ビーストウォーズリターンズとは、海外ビーストウォーズシリーズのアニメ最終作(玩具などでは更に続きがある)。
原題は『Beast Machines』(ビーストマシーンズ)。『Beast Wars』の続編であり、通算Season4~5にあたる。
この作品の概要よ、フゥー!!
原語版の『Beast Machines』は、先に完結したビーストウォーズの続編として製作された。タイトルは『ビーストマシーンズ』であり、「ビーストウォーズマシーンズ」ではない。要するにビーストウォーズは先の52話で完結しており、ビーストマシーンズは新シリーズなのである。
邦題がビーストウォーズリターンズになった理由は定かではない。恐らく「ビーストウォーズ」というタイトルが日本でかなり浸透していたことから、すぐにこれが「ビーストシリーズ」だとわかってもらうためにこういうタイトルになったのだろう。たぶん。
ビーストウォーズメタルスの放映からさらに約4年を経た後の放送だった。その理由は後述する。
ビーストマシーンズ、もといビーストウォーズリターンズによって、CGアニメのビーストウォーズシリーズは本当の完結となった。ただし玩具では更に『ビーストウォーズ リボーン』という続編がある。
日本への輸入が遅れた理由
実はすでにビーストウォーズメタルス放映時点で、この作品はアメリカで放送されていた。にも関わらず何故日本国内での放送が遅れたのか? それはその奇抜を通り過ぎてぶっちゃけキモイキャラクターデザインに原因がある。
日本語版製作の際、声優たちがアドリブで「キモイ」「怖い」と連呼していたことからもわかるように、この作品、ごく一部を除き、ことごとくデザインが気持ち悪い。
欧米向けだから仕方ない、きっと欧米ではウケたのだろう……と思いきや、アメリカでもこれは大失敗だった。デザインがキモいだけならまだしも、話も総じて鬱屈で、精神論に踏み込んだ重苦しい作風になっている。元々メタルス時期の時点で物語は結構暗めなのだが、リターンズはそれに輪をかけて暗いのである。
タカラ(現:タカラトミー)も先のアメリカなどでの大失敗から、日本上陸は「無理」と言わざるを得なかった、そういう暗さだった。おまけにデザインも日本では到底受け入れられないグロテスクさである。 こういった事情から、日本上陸は未来永劫不可能というのが定説になるほどだった。
が、2004年、「モバイル放送という特別な放送形態」で「玩具を売ることを一切度外視」し、「下ネタありきの無法地帯」という物凄く限定的な状況下ということを条件に、日本上陸が決定する。以降、DVDが発売されたり一部の地域ではあるが地上波でTV放送がなされたりと、断続的ではあるが視聴できる機会は増えつつある。
なお、変形玩具は(一応)国内でも発売されている。トイザらス限定で。
やりたい放題の日本版
一応話の大筋を理解出来る構造にはなっているものの……。
- キャラクターの正体を隠す気ゼロの配役&口癖。
- 五分以上シリアスを保持出来ない。
- 際どい下ネタ乱発。
- イボンコ☆ペッタンコ
- 機械化帝国を目指しているメガトロンの指揮下において、何故か心を持たない連中が感情豊か。
- 「トランスフォーム」という掛け声で変形するというトランスフォーマーシリーズの決まりごとぶち壊し。
- 今まで自由なアドリブを許されていなかったコンボイ役・子安武人のアドリブ(多少)解禁。
- 最終回のリミックスはもはや画面の整合性無視。
- 悪のラスボスにおける、アニメ史上最低最悪(褒め言葉)の断末魔。
などなど………これまでのような「子供向け」ではなく「ビーストを見ていて、今大人になった君達に送るビーストウォーズ」がコンセプトになっている。これまでのビーストウォーズも、その自由奔放さからトランスフォーマーファンからの評判はあまり良いとはいえなかったが、特に今回は真面目に原語ストーリーを好んでいた・望んでいたファンからの評価は最悪としかいいようがない。
しかし、一方で日本語版ビーストウォーズのファンからは、「待ってました!!」という絶大なる歓迎の声で迎えられたのは、言うまでもない。前シリーズ当時よりもはっちゃけたアドリブ、懐かしいネタのオンパレード、あのキャラクターのその後など、ファンからすれば正に長年と夢とも言える吹き替え版製作が叶ったのである。
モバイル放送ということもあり、放送自体が話題になったとは言いがたいが、DVDでは裏話満載のオーディオコメンタリーが収録されていることもあって、往年のファンから注目を浴びた。
出演者自体はこのストーリーにあまり納得がいっていないようで、ビーストウォーズの続編を何らかの形で実現出来ないか、音響監督の岩浪に直談判している。
あらすじ
『メタルス』最終回で、古代地球でのビーストウォーズに勝利したコンボイ率いるサイバトロン戦士は、メガトロンをセイバートロン星へ連行。これにて一件落着、めでたしめでたし……と思われた。
しかしサイバトロン戦士が目覚めた時、彼らはなぜかセイバートロン星で謎のドローン軍団に追われていた。しかもボディがビーストウォーズ開始時のただの動物に戻っており、ロボットへの変身もできなくなっていた。ドローンからの逃走中に地下で伝説のコンピュータ・オラクルに出会ったコンボイは、マトリクス空間のイメージ映像の中でさまざまなお告げを聞かされながらリフォーマットされる。
そして彼は、光の中から現れた。新たな姿——テクノオーガニックボディとなって。
そのあと明らかになったりならなかったりするメガトロンの野望は、「メガトロン音頭」を聞けばだいたい分かるので省略する。
いっつも元気な追加キャラクターくんですっ!!
サイバトロン
- ナイトスクリーム(コウモリのおばちゃま)声:神奈延年
中の人を役者として泣かせた新キャラ。
最初はマイケル・ジャクソン風だったが、リフォーマットされ完全にオカマキャラと化した。
セイバートロン星にかつて生息していた生物を偶然スキャンして、セイバートロンを襲ったウイルスから生き残る。
自分だけが生き残ったことに自責の念を感じており、その心の傷からサイバトロンの仲間にドギツイ軽口をかましては、よくトラブルとなっている。
一応若造キャラクターであるらしく、小僧・ガキんちょと呼ばれている。まあそう言われればそう見えなくもないが……。
攻撃方法は背中の音波砲と入れ歯ビューーーン!入れ歯は相手に差し込むとそのエネルギーを吸い取って自分の力にしてしまう恐ろしい武器である。
ファッションチェックが得意。言わないとコロス!! - ノーブル(オオカミ+ドラゴン)声:長島雄一
いつも元気な怪物クンですっっっ!!!ワターシは、ノーブル!!!
原語版では鳴き声だけでまともな言葉をほとんど話さない野獣キャラ、というより変身する有機生命体だが、日本語版では結構喋って(歌って)しまっている。
その正体はメガトロンがドラゴンボディと分離する際に発生した余剰パーツであり、最初はこの有機体ボディにメガトロンの意思(スパーク)が宿っていた。
メガトロンのスパーク消失後は野生のみで動く存在となったが、曲りなりとはいえノーブルとしての個性を得ている。
実際はサイバトロンではないが、最後はナイトスクリームのために死んだため、一応ここに記しておく。 - ボタニカ(葉っぱ婦人)声:田中敦子
植物惑星から植物のデータを持ち帰った、コンボイ達とは別の任務をうけていた女学者。
じゅっせーーい!が口癖で、花になぞらえた遠まわしな下ネタが口癖。中の人のイメージダウンになりかねないような。
セイバートロン星帰還時はウイルスの影響で暴走していたが、リフォーマットによって元の意識を取り戻す。
ビーストウォーズなのに花をスキャンしてしまった謎の存在だが、物語のキーパーソンの一人である。
科学者であるため戦闘行為には非協力的だが、本気を出すと強い。
しかしロボットモードはビーストモードと区別が付かないうえ、どっちの形態も限りなくキモい。
日本語版では田中敦子女史のエロボイスで男性共演者が皆骨抜きにされていた。
最後は何故かラットルとラブラブに。 - シルバーボルト(コンドル)声:岩田光央
前作からのキャラだが、あまりにもキャラが変わりすぎているので解説。何故かちょんまげを付けている、しゃくれ顎。
ジェットストームに外部装置としてスキャニングマシーンを無理やり取り付け、コンドルを再スキャンさせた姿。
よって以前のフューザー戦士としての特徴は失われ、ついでにキャラも大きく変わって偉そうになった。
こうしてようやくシルバーボルトの心を取り戻したものの、仲間達を攻撃し、破壊を楽しんでいたことを悔やんで仲間やブラックウィドーとは距離を置いていた。しかしなんだかんだでブラックウィドーと復縁する。
声が何故か渋くなってルー大柴口調から武士口調となり、「ギョエ」が口癖となる。
この「ギョエ」は岩浪美和が「鳥はギョエーって鳴く+殿様の語尾が『ぞえ』」であることから生み出した。
岩田光央もこれにはやられたらしく、いつも岩田のアドリブにやられている岩浪美和が一矢報いた設定である。
ヴィーコン(デストロン)
本作では軍団名はデストロンではなくヴィーコンなのであるが、一応わかりやすく併記しておく。
- ジェットストーム(ジェット機)声:岩田光央
デスデスうるさく、ジェット機なのに首がぐにゃぐにゃ曲がる支離滅裂野郎。
その正体はスパークを移植され、洗脳されたシルバーボルト、デーーース!!
とにかく喋ることに脈絡がないが、これは原語版でも変わらない。
原語版はどちらかと言うと精神的にお花畑になってしまった感じと言えばわかるかもしれない。日本語版も大概だが。
原語版では声優も違ったため、これにより正体がひた隠しにされていたが、日本語版ではデスデス言っていたのでもはや正体丸分かりである。
シルバーボルト時代よりも下ネタが多いが、これはただ規制がなくなったためである。同時に中の人のリミッターが外れた。
日本語版ではDJみたいなことをよくやっていていた、ビートルズ大好き。 - タンカー(タンク)声:中村大樹
こら待たンカー!なダジャレを乱発する脳筋キャラ。
その正体はダジャレ好きなところからわかるように、サイのライノックス。
デストロン側の視点から戦いを見たことで、争いをなくすためには自由意志の滅殺が必要という結論に達し、その結果サイバトロンを裏切る。
が、ビーストの身体を持つメガトロンも支配者としては不適切と考え、自分が支配者になろうと画策し、死んだふりなどをしてコンボイとメガトロンの相打ちを狙う。
が、既にすべてメガトロンに見透かされおり、失敗。最後は自分の過ちに気づいて、マトリックスと和解しようとしていたコンボイに助言を与えた。
原語版だと途中まで違う声優が担当していたが、ライノックスとして目覚めてからはライノックスの声優が担当。 - スラスト(バイク)声:加藤賢崇
バリバリバリバリヨロシクー、スラストだブーン!
正体は言わずもがなって感じの人だブーン。
ブーンでバレバレって言うけど、一応バイクで走るときもブーンって言うからそんなに問題ないバリバリー。
これでも中の人は最初原語版の声優の演技に似せようと頑張ったんだけど途中で諦めたらしいブーン。
途中でドローン軍団が少し小さくなるから、中の人がアドリブで勝手に息子って設定にしてたバリー。
最後は頭がスラスト、身体がワスピーター、しかもミニサイズっていう変わり果てた姿になったバリー。
けどデストロンの中で唯一生存して終わったんだブーン。わーやられたー。 - オブシディアン(ティルトローター機)声:小野坂昌也
関西人ヴィーコンその1。ジェットストームに変わるジェット軍団のジェネラル。
何故か関西人、ノリツッコミでまくし立てるうるさい奴。お前アホちゃうかーーー!ああもうわけわからん!!
ジェットストームとは違ってデストロン戦士のスパークを使っており、無洗脳でメガトロンに従っている。
ちなみにメガトロンはお笑いの師匠らしい。
デスデス野郎よりもうるさいうえに、中の人の小野坂昌也は普段からは想像も付かないくらい緊張していたらしい。
意外と義理堅く、一時サイバトロンへ入っていたものの、メガトロンが復活したと聞いてヴィーコン軍団に戻ろうとした時、敵を討つチャンスだったのにもかかわらず何もしないで帰り、挨拶までした。 - ストライカ(装甲車)声:愛河里花子
関西人ヴィーコンその2。ごつい見た目だけど女だわさ。いい加減にしなサーーーイ!
中の人が岩田光央の奥さんなせいか、支離滅裂で意味のわからないアドリブが多い。
大百科を見てるみんな、国民年金払ってる?
オブシディアンとつるんで馬鹿やってるようにみせかけて実は策士。が、チータスの罠にはまってセイバートロン星の重力圏外に飛ばされ、行方不明となった。
ちなみに中の人の旦那である岩田光央は、番組内では新人であった愛河里花子の演技を心配そうに見ていたらしく、音響監督の岩浪美和が「この夫婦愛があるな」と思った、とネタにしていた。
愛河「そっちじゃなくて芝居みようよ!!」 - フライングC(小型ドローン)声:千葉一伸
メガトロンの側近としてサポートをする小型ドローン。厳密にはトランスフォーマーではないが記載。
メガトロンの八つ当たりを受けたりつまらないギャグにツッコミを入れたりするのが主な仕事。自らもちょっと古めのアニメを中心にモノマネをする。
タンカーによって無理やり配下にされて利用されたあげく、メガトロンによって見せしめにぶち壊された。
ちなみに物語の一時期の間、メガトロンはフライングCと同型のボディにスパークを移していた事があり、音声の調整がうまく行かなかった事もあった……ポン!!!!!!
その他
- オラクル(?)声:神奈延年
セイバートロン最深部に存在するコンピューターにして最初のトランスフォーマーを生み出したとされる伝説の存在。
ベクターシグマへの鍵も持っているらしい。
イボンココンボイたちのボディをリフォーマットし、キモイ新たなボディを授けた全ての元凶である。
またイボンココンボイたちに随時曖昧な指示を出し課題を与え導く役割も持つ。しかしそのせいでゴリラは教祖様キャラへと性格まで変貌してしまった。
基本的にアドリブやギャグのない貴重なキャラクターだが、タンカー介入時はちょっと変な感じになっていたうえリミックスではまさに最後っ屁と言えるネタを繰り出した。
関連動画を見たのにスネに毛ぇ生えてきたわよ!!
そこのお嬢さん、関連商品を買って健康になれたらお医者さんいりませんよ。早く気付け!
関連項目も棚からボタニカよ!
- ビーストウォーズ、ビーストウォーズメタルス(前日談)
- ビーストウォーズⅡ、ビーストウォーズネオ(ネオでベクターシグマとユニクロンが登場した事により、本作を含む初代ビーストシリーズの以後の物語と言える存在)
- 声優無法地帯
- 岩浪美和
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- ページ番号: 4909047
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