(プリザーブ、ランパート、ソーサレス)
全シリーズに登場。 エルフ、ドルイド、ユニコーンなど、主に森に生息する部隊で構成された街。IIやIIIではドワーフも属していたが、IV以降では他の街に属する。 IVでは街の施設から非常に多くの種類のクリーチャーを召還して雇うことができる。 勇者は知性と攻撃力や防御力に優れている。
アシュラム(ダンジョン、ワーロック)
全シリーズに登場。 ミノタウルス、メデューサ、ブラックドラゴンなど、主に洞窟に生息する生物で構成された街。 勇者は高い攻撃力と魔力を持つ。
ネクロポリス(ネクロマンサー)
IIから登場。 スケルトンやゾンビ、ヴァンパイアなどの死者で構成された街。 IVでは悪魔の部隊との混成になっている。 勇者は高い魔力を持ち、戦闘で死んだ敵クリーチャーを死者として蘇らせ、自部隊に加えることができる。
アカデミー(タワー、ウィザード)
IIから登場。 遠隔攻撃の得意なグレムリン(II、IVではハーフリング)、メイジ、タイタンを中心とした街。他にも魔法で動く人工物のガーゴイルやゴーレムなども属する。 勇者は高い知性を持つ。
インフェルノ
IIIから登場。 インプ、ケルベロス、デーモンなどの悪魔で構成された街。 IVでは死者の部隊との混成になっている。 勇者は高い攻撃力と魔力や知性を持つ。
フォートレス
IIIと、Vの拡張(Hammers of Fate及びTribes of the East)に登場。 同じフォートレスでもIIIとVでは構成が全く異なる。 IIIのフォートレスはリザードマン、ヒドラなどの沼地に生息する生物で構成され、Vのフォートレスは主にドワーフで構成されている。 勇者は高い防御力を持つ。
コンフラックス(エレメンタル、フェニックス)
IIIの拡張(Armageddon's Blade及びShadow of Death)にのみ登場する、エレメンタルで構成された街。
コーブ(海賊、シーサーペント)
非公式MOD Horn of the abyssに登場する、海賊で構成された街。
中毒性
このシリーズにはマップ・エディタやランダム・マップ・ジェネレータが搭載され、繰り返しプレイできる。
優秀なMOD(HD MOD等)の登場により、10年以上プレイし続けているプレイヤーも珍しくない。
関連動画
関連項目
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